【写真】『ペルソナの密告 3つの顔をもつ容疑者』主演の沢村一樹と場面写真【9点】
本作は、とある連続誘拐事件の容疑者として、いくつもの人格を持つ解離性同一性障害(DID)の青年・元村周太(竹内涼真)が取り調べを受けることから始まるヒューマンサスペンスドラマ。企画から参加していたという沢村は、「元村を誰がやるのか、それが気になって仕方なかった」と振り返る。
「昔、DIDを題材にした『24人のビリー・ミリガン』という本を読んで、すごく面白かった印象があったんです。最近もドキュメンタリーで取り上げられているのを見て、まだDIDへの理解が進んでいないなとも思って。そういう問題提起といった部分で関心を持っていたこともあって、今回企画段階から関わらせていただいたんですけど、すごくいい台本ができてワクワクすると同時に『こんな難しい役、誰がやってくれるんだろう』と思いました」
竹内が演じると聞いたときは「正直驚いた」とも話す。
「難しい役なのに大丈夫なのかなって。それは演技力が不安、ということではなく竹内くんはイケメンのイメージがあるので、その印象とは全く違う役になるから大丈夫かなと。とはいえ、あんまり余計なことを考えずに竹内くん演じる元村を見て現場で反応しようと思っていたんですけど、初日からすごいパワーで。きっと面白い作品になる、という確信が持てました」
竹内演じる元村には、主人格のほか7歳の子ども・カブトや暴力的な青年・バクといった複数の交代人格が存在する。
「最初に見たのはカブトですけど、圧巻でした。
自身が演じる獅子舞は、妻を殺されて今は一人娘のために専業主夫となっている元刑事、という設定だ。獅子舞の娘、女子高生の獅子舞音役は同じ事務所の後輩、畑芽育が演じる。
「韓国の女優、パク・ウンビンさんの雰囲気に似てるなと思ったんです。同じ透明感を持っていると感じたので、それは畑芽育ちゃんにも伝えたんですけど、なかなかあの透明感を出せる女優さんって少ないんじゃないかなと。急に色を変えてくるんですよね。役を通して七変化する部分があって、一緒にお芝居をするのが楽しかったですね」
DIDという症例を抱える青年・元村と娘の音。事件の真相を追う獅子舞にとって、二人との関係性も重要なポイントになる。
「刑事ものなので基本的にはサスペンス、謎解きですけど、それよりも自分は元村との友情や娘との愛の話でもあるなと思っています。
DIDという難しい症例を扱う本作はとてもチャレンジングな作品でもあるという沢村。自身にとっても新たな挑戦になったと力を込める。
「もう僕も55歳ですから。若手の役はできないですけど、だからこそ昔できなかった役、初めての役も多くなってきました。今回のように企画から関わるといったドラマもありますし、やっぱりチャレンジ精神は持っていた方がいいなと改めて思いました。新たなことに挑戦するときって失敗することに怖さを感じるけど、やってすぐにうまくいくことは少ない。だからこそ2回くらいは失敗してもいいかなと思うようにしています。そうすると、結構最初の一歩が簡単に出るんですよ」
本作では、竹内と畑の二人から挑戦するパワーをもらったとも語る。
「最近は足踏みするのも結構大事なのかなと思っていたんです。
取材・文/吉田光枝
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