(前後編の前編)
【写真】『ロンドンハーツ』で話題を集めた女優・安倍乙 撮り下ろし写真【5点】
──8月2日に待望のファースト写真集『吐息の温度』を発売します。オファーがあった時は、どんな気持ちでしたか?
安倍 いつか写真集は出したいなと思っていたんですけど、私的には節目となる20歳のタイミングで出すのかなと思っていたんです。でも20歳の時にはお話がなくて、22歳で出すと聞いてびっくりしました。
──事前にどういうコンセプトの写真集と聞いていましたか?
安倍 写真のテイストは、いつものグラビアのような明るい感じではなく、「普段の表情を取り入れよう」ということでした。写真のタッチもバキッとしたものではなく、フィルムのようなテイストで撮っていこうとお聞きしました。
──話があってから、実際に撮影するまでの期間はどれぐらいあったのでしょうか。
安倍 約1か月ぐらいですね。
──撮影に向けて何か準備はしましたか?
安倍 ちょうど舞台の稽古中で、たくさんのセリフを覚えなくちゃいけない時期だったので、特別なことはできなかったんですけど、なんとなく糖質を気にするとか、お肌のためにもできるだけストレスを溜めないようにしました。
──カメラマンの前康輔さんはご存知でしたか?
安倍 はい。写真集の話が決まるずっと前から知っていましたし、伊藤万理華さんを撮影した前さんの個展に行かせてもらったこともあります。その個展を見て、アーティスティックなイメージがあったので、私からスタッフさんに「こんな感じにしたいです」と提案もさせていただきました。
──撮影地は沖縄の座間味島です。
安倍 沖縄には何度か行ったこともあったんですが、座間味は初めてだったのでうれしかったですね。撮影時期が2月で東京は真冬。座間味に着いたら本当に暖かくて、半袖で過ごせたので、めっちゃ気持ち良かったです。
──撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
安倍 前さんは、できるだけ私が緊張しないように、わりと撮影中も話しかけてくれましたし、カメラのシャッター音がしないカメラで撮ってくださいました。「カメラを意識しなくても表情の引き出しがあるから緊張しないように、いつも通りで」とも言ってくださって。たとえば普通は食事シーンを撮られると意識しちゃいますけど、いつの間にか気にならなくなっていました。完成した写真集を見た時に、私自身、「素が出ているな」と思いましたね。
──座間味の印象はいかがでしたか?
安倍 全てが最高で、気温もいいですし、人も優しいですし。猫にしても、東京の猫って近づくと逃げてしまう子が多いですけど、座間味の猫は逆に近寄ってくれて、すごく人懐っこい子が多いんです。東京とは180度違うなという印象で、外国にいるような気分になりました。こういうところに住んだら優雅なスローライフが送れそうだなと思いました(笑)。
──写真集の中でお気に入りの衣装やロケーションを教えてください。
安倍 衣装で言うと、ピンクの服を着て、ドラム式洗濯機の中に顔を突っ込んでいるカットです。「ここに顔を突っ込んでみたら面白いんじゃないかな?」ということで撮影しました。モードなファッション誌の雰囲気がありつつ、普段のグラビアでは着ないような衣装を着て、個人的にお気に入りですね。ロケーションで印象深かったのは屋我地ビーチです。前さんとボートに乗って、周りには誰もいなくて、雨が降る中、しっとりした空間で撮影することができました。
──沖縄の食べ物はいかがでしたか?
安倍 沖縄料理も美味しかったんですけど、感動したのは居酒屋の塩パンです。上にバターが乗せられていて、そこにデミグラスソースをかけて食べるんですけど、絶品でした! 東京にあったらリピートしますね。
──改めてファースト写真集『吐息の温度』の見どころを教えてください。
安倍 家族にしか見せないような、私の素の表情がたっぷり詰まっていて、一緒に沖縄を観光をしているような気分になれると思うので、手に取っていただけるとうれしいです!
【後編はこちら】安倍乙、人生を変えたグラビア「悩むよりも先にやってみようという気持ちが強かった」
▽安倍乙
あべ・おと。
劇団4ドル50セント所属。2017年のデビュー以来、数々の雑誌の表紙やグラビアを飾り、劇団の最新公演『Take Off!!!!』では主演も務める。ファースト写真集『吐息の温度』(集英社)が絶賛発売中。