【写真】緊張感を漂わせながらBreakingDownについて語る黒石高大【7点】
現在、俳優として幅広く活躍する黒石高大は7年前に格闘技から足を洗ったものの、悩み抜いた末にBreakingDown出場を決意。その意気込みを語ってもらった。
「対戦するこめおも含めて、BreakingDownに出ている若い子って昔の俺を見ている気分になるんです。はっきり言って胸糞が悪い。過去には愚連隊とかやっていたから誤解されがちなんですけど、本来、俺はかぶれた(イキがった)人間と刺青が入った人間は嫌いなんですよ。『死ね!』と思っています。嫌いだからこそ、衝突してケンカになることも多かったわけでね。もちろん俺の身内にも墨が入った奴はいるけど、そこは慕ってくれる仲間だから特に問題ない。結局、本気でつっぱっている奴は自分のポリシーと違うことが許せないんですよね。そういった自分の美学や哲学みたいなものが見えてこないから、BreakingDownに出ている奴らはダサいんです。まぁ所詮は偽物ってことじゃないですか」
本戦に先行して開催されたオーディションでは、若いアウトローに因縁をつけられても声を荒げることなく理性的に対処。
「芸能界に変えられましたね。自分でも信じられないくらい辛抱強くなりました。やっぱり役者をやっていると、理不尽な思いをすることも多いんです。ひねくれた性格の監督やスタッフも中にはいるし、そういうことがあっても笑い飛ばすような余裕がないとやっていられない。昔の俺だったら頭に来てブン殴っていただろうけど、そんなことしたら干されて終わり。役者稼業が俺を人間的に成長させたんです」
黒石が出場していた頃のTHE OUTSIDERは、選手も会場の雰囲気もBreakingDownと比較にならないほど物騒で殺気立っていた。こうした修羅の世界を生き抜いてきたからこそ、今のBreakingDown出場者には物足りなさを感じるという。
「俺らの時代はSNSでバズらせるなんて発想はなかった。今は闘いがコンテンツ化しているような印象があるんですよね。試合が終わったらYouTubeでコラボとかして、チャンネル登録者数を増やそうと躍起になっている。
あくまでも余裕の上から目線を崩そうとしない黒石。対戦相手のこめおについても「秒殺で葬ることになる。視聴する方は、瞬き厳禁でお願いします」と余裕綽々だ。
「とにかく声が小さすぎるよね、あいつは。何をしゃべっているのかわからねぇよ。
役者としての黒石は『アウトレイジ ビヨンド』『孤狼の血』などのアウトロー系話題作に出演する一方、『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』(テレビ東京系)でちびっ子たちの人気者になるなど、着実に支持層を拡大している。それだけに格闘技の世界に戻ることは大きな葛藤があったと告白する。
「そもそも7年前、俺は役者として本気で頑張りたかったからこそ、格闘技の世界から引退したんです。正直、あの時点でも闘うことは全然できましたよ。でも、男として半端な真似はしたくなかった。それなのに、いけしゃあしゃあと出戻りするなんて恥ずかしいじゃないですか。『吐いた唾を飲むなよ』とバカにされても当然です。だから死ぬほど悩みましたね。
同じくBreakingDown6に出場するTHE OUTSIDER軍の高垣勇二、およびに黒石と高垣の共通の先輩から粘り強く説得され、黒石はついに出場を決意した。そこには秘めたる熱い想いがあったようだ。
「心の底の本音を言うとね、俺は格闘技をやりたくてやりやくて仕方なかった。ずっと我慢してきたんです。闘いたいという気持ちを抑えつけながら生きてきましたから。だけど今回は違った。ここで出なかったら、自分の心が壊れるんじゃないかと思って……」
ここまで語ると、黒石は涙ぐみながら下を向いて黙ってしまった。不退転の覚悟がヒシヒシと伝わってくる。
「今回はTHE OUTSIDERとBreakingDownの対抗戦だということで血が騒いでしまったんですよ。我慢できなかった。だって、俺こそがTHE OUTSIDERですから。もちろん吉永(啓之輔)くんや朝倉未来選手もTHE OUTSIDERの象徴ではあったけど、誰が一番人気かと言えば間違いなく俺じゃないですか。
やっぱり俺に求められることって、血の匂いなんです。俺自身は役者としてサラリーマン役や教師役をやってみたいという気持ちでいますよ。だけど相性がいいのは、明らかに暴力性が強い役。役者としての将来を考えた場合、ここでBrekingDownに出ることはマイナスではないと思うんですよね」
試合では、大人になった濱の狂犬が再び牙を剝くことになるのか? 瞬きもせずに注視したい。
【あわせて読む】高垣勇二に聞く、THE OUTSIDER軍団がBreakingDownに参戦した理由「即決だった」