※川崎の「崎」の正式名称はたつさき
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2021年に開催された「乃木坂46 新メンバー募集オーディション」に合格した川崎は、他のメンバーから遅れて4月にプロフィールが公開された。同年6月には5期生の中から雑誌担当者が選ぶメディア賞を多くのメディアで受賞し、『週刊ヤングジャンプ』、『B.L.T.』、『BUBKA』といった雑誌の表紙を飾るなど、遅れを取り戻すかのような活躍ぶりを見せ、31stシングル『ここにはないもの』の5期生曲『17分間』ではセンターにも抜擢された。
新体制となって初めてとなるシングル『人は夢を二度見る』で選抜入りを果たした際に「皆んなが出来ることがどうして私には出来ないのだろうか」と同期との差に悩んだ胸の内を明かしながらも、最後には「人としても乃木坂46にふさわしい人に成長出来るような期間にしたい」と力強い決意を綴っていた。
4月に公開された「5期生ドキュメンタリー」で明らかとなっているのは極度の人見知りだということ。『日経エンタテインメント! 乃木坂46 Special 2023』(日経BPムック)の中で川崎は小学2年生から高校1年生まで習っていたフィギュアスケートでも緊張から失敗してしまうことが多かったことが明かされている。そんな川崎の背中を押したのは遠藤さくらの存在だ。
友達から遠藤に似ていると言われたことをきっかけに彼女の存在を知った川崎は、内気な自分と重ね合わせながら乃木坂46に加入してから輝いている遠藤に憧れを抱くようになったという。そんな川崎のオーディション時のエピソードとして、応募期間が1日延びたというニュースを見て、2022年8月11日の締め切り直前にオーディションに申し込んだという有名なものがあるが、まさに乃木坂46とは運命的な出会いを果たした。
加入後も本来の自分とアイドル像に悩むことがあったというが、4月27日に開催された「第2回 5期生お見立て会」の前には先輩の与田祐希から「アイドルは自分の選択肢を広げることができるから頑張って」というアドバイスをもらったことを明かしており、与田のこの言葉は今後のアイドル活動の支えとなったようだ(参考:『日経エンタテインメント! 乃木坂46 Special 2023』)。
確かに『新・乃木坂スター誕生!』(日本テレビ系)での活躍ぶりや「第2回 5期生お見立て会」でのグルグルバットの自己PRといったアイドルとしての吹っ切れた姿は大きな成長がうかがえる一幕だった。
「5期生ドキュメンタリー」ではおしとやかなスケート少女という印象が強かった川崎だが、初の冠番組となった『新・乃木坂スター誕生!』では池田瑛紗の激似モノマネを披露したり、桑田佳祐の『波乗りジョニー』を披露する際には「私って冬のイメージがあるじゃないですか?」とド天然な発言をしたりと、徐々にその知られざるパーソナリティが明らかになっていった。一見、真面目そうに見えて、不意に強烈なインパクトを残してしまうその自然体な姿は川崎の大きな魅力だ。
こうした川崎の天然で捉えどころのないキャラクターは現在はファンの間にも浸透してきているが、4月9日に放送された『乃木坂工事中』(テレビ東京系)の企画「どいつの料理が良いでショー」では、「酢豚って何だろう?」と悩んだ末に、適当に調味料を入れていく様子が映し出され、ナレーションからは「地獄の使者」という強烈な名前で呼ばれるなど、料理音痴な一面も明らかとなった。
後日配信された『のぎおび』ではこの回を振り返って「レシピがあればいける気がするんですけど、どう思います?」と投げかけると、視聴者から総ツッコミを食らってしまう場面も。かつては生田絵梨花がIH事件という乃木坂の歴史に残る悪夢を生み出していたが、川崎もその素質を十分に秘めていると言えそうだ。
そして川崎を語る上で忘れてはならないのはフィギュアスケート面での貢献である。3月に開催された『世界フィギュアスケート選手権2023』ではスペシャルサポーターに就任。大会初日のオープニングセレモニーでは、大会アンバサダーの田中刑事と宮原知子とともに、乃木坂46の楽曲『シンクロニシティ』に乗せてパフォーマンスを披露すると、大きな反響を呼んだ。
公式ブログでは「大役が果たして務まるのだろうか」と不安を明かしつつも、当日のパフォーマンスではさすがフィギュアスケート歴豊富な川崎らしく堂々としたステージを披露し、多くの観客の心を掴んでいた。
そんな川崎は公式ブログの中で「スケートに今まで興味の無かった方も少しでもこの配信を通してスケートを知るきっかけになれるような配信にしたいと思っております!!」と番組にかける思いを語っており、乃木坂ファンとスケートファンの架け橋となったに違いない。
この映像はYouTubeでも公開され、全世界へと川崎のスケートパフォーマンスは届けられた。アイドルとしての自分に自信を持てなかったという川崎だが、特技のスケートを通して川崎の存在は今後広まっていく可能性を秘めている。
これまでフィギュアスケートを特技としてきたメンバーには伊藤寧々がいるが、川崎のように表舞台で大きく注目される機会はなかった。川崎がこれまで培ってきた経験をもってすれば、これまで先人たちが開拓してこなかった分野を切り開いていくことができるだろう。
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