【前編はこちら】CAを辞めて芸人に…芸歴2年目でブレイク前夜のCRAZY COCO「自分の居場所は劇場ではなくネット」
【写真】テレビで躍進する元キャビンアテンダント芸人CRAZY COCO
吉本興業に所属後まもなくして「自分の強みが活きるのはネットコンテンツだ」と感じたことで、多くの芸人が主戦場とする劇場ではなく、YouTubeやInstagramを活躍の拠点に選んだCRAZY COCO。デビュー1年目に設定した目標は『YouTubeのチャンネル登録者数10万人』と『インスタのフォロワー数20万人』だった。
「この目標にしたのは、明確な理由があるんです。まずインスタに関しては、私をスカウトしてくれたチーフマネージャーに『1年目で20万フォロワーくらいいれば、劇場出演しなくてもテレビのオーディションでインパクトを残せるよ』と言われたので、そのアドバイスを参考にしました。そしてYouTubeに関しては、動画の編集作業も必要になってくるので、毎日アップできないだろうということを見越して、20万まではいかずとも登録者数10万人は目指そう、と。
私も今年で37歳になるので、自分のことは自分自身が一番よくわかっているつもりです。だから基本はセルフプロデュースですが、ショービジネスのことはまだまだわからないことが多いので、そこは芸能のプロであるマネージャーの意見を信頼して、積極的に取り入れているんですよね」
努力の甲斐あってデビュー1年目の目標は見事達成し、2年目の現在ではYouTubeのチャンネル登録者数24.2万人、Instagramのフォロワー数は23.7万人に届いている(2023年7月2日時点)。そんな彼女がいま熱望するのは、『しゃべくり007』『グータンヌーボ』への出演だ。
「『しゃべくり007』は、外国人の友達も知っているというほど海外での認知度もある番組ですし、『グータンヌーボ』は私自身、昔から観ていた憧れの番組で。その2つに出ることができたら、芸能人として新たな扉が開けると思うんです」
この2番組出演を叶えるべく、“願掛け”として「禁酒」「禁欲」を自らに課しているのだという。CA時代も夜な夜なパーティーへ繰り出していた大の酒好きであり、ワールドワイドな男性遍歴でも知られる彼女が、あえて「禁酒」「禁欲」を貫く理由を聞くと、意外な答えが返ってきた。
「特に芸人さんって、お酒でやらかしちゃったエピソードをネタにされることも多いですけど、それを2年目の私がやってしまうのはどうなんだろうと思うんですよね。
それに『外国人に抱かれまくった』みたいなエピソードは、もうCA時代で十分ストックがあるし(笑)、人生における“CRAZY COCO”という章では新しいことをやっていきたいんですよ。もともとは『一歩手前まで攻めたい』タイプで、テレビでギリギリの下ネタを言っていきたい自分もいるんですけど……それができるようになるのって、“CRAZY COCO”としてのアイデンティティがしっかりと世に浸透してからかなと。番組で男性芸人に下ネタを振られても、倍で返して『えっこの人、下ネタもいけるんだ!』ってちょっと驚いていただけるくらいの感じが理想的かなと思っていますね」
こうした、目標達成までに成すべきタスクを冷静に分析する作業は、芸能界入りする前から彼女の身についていたものだという。
「私、心理テストをやるとだいたい『策士』っていう結果が出るんですよ(笑)。『最短で目標を達成させる人』とか。確かにCAの学校に通っていた時も、入学4ヶ月目くらいですでに内定をもらっていたりしていて。たぶん、ゴールまでにやるべきことを設定するために、ある程度自分自身を客観視してプロデューサー目線で見つめる別人格の私がいるからなんですよね」
彼女によるセルフプロデュースの徹底っぷりは、芸人というよりも“エンターテイナー”に近いような印象を与える。そのことを伝えると、本人も「そうなんです」と大きく頷いた。
「YouTubeに動画をアップし始めたときは『劇場でネタをやらないなら、芸人とは認めない』みたいなアンチコメントもあったりして、最初は落ち込んでいたんですよ。でも、だんだんと『よく考えれば私、芸人という肩書にこだわりないしな』というところに行き着いて『じゃあ芸人と認めてくれなくてもいいです』って(笑)。