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本作は入念なリサーチに基づき、3つの異なる視点から事故を克明にとらえた重層的なドラマ。「あの日、あの場所で何があったのか」を政府、会社組織、そして原発所内で事故に対峙する者たち、それぞれの視点から描かれた実話に基づく物語だ。企画・脚本・プロデュースは、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズなど大ヒット作を手掛ける一方、『白い巨塔』『はだしのゲン』といった骨太な社会派ドラマを世に送り出してきた増本淳。
この度公開された映像は、原子炉に押し寄せる津波に襲われ職員が構内を逃げ惑う姿で始まる。「あの日々は、運命だったのか、それとも過ちだったのか」というコピーに、役所演じる福島第一原発の吉田昌郎所長が、緊迫した面持ちで窓の外を確認するシーンへと続く。
「4基の原子炉が水没」した信じがたい局面に、総理大臣役の小日向、ベテラン運転員役の小林、新たに解禁された光石、石田、音尾、遠藤らの沈痛な表情が重なっていく。
吉田所長が率いる福島第一原発の1・2号機当直長役は、竹野内。福島第一原発から225キロ離れた首都・東京から陣頭指揮する総理大臣役の小日向が、本作で新たな顔を見せる。そして、真っ先にベントを実行するベテラン運転員に、小林が顔をそろえる。
今回新たに解禁されたのは、吉田所長を右腕として支える5号機副長役として、NHK大河ドラマ『どうする家康』でも家康を支える臣下を演じている音尾。東央電力副社長役は光石だ。
国家の命運をも左右する危機の裏側で、マニュアルに頼れない緊急対応と重大な決断を迫られた政府と会社組織は、どのように向き合ったのか。政府や本店からの錯そうする指示を受けつつ、タイムリミットに追われた最前線の現場では、原子炉の暴走を阻止するためにどんな戦いがあったのか。ドラマシリーズだからこそ実現した濃密な人間模様の描写には、忖度や誇張を排除した強靱なリアリズムが息づいている。
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