【写真】インスタグラビアの女王・似鳥沙也加の撮り下ろしカット【10点】
SNSが絶大な影響力を持つ今では、そこでの成功をきっかけにのし上がろうとするタレントは増えたが、似鳥は彼らとは一線を画している。インスタを始めたのは自己顕示欲ではなく、人とのつながりを求めたからだった。
10歳のときに福岡の学校に転校するもなじめず、やがて保健室登校になる。状況は変わらず、高校に入学するも1年生で中退する。その後はさまざまなアルバイトを転々とするも、やがて引きこもってしまう。だが、大好きなバンド「UVERworld」のライブに行った後、誰かに思いを共有したくて始めたのがインスタグラムだった。
もともとグラビアアイドルを見るのが好きだった似鳥は、そのインスタグラムでグラビア風の自撮り写真「インスタグラビア」を投稿し始め、一気に注目を集め、今に至る。
絵に描いたようなSNS時代のシンデレラストーリー。ただ、似鳥はそもそも芸能人になろうと思ったことがない。
「芸能界に憧れてやってきた感じではないんです。本当にインスタの写真が好きで、続けていたら、雑誌に出させていただけた。グラビアが好きでここまでやってきた感じなので、じゃあ芸能界で今後どうするというのは、正直ないんです」
テレビ番組などでグラビアアイドルと紹介されるが、そこもしっくりきていない。
「私、グラビアアイドルなのかなって。タレントでもないし、ザ・グラビアアイドルの感じでもない気がしていて。じゃあ何って説明したらいいんだろう。何だと思いますか?」
もともと極度の人見知りで、その性格はメディアへの露出機会が増えても変わっていない。クールな美貌とは似合わぬ、かわいらしくボリュームの小さな声で話す姿からは不器用さと一生懸命さがのぞく。
今では舞台やバラエティー番組など、グラビア以外の仕事も少しずつ挑戦しているが、そこにはいつも大きな苦労があるという。
「私はインスタライブをするのにも、お腹が痛くなるほど緊張します。どんな仕事でも前日から緊張しているので、仕事前はいつもドキドキです。ファンの方に会うイベントをする前は、前日寝られなかったこともあります」
似鳥が活動の中で大事にしているのがファンだ。ファンクラブのブログでは「みんながいてくれるから明日も、1日、明後日も、明明後日も頑張れるよ」など、たびたびファンへの感謝が語られる。引きこもりで何者でもなかった自分を、認めてくれたのはファンの存在だからだ。
「ファンの方がいないと、芸能界で今までできていなかったかもしれません。
正直なところ、バラエティー番組も本当は苦手だ。それでも挑戦するのは、ファンのためだという。
「写真だけでこれまでやってきて、動いたりするのは苦手。バラエティー番組とかも本当に怖い、怖いという思いだったんです。でも、出演するとファンのみんなが喜んでくれるのでそこは嬉しい。だからバラエティとかもちょっと苦手だけど、誰かの楽しみにしてもらえるきっかけになるのならと頑張ってます」
誰かのためなら頑張れる。今回の写真集『Ribbon』でもより多くの人に写真集を届けたいという思いから、PRのためにこれまでやってこなかったインスタライブやTikTokにも挑戦している。
「TikTokは恥ずかしさもありますし、よくわからない感じで、なんか謎だなあと思いながらやってます(笑)。しゃべったり、動くのが得意じゃないので、緊張しますね。でも1 冊でも多くの人に見てもらうためにスタッフの皆さんと打ち合わせをして、色々とチャレンジもしてみようとなりました。
インスタライブに挑戦したことで、意外な反応もあったという。
「たまに出るバラエティーでは、下ネタをいう台本が多かったり敬遠されがちだったんですが、インスタライブを見てくれた女性の方から『ぶりっ子のイメージだったんですが、インスタライブ見て印象が違って好きになりました』『下ネタのコメントをうまく流していて、強い女性に見えました』とDMをいくつかいただいて、男性の方からも『本当の似鳥沙也加ちゃんが素で話していて感動しました』とDMをいただき、嬉しかったですね」
好評のインスタライブやTikTokだが、今のところは写真集のプロモーションが終わればやめる予定だ。
似鳥にとっては活躍のきっかけであり、大事なツールであるインスタグラム。ただ注目を浴びる中で、始めた頃とは考え方が変わってきたという。
「最初はいいね数やフォロワー数とかは全く気にしないで、ただ自分が好きという思い、こういう構図で撮りたいとか楽しんでやっていましたけど、今はもう自分だけの世界じゃない。雑誌撮影のオフショットであったりをどんどん載せていかないといけないし、お仕事のツール。だから、いつかまた最初の頃のように戻したいなとも思います」
自分がやりたいことと、ファンが喜ぶものの乖離。それは表現者ならば、誰もがぶつかる壁だ。そして答えは容易には出ない。
「本当に私が好きなテイストって結構ニッチな物が多いんです。私がよくインスタを見ている方の写真は、海外のモーテルで撮られた、映画のワンシーンみたいな雰囲気の中で、ちょっと露出してるようなものなんです。下品でもない、爽やかでもない、その中間。
将来的なこととして「もしいつか芸能界をやめたら、インスタに鍵をかけて、自分の好きなインスタグラビアをずっと続けていくのも楽しいかな」と笑顔で明かしてくれた。
芸能界にこだわりはなく、今後の目標は?という定番の質問を聞くと困った表情を浮かべる。ただ「芸能界を離れてなら」と違う世界での目標を教えてくれた。
「私はカウンセラーや臨床心理士の方にこれまで助けていただいてきました。臨床心理士になるのは難しいですけれど、私のように学校に行けない子供たちに関わっていける仕事ができればと考えています。今は高卒認定をとるために勉強しています。そこからまたいろいろ動き出したいです」
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