ウエストランドの優勝で大いに盛り上がった『M-1グランプリ』。その翌日から、芸人がパーソナリティを務める各局のラジオ番組では、M-1の感想戦が繰り広げられていた。
ラジオで語られた内容がネットニュースになることも多く、自分の好きな芸人が今年のM-1にどんな感想を持ったのか?お笑い好きでラジオ好きでもある筆者は、芸人ラジオのチェックに追われていたのだが、同じような人も多かったのではないだろうか。

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さて、改めて、今年1年を振り返ってみても、忘れられないラジオ番組や企画がいくつも思い浮かぶ。今回は、暇さえあればラジオばかり聴いていた筆者が独断と偏見で選んだ今年のラジオ3大ニュースを紹介しよう。

まずは、山崎怜奈の「乃木坂ラジオほぼ全ジャック」。

乃木坂46の卒業前に、乃木坂メンバーがパーソナリティを務める各局のラジオ番組にゲスト出演しまくるという…なんともラジオ好きな山崎らしい卒業企画だった。もちろん、山崎は、乃木坂を卒業することも自身のレギュラー番組TOKYO FM『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』の中で発表。ライブやSNS等ではなく、ラジオの生放送で、自分の言葉で思いを語ったところが、ラジオを大切にしている山崎らしかった。

しかも、卒業ライブを行わなかっただけに、この企画が発表されたことで、乃木坂ファンは歓喜した。山崎は、文化放送の『秋元真夏 卒業アルバムに1人はいそうな人を探すラジオサンデー』を皮切りに、同じく文化放送の『乃木坂46の「の」』や『レコメン!』、ニッポン放送の『乃木坂46のオールナイトニッポン』、TOKYO FM『乃木坂46の乃木坂に相談だ!』、さらには、AIR-G’ FM、BayFM、FM FUJI、NHKラジオ第1まで、10番組に立て続けにゲスト出演。

これだけ、乃木坂メンバーのレギュラーラジオ番組があることにも驚きである。いわゆる「局の垣根」を超えたスペシャル企画だったのだが、さらに凄いのは、企画の集大成として、自身のTOKYO FMのレギュラー番組で、ゲスト出演した各番組のダイジェストを放送したのだ。
単なる2局のコラボといったレベルの話ではなく、ラジオ局数局の垣根を超えた、まさに夢の企画。国民的アイドルグループ乃木坂46だからこそ、しかもラジオ好きメンバー山崎怜奈の卒業タイミングだからこそ実現した企画だと言えよう。

続いては、『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』日本民間放送連盟賞 生ワイド部門 最優秀賞受賞。

お笑い好きにも、ラジオ好きにも支持されるテレビプロデューサーの佐久間宣行がテレビ東京の局員時代からパーソナリティを務める深夜の人気番組だ。『ゴッドタン』や『あちこちオードリー』など数々の人気番組を手掛ける佐久間がフリートークで語る、番組収録の裏話や人気芸人の知られざるエピソードなども魅力なのだが、時おり飛び出す家族の話には思わずほっこりしてしまう。

そんな中、今年4月に放送された、佐久間が思春期の高校生の娘と箱根神社に行ったエピソードを語った放送回が日本民間放送連盟賞のラジオ生ワイド部門で最優秀賞を受賞したのだ。娘との珍道中を語りながら、高校生リスナーからのメールなども紹介しながらトークを展開。最後には、リスナーそれぞれが深夜に家族や親について思いを馳せられるような構成、聴くものを引き込む圧倒的なトークの熱量が素晴らしかった。

佐久間自身、演出を手掛けた番組ではなく、パーソナリティを務める番組で最優秀賞を受賞したことに驚きを隠せない様子だったが、番組の勢いはその後も止まらず、今年10月には、横浜アリーナで番組イベントを開催。深夜3時から放送しているラジオ番組のイベントの会場が横浜アリーナだと考えれば、いかに番組がパワーを持っているかを感じてもらえるだろう。

少し余談で、冒頭でM-1に触れたが、優勝したウエストランドのネタの中で「佐久間さーん!」と叫ぶシーンがあったので、M-1直後の放送回で、佐久間が何を語るのか?注目したお笑いファンも多かっただろう。しかも、その日のゲストはかが屋。
佐久間Pとコント師かが屋によるM-1談義もまた興味深い内容だった。

最後は、桑田佳祐「ひとりROCK IN JAPAN Fes.生歌スペシャル!!」。

ラジオならではの大御所の音楽企画ということで、是非触れさせて頂きたい。今年の夏は、久しぶりに各地で大型ロックフェスが開催されたが、3年ぶりに開催された「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022」では、桑田が最終日の大トリで出演することが決まっており、大いに盛り上がるはずだった。しかし、直前に、桑田がコロナ感染により出演をキャンセル。さらに、台風の影響で、最終日の公演自体も中止になってしまったのだ。

これを受けて、桑田は復帰後に、自身のレギュラー番組TOKYO FM『桑田佳祐のやさしい夜遊び』にて、「ひとりROCK IN JAPAN Fes.生歌スペシャル!!」と題した企画を実施。桑田がロッキンのステージをラジオで再現したことで話題となった。

桑田は、冒頭からロッキンへの思いを語りつつ、当日演奏予定だった『真夜中のダンディー』、『悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)』、『波乗りジョニー』など、ファンならずともたまらないセットリストで全9曲を披露した。誰もが聴けるラジオでパフォーマンスを届けるという、長年ラジオを大切にして来た桑田らしい素敵なプレゼント。夏の楽しみを奪われてしまったファンも大満足だったはずだ。

他にも、24年半続いたピストン西沢のJ-WAVE『GROOVE LINE』の終了など、番組改編がらみのニュースもあったので、正直、3つに絞るのは難しい作業だったのだが、今回は、「局の垣根を超えた壮大なコラボ」、「深夜放送のフリートークが民放連賞の最優秀賞を受賞」、「ラジオだからこそ伝わる音楽の力」。
そんな視点で3番組をピックアップしてみた。ラジオ好きの人達も是非、自分なりの視点で、今年のトップ3も考えてみて欲しい。

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