2015年にNGT48の一期生としてグループに加入し、1stシングル『青春時計』ではセンターを務めた中井りか。歯に衣着せぬ言動で「毒舌キャラ」「炎上系アイドル」の一面とガーリーな世界観のSNSなどギャップが話題を呼び、グループの看板的存在でもあった彼女が8月5日のコンサートをもって卒業する。
今回、そんな中井りかに卒業前の気持ちを聞いた。

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──中井さんはこの夏でNGT48を卒業。インスタグラムには卒業を決断した経緯について「アイドルになってやりたかったことはすべてやり切ってきた」「もう思い残すことはない」と綴られていました。

中井 はい、ただ“なりたかったアイドル像”とは程遠いんですけどね(笑)。私はもともとみるきーさん(渡辺美優紀=元NMB48)に憧れていて、可愛らしいアイドルになりたくて、自分で「釣り師」と言っていました。でも自分はそっちじゃないなと気付いてからは、誰かの背中を追うのではなく自分なりのアイドル像を見つけながらここまでやってきました。


──「自分はそっちじゃない」と気付いたきっかけは?

中井 やっぱりSHOWROOM(ライブ配信)かな。素でしゃべっていると、いつの間にかトークがオモロい方向に進んじゃうんですよ。そこで「釣り師を目指していたはずなのになんか変だな。私、もしかしたら釣り師じゃないのかも?」って思い始めて(笑)。でも、オモロいほうがコメントのウケもいいんですよね。

だったらいっそ全部さらけ出したほうがいいかな、って。
そのほうがファンの方もついてきてくれそうな手応えがあったし、自分も素に近いほうが今後やりやすいだろうなと思って、そこから今の自分が出来上がっていきました。

──そしてNGT48で約8年間活動。振り返ってみて率直な感想は?

中井 右も左も分からないまま東京に来て帯の番組が始まったり、怒涛の8年間だったと思います。NGT48メンバーとはずっとつかず離れずというか、自分は「輪の外から見ている」みたいなところがあったので、そこはもっとうまくできたかなとは思うんですけど……。でもこの8年で自分を成長させてもらえる人たちに出会えたし、いろんなことに気付けた8年間でした。それなりに私も人間になることができました(笑)。


──「つかず離れず」とおっしゃいましたが、確かに帯番組を東京でやっていた頃は新潟のメンバーとのコミュニケーションも難しかったと思います。

中井 それもあるし、そもそも私自身、同年代の女子とうまくコミュニケーションを取る方法が分からなくて。メンバーとの溝も感じていたし、当時の私は「自分さえ上に行ければそれでいい」みたいな考え方だったので、衝突したこともありました。でも結局のところ「中井りかってそういう人間だよね」と受け止めてくれたのもメンバーだったんです。

私はわがままで、1人で突っ走っていた部分も多々あったけれど、それでもNGT48は私が帰ってくる場所で有り続けてくれました。NGT48じゃなかったらここまで受け入れてもらえなかったんじゃないかな。


──今となってはNGT48メンバーに対して感謝の気持ちがあるわけですね。

中井 めちゃくちゃ感謝しています。一緒にアイドルができる仲間がいてくれたことは私にとって支えでした。

──これまで何度も中井さんを取材させてもらっていますが、特に近年はとてもNGT48への愛情を感じます。

中井 今は間違いなく愛情はあります(笑)。だからグループの今後もすごく気になりますね。
ちょうど今4期生のオーディション中なんですけど、NGT48は私の大事な場所だったので、そこをこれからどういう子が引っ張っていくのかなって気になっています。

──それこそ昨年加入した3期生の中にも、中井さんが憧れだと公言するメンバーが多くいます。

中井 ふふふ、3期生可愛いなぁ(笑)。でも、2期生の春花やドラフト3期生の(安藤)千伽奈(今年2月卒業)みたいに好き好き言ってくる子が3期生にはいないんですよ。きっと気を遣ってくれているんだろうけど、私も自分からは行けないタイプだからグイグイ来てくれたらうれしいな。

3期生を1年間見てきて、1期生よりも2期生よりも成長のスピードが早いなと思いました。
3期生が引っ張るNGT48も楽しそうだなと思いつつ、わくわくしながら見守っています。

──そして最後に、中井さんの今後についてお伺いします。少しお休みは取られるものの芸能活動は続けられるんですよね?

中井 それについてはインスタグラムに書いた通り、「心のおやすみを少しとって、切り替えがうまくできたら」戻ってきます。切り替えがうまくできなかった場合は二度と戻ってきません(笑)。私、環境の変化にすごく弱いんです。だから、卒業したいと言ったのは自分だけど、大好きだったアイドル活動をやらなくなると心にぽっかり穴が空いて寂しくて病んじゃうんじゃないかな、って……。

今出演している番組『ふわり愛』(山陰放送ほか)は変わらずやっていきますし、あと私はおしゃべりが好きなのでラジオができたらいいなとか、将来のイメージがないわけではないです。でもまずは「自分はもうアイドルじゃないんだ」と自覚する期間が必要だと思ったし、それをしないと前へ進めないと思ったので、そういう書き方をさせてもらいました。

──中井さんがプロデュースされているNGT48内ユニット「CloudyCloudy」(くらくら)など、裏方としての活動はどうなりますか?

中井 くらくらは、今後はメンバーじゃなく裏方としてやっていきます。また、くらくらだけじゃなくNGT48とも何らかの関わりを持ち続けていきたいと思っていて、衣装なんかで関われたらいいな、と。これから先NGT48を見て「ほんのり中井りかを感じるなぁ?」と思ってもらえるような、NGT48の守護霊みたいな存在になれたらいいなと思います(笑)。

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