──4月28日に横浜スタジアムで指原莉乃さんの卒業コンサートが開催されます。その日がどんどん近づいてきています。
田中 嫌だ! あぁ、ヤバい。本当に嫌だ……。
──まだ時間が少しありますけど、きっとアッというまに過ぎていくんでしょうね。
田中 そうですね。このあいだ(3月2日)、秋葉原のAKB48劇場でチームHの出張公演をやらせていただいたんですけど「たぶん、この劇場で莉乃ちゃんと一緒に踊るのは最後になるんだろうな……」って思ったら、すごく寂しくなっちゃいました。ずっと莉乃ちゃんと一緒にいたり、一緒に活動することが、自分の中で「当たり前」になっていたんですよね。
──田中さんがHKT48に加入したときには、すでに指原さんもHKT48の一員になっていましたからね。
田中 でも、そうやって「寂しいな」って思うばかりじゃなくて、これから起きるひとつひとつの出来事って、その日しかない大切なことになるので、ポジティブに考えていかなくちゃいけないなとは思いました。
──ちなみにAKB48劇場での出張公演では、なにか「その日しかない」出来事はありましたか?
田中 いつもの通り、でしたね(笑)。
──でも、指原さんと村重さんならではの、そういう光景も、たしかにもう見られなくなってしまいますもんね。
田中 そうなんですよ。そんな光景を笑いながら見ていたんですけど「あっ、そうか。莉乃ちゃんはこうやって、その場その場をさりげなく面白くしてくれていたんだな」って、今になって気づきました。本当に大切な存在だったんですよ、HKT48にとって。
──そういう意味では田中さんの存在も大きくなってきていますよね? 出張公演でも、田中さんがステージにいないときも、MCコーナーではみんな「そういえば、みくりんが……」と、田中さんのネタで盛り上がっていました。あぁ、愛されているなぁ、と。
田中 最近、博多での劇場公演でもそうみたいなんですよ。私が出ていない公演でも、そうやってイジられていると聞いて、全部チェックするようになりました(笑)。
──そのあたりは昨年、日本テレビ系で放送された『HKTBINGO!~夏、お笑いはじめました~』 で、田中さんが「スベリキャラ」として、みんなにイジられたことも関係しているのかもしれません。
田中 たしかに! でも、あのときは真剣にお笑いに挑戦していたので(スベリキャラ扱いは)ショックだったんですよ。自分では面白いと思ってやっているのに、なんでウケないんだろうって(苦笑)。本当に今になってですよ。「あぁ、あれはあれでおいしかったんだな」と理解できるようになったのは。ファンの方も「スベっているみくりんじゃなくちゃ嫌だ!」って言ってくれます(笑)。
──でも、そうやってHKT48の中での立ち位置も徐々に変わっていくんでしょうね。気がついたら、5期生も入ってきて、後輩がものすごく増えました。
田中 それで驚いたのが「坂道AKB」の選抜に入れていただいたんですが、その中で私が一番の先輩だったんですよ! それを知って、自分でもびっくりしました。しっかりしなくちゃいけないなって。
──そのあたりは意識していますか?
田中 やっぱりレッスンやリハーサルのときも、自分のことだけじゃなくて、後輩にも気をくばって、周りもちゃんと見られる人になりたいです。いつかなりたい、というよりも、そういう姿を莉乃ちゃんに見てもらいたい。
──なにが不安なんですか?
田中 横浜スタジアムという大きな会場でのコンサートは初めてですし、少し不安です。あっ、でも、1月にF24として博多座公演を経験させていただいたことで、気持ちの面でも大きくなれたかな、という実感はあります。そこは莉乃ちゃんだけでなく、お客さんにも「しっかりしてきたね」って、言ってもらえたらいいですね。
──4月10日には指原莉乃さんにとってHKT48での最後のシングルとなる『意志』がリリースされます。
田中 今回、フロントに立たせていただいているんですが、まだまだ実力が足りないのもわかっているので、これからがんばって誰もが認めてくれる人にならなくちゃいけないと思っています。
──昨年リリースされたシングル『早送りカレンダー』では、矢吹奈子さんとの「なこみく」で初のセンターを飾りました。あのときは、まさか1年後、なこみくが別々の道を歩んでいるとは思ってもいませんでした。
田中 本当ですよ! でも、あのときセンターを経験させていただいて、すごくよかったと思います。あの経験がなかったら、今、こんなに落ち着いて話せていないと思うんですよ。
──現在、宮脇咲良さんと矢吹奈子さんは『IZONE』の活動に専念しています。
田中 でも、2年後には戻ってくるんですよ、HKT48に。そのときまでに、私はさくちゃんや奈子ちゃんと並べる存在になっていたい。2人はたくさんの経験をしてくると思うんですよ、HKT48とは違う経験を。それでも私は一緒のレベルになっていたいです。
──今回、田中さんが『月刊エンタメ』の表紙を飾ったことで、書店やコンビニの書棚では、宮脇さんや奈子ちゃんの表紙の雑誌と並ぶわけで、すでに第一歩は踏み出されています。指原さんが卒業しても、HKT48の歴史は終わりません。来年は新しい専用劇場ができます。
田中 そういうハッキリとした目標があるのは、ありがたいですね。しかも、ファンの方も待ち望んでいた専用劇場ですから。まずはその劇場を支えていけるような存在になること、ですね。
たなか・みく
2001年9月12日生まれ、熊本県出身。B型。HKT48チームH所属。3期生。ニックネームは「みくりん」。2013年8月にHKT48 3期生オーディションに合格。2014年3月HKT48 3rdシングル『桜、みんなで食べた』で初選抜。2018年11月発売の11thシングル『早送りカレンダー』では初センターを務めた。昨年6月の「第10回AKB48世界選抜総選挙」では10位にランクイン。
HKT48 12thシングル『意志』が4月10日(水)発売

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