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まず7話の遠野が十崎に襲われた際の犯行の様子を風間が振り返るところから始まる、現場検証が行われる中、尾山(結木滉星)が遠野の血液が不足しているため、遠野と同じAB型の人間に対して献血を要請。6話ラストの余韻を残し、冒頭から遠野の容態が気になって仕方がない。しかし、シーンは変わって通常通り犯行の様子が映される。その後、風間とバディを組む鐘羅路子(白石麻衣)が登場して2人で事件解決に臨む。
7話の事件は犯行現場に第三者を呼び、証人に仕立て上げようとする大胆な犯行。さらには、犯人の舞台女優を務める筧麻由佳(瀧本美織)が事件発覚後は地味な様相でありながら、後半の追い詰めるシーンでの筧は煌びやかな雰囲気に身を包んでいる。
また、伊上幸葉(堀田真由)などが舞台上で犯行現場の様相を演じる“再現演劇”を見せるなど、これまでの話とは違って派手さが目立つ。だからなのか、遠野の状況もちょくちょく差し込まれるが、それでも事件を解決する、という軸に意識を向けられるように配慮されているように感じた。
8話では犯人の名越哲弥(小池徹平)は風間や路子の前でやたらとゴミ箱を確認して強迫性障がいをアッサリと疑われたり、運び屋に薬を売ったりなど、これまで登場した犯人の中でもかなりうかつなタイプ。それでも徐々に真相に近づくにつれて、名越が殺した小田島澄香(ソニン)も名越を殺そうと計画していたことをわかり、“二つの殺意がぶつかっていた”という衝撃的な幕切れ。
各話ごとに発覚する謎も多種多様で、終盤まで決して飽きされることなく、『風間公親-教場0-』という作品が中だるみする心配を感じさせなかった。
7~8話に見応えを持たせたのはやはり白石麻衣の存在が大きい。7話で初めて風間と対面して自己紹介を済ませた後、風間は「風間公親だ」とだけ言い残して現場に向かう。その風間の背中を見ながら路子は「しっぶ」「こっわ」とでも思ったのか、驚愕したような、困惑したような、何とも言えない表情を見せる。
8話でも犯行現場を確認している際、風間から「君は女優の嘘を見破った」とお褒めの言葉をいただき、ガッツポーズしながらドヤ顔を披露。これまで風間とバディを組んできた新人刑事には見られない、コミカルかつ、また“現代人っぽい”雰囲気を醸し出す。
しかし、路子はただおちゃらけているだけではない。優れた観察眼と洞察力を持っており、風間も高く評価している。しかししかし、おちゃらけているけど仕事では優秀というわけでもない。路子はダメ男を好きになる性格らしく、お金の無心はするわ、浮気をするわ、さらには覚せい剤の運び屋をやるわ、非の打ち所がないダメ男の西田徹(渋谷謙人)と同棲している。
人当たりも良く、仕事もできる。にもかかわらず、なぜかダメ男ばかりを好きになる。
基本的に風間とバディを汲む新人刑事は過去を吐露することが多いが、路子は過去のトラウマを嘆いたり、過去の過ちを懺悔したりすることはない。「なぜダメ男ばかりを好きになるのか」「誰かに頼られることで安心感を得たいほど不安感が強いのか」など、路子が現在に至るまでに、どのようなことを経験してきたのかが気になってしまう。そう思わせるほど、可憐で、知的で、どうしようもない路子という登場人物を白石は演じられていた。
9話からは粗暴な言動が目立つ中込兼児(染谷将太)が風間と組むことになる。彼もまたこれまでの新人刑事とは異なる雰囲気を持っているだけに、どう風間と絡んでいくのか楽しみだ。
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