【写真】極楽とんぼ・加藤浩次のインスパイア!? 渡辺未詩「2人まとめてジャイアントスイング」が話題【6点】
アイドルとプロレスの融合はいまにはじまった話ではない。昭和の時代には人気女子プロレスラーが歌手デビューしてヒットチャートを賑わせるのが定番だったし、平成になると“かわいすぎる女子プロレスラー”が続々、誕生し、写真集がバカ売れした。近年では元アイドルからプロレスラーに転身するケースが急増中。アイドルとしてはセンターを張れなかったけど、チャンピオンとしてリングのど真ん中に立っているプロレスラーの存在はひとりやふたりではない。
ただアップアップガールズ(プロレス)は根本的に違う。最初からプロレスとアイドルを両立したい人材をオーディションで募り、ゼロから育成していくという前代未聞のプロジェクト。東京女子プロレスでのデビューも確約されており、2017年、発足時の煽り文句は「アイドルとして武道館コンサート、プロレスラーとして武道館のメインイベント」。そのオーディションに参加したのが、現在、インターナショナル・プリンセス王座のベルトを腰に巻く渡辺未詩だった。
「ちょうど高3の夏で進路を決めなくてはいけなかったんですけど、とにかくアイドルになりたくて応募しました。
オーディションに合格した4名でアップアップガールズ(プロレス)は始動。当初はプロレスとアイドルの練習は同等におこなわれる予定だったが、プロレスは基礎が大事、ということになりプロレスの練習が週3、アイドルのレッスンは週1に。さらに週2回のジムワークも追加され、気がついたら、ほとんどの時間がプロレスに費やされるようになっていた。
プロレスラーとしてデビューするには、とにもかくにも地道な練習が必要。しっかりと受け身が取れるようにならないと、リングに上がれない。大技を食らったらケガをしてしまうことは必至なので、絶対に習得しなくてはいけない技術なのである。
もちろんデビュー戦でチャンピオンに、というサクセスストーリーも過去にはあるが、デビュー戦に至るまでは誰もが下積みを経験している。プロレスファンであれば、それはもう常識なのだが、まったくプロレスを知らずにこの世界に飛びこんでしまった渡辺未詩にとっては「?」の連続だった。
「もともとアイドルヲタクだったので、アイドルのレッスンの重要さはわかっていたんですよ。
そのまま攻守逆転し、練習相手のドロップキックを食らったら、受け身がどうのこうのの前に、その威力と痛みで頭の中が真っ白になった。
プロレスとは、かくも難しい。
アイドルであれば、ものすごくかわいかったら、すぐに注目の存在になれるし、ちょっとしたきっかけがあれば一夜にして国民的ヒロインになれる可能性だってある。それと比べうと、プロレスはスターになるまで時間がかかるし、道場での練習はあまりにも地味で痛すぎる。実際、最初の何カ月かはプロレスを辞めよう、と渡辺未詩は考えた、という。
「辛いからとか痛いからっていうわけでもないんですよ。だんだんプロレスが好きになっていくのはわかったので。ただ、このままトレーニングを続けて、がっつり筋肉がついてしまったら、もうフツーのアイドルには戻れないかなって(笑)。辞めるなら、その前だなって思っていたんですけど、デビューして試合をするようになったら、そういう気持ちは薄れていって、1年が経つころには辞めたいって気持ちは完全になくなりました」
そこにはまったくプロレスに対する知識がない、というプロレスラーとしては不利な要素になりかねないバックボーンがプラスに働いていたのである。
【2回目はこちら】アプガ(プロレス)渡辺未詩がリングで感涙、コロナ禍で再認識した観客の歓声の力