【写真】『日曜の夜ぐらいは…』本人役出演で話題のエレキコミック
──最近の大きな話題としては、エレキコミックが長年続けているファンとのバスツアー「エレキ学園修学旅行」が、ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』(ABCテレビ・テレビ朝日系)でドラマ化。主演の清野菜名が、岸井ゆきの、生見愛瑠と運命的に出会うギミックとしてバスツアーが作中に登場し、お2人も本人役として出演されました。
今立進(以下、今立) 単純に、「こんなこともあるんだ!」っていう感じです。
やついいちろう(以下、やつい) ドッキリじゃないかと思いましたから。意味が分からない(笑)。
──企画段階からかかわっていたわけではなくて、急にオファーが来たそうですね。
やつい 関係者の中に、バスツアーにも来てくれていた僕らのファンの子がいて。それでたまたま企画として通ったという。こういうこともあるんですね、芸能界っていうのは(苦笑)。
今立 「修学旅行」は今年8月にも予定していて。
やつい 僕らがドラマの原作ってことでもないですしね。
──改めて、「エレキ学園修学旅行」はどういうイベントなんですか?
やつい 最初は05年に、1回だけのイベントとしてやったんですよ。ファンの人を募集して、バスツアーを敢行しつつ、僕らもネタをやったりする、っていう。好評だったんで、07年に第1回修学旅行として再開して、それ以降はコロナ禍を除いて毎年やっています。
──『日曜の夜ぐらいは…』のシナリオには、参加者のエピソードなんかも盛り込まれたそうですね。
やつい 「1人同士で参加したファンが友達になって、3人で一緒に暮らすようになる」というドラマのあらすじが、そもそも僕らのファンの間では有名な実話なんです。ほかにも、「私たちのことだ!」って思えるような話もあったし、僕らも単純に取り上げてもらってうれしかったけど、ファンの人が喜んでくれたのが何よりでした。
──ドラマみたいな本当の話が色々あるわけですね。
やつい バスツアーに参加してくれるのって、だいたい僕らがやってるラジオのリスナーの人たちなんですよ。それがああいう形で作品になったので、ラジオをやっていてよかったと思いました。
──ドラマ内でも、ラジオが辛い状況にある人たちを救う、という一面が描かれていました。
今立 そういう風に思っていただけるとありがたいですね。
やつい ラジオのコミュニティの力ってやっぱりあるんで。リスナー同士が一緒に住んだりするくらいですから。僕らのことを知らずにドラマを見た人たちは、ヒロイン3人の関係が実話に基づいていると知ってびっくりしたみたいです。
今立 ドラマでは「高額の宝くじに当たった」というのがキーワードで、さすがにそんな事実はないですけどね(笑)。
やつい 実はバスツアーなどのイベントは、最初は事務所からは反対されてました。お笑い芸人主催の1泊ツアーなんて誰もやってないから。だから、上手く行った途端に「一緒に仕事にしましょう」って感じで(笑)。
今立 現金なもんですよ。手のひら返しで(笑)。
──通常、お笑い芸人さんとファンが接触する場面は、ライブ会場で出待ちして、みたいなパターンが多いですよね。
今立 そうだと思います。
やつい それでひとつのコミュニティが出来上がるんです。バスツアーは70~80人の人が来るから、一気に友達が増えますよ。強制的に5~6人一部屋で寝泊まりすることもありますし(笑)。
──バスツアーで仲良くなって、その後一緒にライブに行ったりとか…気の合う仲間がたくさん増えそうで、楽しそうです。
やつい 大人になったら、なかなか新しい友達が増える機会ってないので。だから、一旦その場を提供した身としては、続けていきたいと思います(笑)。年に1回会ってた人たちが会わなくなったら、そのコミュニティが無くなっちゃうわけで…。今は「せっかくこの場を作ったのだから、続けてあげたい」という気持ちもありますね。
今立 僕らのイベントは出入り自由なので、初期の頃に来ていた人が、出産して来れなくなって、子供が手がかからなくなってまた来てくれる、というケースもありますし。
──そういう10数年間を経て、名作ドラマへと繋がったんですね。
今立 ドラマを見たりこの記事を読んだりして「イベントやライブにちょっと行ってみたいな」って思ったらぜひ来てください。特にバスツアーは見知った顔が多いので、逆に初参加の人たちには僕らの方から話しかけに行きますから。「あの人が●●っていうラジオネームの人で……」って、参加者の人を紹介したりもできますよ(笑)。
【後編はこちら】エレキコミック、ブレない笑いの軸「策略的なことは何もない、流れに身を任せてやってきただけ」