人間や物体の動きをデジタル的に記録し、映像内に反映させる技術を「モーションキャプチャ」と呼ぶ。近年はゲーム作品にも用いられるようになり、撮影時に実演するアクターにも大きな注目が寄せられている。
例えば2023年6月2日に発売された『ストリートファイター6』で、モーションアクターを務める総合格闘家・渡辺華奈もそのうちの一人といえるだろう。

【別カット】鍛え上げられた渡辺華奈の最強ボディほか

渡辺は2017年から主に「RIZIN」で活躍している女性選手で、鍛え抜かれた彫刻のようなボディが印象的。パワーにも定評があり、過去には素手でフライパンを折り曲げるパフォーマンスを軽々とやってのけたこともあった。

2019年12月にはブラジリアンファイターのイララ・ジョアニに3回TKO勝ちを収め、プロデビューから10戦9勝1分けと無敗記録を更新。2021年4月には「Bellator MMA」でアメリカ大会デビューを果たし、2023年7月30日には約3年半ぶりとなる日本凱旋を控えるなど、まさしく今をときめく女性ファイターだ。

そんな渡辺が『ストリートファイター6』でモーションアクターを務めたのは、「マリーザ」と「マノン」というキャラクター。

マリーザは女性ながら筋骨隆々な肉体を誇り、同じ特徴を持つ渡辺との親和性は言うまでもない。すり足気味の移動方法もソックリなので、ぜひとも見比べてみて欲しいところだ。

対するマノンは柔道家にして、パリコレでも活躍するスーパーモデルという設定を持つファイター。実を言うと渡辺も柔道出身の格闘家で、投げを得意としている点が共通している。

ちなみに、マリーザとマノンは『ストリートファイター6』より登場したキャラクターだが、その人気ぶりは早くもトップクラス。性能の高さも理由の一つだが、渡辺による力強くも華麗なモーションが一助となっているのは、間違いないだろう。


渡辺以外にも、昨今のゲーム作品では女性アクターによる活躍が増加傾向にある。例えば2017年に発売されたアクションRPG『NieR:Automata』では、メインキャラクターである「ヨルハ二号B型」と「ヨルハA型二号」のモーションを女優・川渕かおりが務めている。

川渕は剣舞師や殺陣師としての顔も持ち、美しいソードパフォーマンスから「LADY SAMURAI」と称される人物。2017年にエンタメ情報メディア「SPICE」で掲載されたインタビューにおいても、『NieR:Automata』のディレクター・ヨコオタロウ氏が「剣の使い方がうまいなっていう、漫画みたいだなって」と称賛するほどだ。

モーションアクターとしての経験も豊富で、同作以外に『ファイナルファンタジーXIII』や『ブレイブリーデフォルト』を始めとした有名タイトルに数多く貢献。2023年に放送されたテレビアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』(TOKYO MX ほか)ではジャッカスのキャラクターボイスを務め、本格的に声優としてのキャリアをスタートさせている。

同じ女優繋がりでいえば、海外のアクターも負けてはいない。女優のマギー・ロバートソンがモーションアクターを務めたのは、2021年発売の『バイオハザード ヴィレッジ』に登場するドミトレスク夫人。同キャラクターはドレスを着込んだ貴婦人的な印象を受ける一方、身長は290cmと常人離れしている。

もちろんマギーが同じ身長というわけではなく、撮影時にはつっかえ棒のようなアイテムが一躍買っていたという。2021年5月10日に更新された彼女のTwitterによると、これはドミトレスク夫人の目線や実際のサイズを確認するために使われていたのだそう。

そんな一工夫やマギーの演技が評価され、彼女は第39回「Golden Joystick Awards 2021」でベスト・パフォーマンス賞を獲得している。


今やゲーム作品において、欠かせないものとなっているモーションアクターの存在。大ヒットゲームの誕生は、彼女らの活躍によって成り立っていると言っても過言ではないかもしれない。

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