【関連写真】おぎやはぎ、カンニング竹山、小嶋陽菜たちのキャンプの様子
実際、仕事への向き合い方は唯一無二だ。放送開始から18年目を迎えた、彼らがMCを務める代表番組『ゴッドタン』では、好きなように振る舞い、好きなときに笑う。矢作は自身のレギュラーラジオ『おぎやはぎのメガネびいき』で「笑いすぎて疲れちゃったよ」と妻に漏らしたことも過去に明かしている。
その他、『おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR, NO LIFE!』や『おぎやはぎのハピキャン』など趣味に特化した番組をレギュラーに持っていることも特徴的だ。
また、多くの芸人が大事にする媒体であるラジオでも彼らは自分たちのフォームを見失わない。番組開始早々に「仮眠をしていないから眠い」とぼやくし、毎年夏休みはきっちり取る。
だが、彼らが芸人から憧れられるのはこうした働き方だけが理由ではない。
8月16日放送の『あちこちオードリー』では、おぎやはぎが事務所の雰囲気そのものを変えたという。当時は全芸人がダウンタウンを手本とし、コンビ間の仲を悪く“見せる”のは当たり前だった。だが、おぎやはぎは「売れてねえ奴らが派閥作るなんて気持ち悪い」とし、そうした事務所の空気を一蹴。
矢作は「(サラリーマン経験のある自分からしたら)世間知らずの芸人を従えることなんて簡単なのよ」と笑いを交えたが、東京03の飯塚悟志は過去の『あちこちオードリー』で「すごいんだよ、あの人は」と矢作が事務所全体に絶大な影響を与えたことを明かしている。
『ゴッドタン』で長年ともにMCを務めている劇団ひとりにしても、初めておぎやはぎに会ったときの衝撃は忘れていない。当時、新しくなった“脱力系”の漫才を見た劇団ひとりは「鳥肌立っちゃって。なんだこれ、こんな人たち見たことない」と大きなインパクトを覚えたことを明かしている。
また、大御所を相手にしてもおぎやはぎはらしさを失わない。
思い返すと、とんねるずとの絡み方は絶妙だった。2018年まで放送されていた『とんねるずのみなさんのおかげでした』では、おぎやはぎはサブキャストとしてバナナマンや有吉弘行といったメンバーとともに活躍。圧倒的なカリスマとして知られるとんねるず相手にもおぎやはぎの2人は物怖じすることなく接し、とりわけ小木は石橋相手にも番組内でバシバシ突っ込んでいた。
さらに、番組の裏でも小木は変わらないと矢作は明かす。主に木曜日にあった番組の収録後、度々石橋から飲みの誘いを受けていた2人。ラジオ番組を理由に断っていた矢作だが、あるとき金曜日に誘いを受け承諾。
「(石橋が)『小木もたまには来る?』って聞いたら、『行くわけねえだろ』って(笑)。タカさんが『なんでだよ!』って言ったら、小木が『行ったって面白くねえだろ』って返してて。裏でちゃんと言って二度と誘われなくなる小木のすごさ。それでも嫌われないからね」
小木はこのエピソードを受けて「一か八かだよ」と照れ隠ししたが、このバランス感覚こそおぎやはぎのすごみにほかならない。
なぜおぎやはぎが多くの芸人から憧れられるのか、『あちこちオードリー』からその理由が垣間見えた気がした。
【あわせて読む】“バラエティ界のカリスマ” マッコイ斉藤「遊びの中から生まれる企画のほうが当たる」