8月5日から7日にかけてお台場で行われた世界最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」(以下、TIF)。3年ぶりの真夏開催となった今年は、会場となったお台場に3日間で約3万人が来場した。
現地取材をした筆者が個人的に印象深いシーンを振り返ってみる。

【写真】BiSHのいないステージ他、TIF2022

今年のTIFは新型コロナウイルスが拡散する中で開催されたことで、直前になってメンバーが感染し出演を辞退するグループが相次いだ。“楽器を持たないパンクバンド”「BiSH」もアイナ・ジ・エンドのコロナ感染で、出演前日にキャンセルが発表された。

本来BiSHが出演するはずだった7日、夕暮れの野外ステージ「スマイルガーデン」。ステージ上はもちろん無人だったが、会場内にはBiSHの曲『BiSH-星が瞬く夜に-』が次のステージが始まるまで何度もループして流された。

BiSHはこれまでのTIFで『BiSH-星が瞬く夜に-』のみを繰り返しパフォーマンスするライブを何度も行っており、昨年10月に行われたTIF2021でもスマイルガーデンのステージで6回連続この曲を披露するなどTIFの名物となっている。会場のBGMは、それらを踏襲した粋な演出で、その意図をくんでか、BiSHのファンらしい人たちも曲に合わせて振りコピをしていた。

ステージ自体はないため、プレスエリアでこの光景を見ていたのは筆者とBiSHファンというTIFの関係者の男性の2人だけ。この演出がどこからの発案か知りたくて、この関係者の男性に聞いてみると、調べて後日教えてくれた。

「今回のBiSHステージは、フジテレビ側から所属事務所のWACKさんへこれまでのBiSHさんのセットリストを踏襲し音源だけでも流せないかと提案し、WACKさんにも快諾いただき、音源をご提供してもらい実施に至りました」(TIFの関係者)

2023年をもって解散と発表したBiSHだったが、具体的な時期はいまだ不明だ。来年のTIFのステージで、彼女たち自身の声で『星が瞬く夜に』を歌う姿が見られるだろうか。

6日のステージでは、指原莉乃がプロデュースする「≒JOY」がTIF初出演を果たした。
人気の「=LOVE」「≠ME」の妹グループということもあり、舞台袖のエリアにはメディアやアイドル関係者の姿が多数見られた。そんな中、ステージ近くで1人、一心不乱にサイリウムを振り続ける年配の男性の姿があった。

通常、関係者はせいぜい音楽に合わせて首を振るくらいで、サイリウムを振ってアイドルを応援する人は珍しい。しかも背中からも偉い人特有の雰囲気が出ている。誰だか気になったので、周囲に聞いてみると意外な答えが返ってきた。

「あれ、三宅アナですよ」

そう、フジテレビの重鎮、「めざましテレビ」の司会で知られる三宅正治エグゼクティブアナウンサーだったのである。

番組の司会や競馬、格闘技の実況などで知られる三宅アナだが、実はアイドル好きで「ももいろクローバーZ」のファンであることを公言。さらに前述のBiSHのファンでもあり、出演は実現しなかったものの2019年にテレビ朝日『アメトーーク!』で「BiSHドハマり芸人」が放送された際は、そのファンぶりからオファーされたほどだ。

TIFでも過去、推しの「ももクロ」のメンバー・佐々木彩夏のソロステージでは舞台袖で応援する姿が目撃されていたが、今年3月に結成された「≒JOY」までチェックしているとは、その守備範囲の広さはさすがのひと言だ。

「≒JOY」の出演時間は日差しも出て湿度もかなり高く、なかなか過酷な環境だった。「≒JOY」のメンバーたちも交代で水分補給をしていたが、59歳の三宅アナは演奏中休むことなくサイリウムを振り続けていた。ステージ横でただ1人サイリウムを振る三宅アナはさすがに目立ったのか、その姿を見つけた「≒JOY」のメンバーからは笑顔がこぼれていた。


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