アナタはSNSを中心に多くのコスプレイヤー、モデルから愛されているボディアクセサリーブランド「Pharfaite」(パルフェット)をご存知だろうか? クラウドファウンディングでは目標金額の7倍である350万円を集めたガーリーなのにセクシーな拘束具のようなランジェリー「レースリミテーション」や、スタイルがよく見えると話題の競泳水着「ハイネックバインダー」など個性豊かなアイテムは2.5次元モデル・あまつまりなやグラビアアイドル・名取くるみらが愛用し、今なお商品は売り切れ続出と人気を集めている。今回、そんな「Pharfaite」のデザイナー・鳴海ゆいさんにブランド立ち上げからデザインのこだわりまで話を聞いた。


【写真】自身もコスプレイヤーとして活動、デザイナーの鳴海ゆいさん【13点】

──「Pharfaite」を始めたきっかけから教えてください。

鳴海 私は元々オタクで、10年ほど前にコスプレイヤーやモデルとして活動していたんです。最初はキャラクターのコスプレから始まって、徐々に自分のスタイルを活かせるコスプレもしてみたいと思ってセクシーな衣装も着ていました。ただ、その当時、今と比べて可愛い衣装が全然なくて。そこで、自分で衣装を作りだして、周りからもその衣装を「着てみたい」と言っていただけるようになったのが「Pharfaite」立ち上げのきっかけでした。

──10年前だと現在に比べてコスプレはまだマイナーな時代でしたよね?

鳴海 そうですね。
キャラのコスプレ衣装は今と比べるとクオリティの低いアイテムが多かったし、グラビアでも衣装のバリエーションがなくてみんな分かりやすい三角ビキニばかり着ていました。もう少し可愛いデザインがあれば、水着でもセクシーすぎず着やすくなるんじゃないかな……って思って衣装を作り始めたんです。

──デザインの勉強は元々していたんですか?

鳴海 いや、全くしていないです。コスプレをやり始めてから衣装を作り始めたので、当時は全然関係のない大学に通っていました(笑)。

──それはすごい! 苦労せずに衣装は作れましたか?

鳴海 ミシンさえあれば見よう見まねで意外とできました(笑)。大変だったといえば、その当時は学校や会社に通いながら衣装を作っていたので、完成するのがほとんどイベント前日だったんです。
完成したらそのまますぐ衣装を持ってイベントに向かうような生活を日々過ごしていました。

──職場ではコスプレ活動のことは公表していたんですか?

鳴海 完全に隠していましたね。でも「週末何してるの?」と聞かれるとごまかしづらくて……。当時は接客業をしていたんですが、コスプレ人口も少なかったせいか、何人かからは身バレはしていたと思います。知らんふりしていましたけど(笑)。

──そんな鳴海さんですが、2016年にクラウドファウンディングを行い、「Pharfaite」というブランドが本格的にスタートしました。


鳴海 クラウドファウンディングではこんなに応援してくれる方がいるんだって、すごく感動しました。最初に制作した衣装の「レースリミテーション」は、コアな部分には響くデザインかなと思っていたんですけど、実際に出してみたら予想以上に反響が大きくて嬉しかったです。

──目標金額が50万円でしたが、最終的に集まったのは360万円!

鳴海 びっくりしましたね。そんなに集まるとは全然思っていなかったので。

──そもそも「Pharfaite」というブランド名の由来は?

鳴海 「パルフェット」という言葉はフランス語で「最高に可愛い」という意味があります。他にもパルフェ(パフェ)はスイーツの中でも"完璧なスイーツ"と言われていて。
少し高望みに聞こえてしまうかもしれないですが、最高に可愛くて完璧な商品を届けたいという想いで「Pharfaite」と名付けました。

──デザインでこだわっていることは?

鳴海 ブランドのコンセプトを「fetish&cute」にしていまして、可愛らしいデザインにフェチ感を足したようなアイテムを意識しています。あと、露出感のあるデザインが多いんですけど、下品に見えないようにこだわっていますね。セクシーな衣装でも抵抗なく着られたり、着ることによってより身体が綺麗に見えるようにデザインを考えています。

──試行錯誤がすごそうですね……。

鳴海 衣装をゼロから作るとしたら大体半年はかかります。
工場からサンプルが上がったら、まずは自分で着てみてどのパーツを何cmずらすかなど何度も繰り返してフィッティングもしたり……。一番時間がかかったのだと「レースワンピーススイムウェア」という水着はサイズ感が難しくて完成まで1年かかってしまいました。

──デザインアイデアはどこから生まれるのでしょうか?

鳴海 元々オタクだったのでアニメや漫画、美少女ゲームの世界観は参考にしたりします。

──ちなみに「Pharfaite」といえば、競泳水着をデザインした「ハイネックバインダー」がSNSで爆発的人気となりました。

鳴海 今まで競泳水着を着てこなかった方も、このデザインなら挑戦できると気に入ってくださっていると聞きました。腰に紐があることによってラインが美しく見えたり、お尻持ち上げてくれるから着ていて恥ずかしくないって仰ってくださることが多いです。
あとは、他のメーカーさんと比べて光沢もあるので、写真映えするとカメラマンさんからも評価をいただいています。

──「ハイネックバインダー」を作ったきっかけは?

鳴海 「レースリミテーション」などランジェリーを作っていく中でもう少し別のコンセプトラインを作れないかと考えていまして。その当時、競泳水着があまり世に出回っていなかったので、うちで作ってみたら面白いかなと思ったことが制作のきっかけです。元々、自分がコスプレをしていたときもそういった身体のラインが綺麗に見える水着が好きだったんですよ。

──「Pharfaite」をスタートして、嬉しかったことや大変だったことはありますか?

鳴海 やっぱり多くのモデルさんやコスプレイヤーさんが「Pharfaite」を実際に着てくれて、SNSなどでその写真がいっぱい上がってくるのが本当に嬉しくて! 「もっと可愛いデザインを考えたい」という原動力になっています。正直大変だったことはそんなになくて、楽しいことばかりですね!

──そんな「Pharfaite」ですが、6月12日(日)には主催イベント「Pharfaite showcase」が開催されます。

鳴海 ブランドとしても6年目を迎えまして集大成のようなイベントができたらいいなと思い、開催することにしました。たくさんのモデルさんによる即売会からファッションショー、新作発表など、かなり盛りだくさんの内容になっています。緊張はしていますがすごく楽しみです!

▽鳴海ゆい
ボディアクセサリーブランド「Pharfaite」デザイナー。キュートでフェチ感のある衣装は多くのコスプレイヤー、グラビアアイドルから支持を集める。6月12日(日)には東京流通センター第二展示場Eホールにて大型即売会&ファッションショーを行う「Pharfaite showcase」を開催。
Twitter:@narumi_PH