【写真】作り込まれたストーリーでTwitterトレンド1位にもなった『エルピス』10話場面カット【13点】
これまでのエンディングでは「浅川恵那(長澤まさみ)が笑顔でケーキを作り、チェリーこと大山さくら(三浦透子)がその様子をテレビ越しにじっと見ている」という映像が流れていたが、同話ではガラッと演出が変わり、「Adobe Premiere Proによるタイムラインの映像」が流れたのだ。
Adobe Premiere Proとは動画編集ソフトのことで、実はテレビの報道現場でも使われているツール。そして同作は“報道”と“現実を意識させる内容”が肝になっているため、ネット上では「メタ構造を持つ作品だからこそ、このドラマの作り手を意識させる動画編集画面をED映像に持ってくるのはさすがです!」といった声とともに、演出を務めた大根仁のこだわりに、称賛コメントが多数寄せられている。
またエンディングのこだわりでいえば、“エンドロール”に流れたキャスト・スタッフの名前にもぜひ注目していただきたい。出演者やスタッフ、企業なども含めて“これまで携わってきた全ての関係者”と思われる名前が続々と登場。
これまで出てこなかった永山瑛太(本城彰役)の名前も挙がっていただけでなく、special thanksに「リリー・フランキー(ドーナツ差し入れ)」という“遊び心”が見られる表記も。視聴者の間ではたちまち話題を呼び、Twitterでは「リリー・フランキー」が一時トレンド入りする結果となった。
他にも“浅川恵那・岸本拓朗・村井喬一の3人が一緒に写っている微笑ましい写真”や、“「未成年者を自宅で保護することは、未成年誘拐罪にあたる可能性があります。虐待を受けている疑いがある未成年者を発見した場合は、児童相談所に連絡をしてください」という注意喚起テロップ”などが大根の作り込みの深さが伺えた。
だが、実はこれまでのエンディングも例外ではない。
実は各話のエンディング映像を見比べてみると、話数ごとにちょっとした“変化”が見られるのだ。例えば“テレビを見ながらケーキを手に持つチェリー”は、フォークでケーキを食べたり、ケーキを食べずにじっと見つめたり、ケーキを手掴みで食べたり……とさまざま。
さらに、“ケーキの箱”に記載されている「製造者:株式会社パンドラ」「賞味期限:2022年10月24日」などの表記にも関心が集まっている。SNS上では「ケーキの箱は『パンドラの箱』の隠喩で、テレビを見ているチェリーさんは“ドラマの視聴者”を表しているんじゃないかな」「毎回エンディングが違うのは、その日の放送内容とリンクさせているからだと思う」と考察する人が続出。
演出の意図は明かされていないものの、“細部まで作り込まれたエンディング”は結果として視聴者に気づきや考えを与えるきっかけとなったのではないだろうか。
奇想天外なストーリー展開はもちろん、現実世界での“問題”にも切り込んだ同作。改めてエンディングも見直すことで、新たな気づきと出会えるかもしれない。
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