9月17日に最終回を迎えた日曜劇場『VIVANT』(TBS系)。主演の堺雅人を始めとした数々の名俳優の活躍が際立つ中、一部の出演者にちょっとした共通点が存在していたことをご存知だろうか。
実を言うと、特撮作品を経験したキャストが多く参加しているのだ。

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たとえば有名どころで言えば、別班の工作員・黒須駿役を務めた松坂桃李は『侍戦隊シンケンジャー』(テレビ朝日系)のシンケンレッド役が俳優デビュー作。そして堺扮する乃木憂助の母・明美を演じる高梨臨も、シンケンピンク役として同作に出演していた。

さらに同じ戦隊シリーズからは、『獣電戦隊キョウリュウジャー』(テレビ朝日系)でキョウリュウレッド役だった竜星涼が、公安の捜査官・新庄浩太郎役として名を連ねている。かつて地球を守るために戦ったヒーローたちが、舞台を変えて各々の正義のために奮闘している姿に、胸を熱くしている人は多いだろう。

ほかにも憂助が勤務する丸菱商事の部下・水上了役を務める古屋呂敏は、『仮面ライダーセイバー』(テレビ朝日系)で世界滅亡を目論む悪役・ストリウス役を熱演。
『VIVANT』では憂助に誤送金問題をなすりつけた容疑者の一人に挙げられており、特撮ファンの視聴者から疑いの目を向けられていたという。

ちなみに真犯人だった山本巧役の迫田孝也は端役だが、『仮面ライダーカブト』や『仮面ライダーディケイド』(いずれもテレビ朝日系)に出演歴がある。

他方で、明確に特撮ファン向けのサプライズとして仕込まれていたのが、濱田岳演じる警視庁所属のホワイトハッカー・東条翔太だ。自室をグッズで埋め尽くすほどの『ウルトラマン』シリーズファンという設定だが、実は濱田自身にも深い縁が存在している。

というのも、濱田は子役時代に1999年公開の映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』にて、ウルトラマンガイアに憧れる少年・新星勉役を演じていたのだ。

東条の部屋には『超時空の大決戦』の劇場ポスターも貼られており、当時視聴者の間で大きな話題に。
また、同作を配信しているサブスクサイト「TSUBURAYA IMAGINATION」の公式X(旧Twitter)も「濱田岳さん演じる東条のお部屋に #ウルトラマンシリーズ のグッズが登場しましたね! もしかして今皆さんの頭の中に“何か”が過っているのでは?」と反応していた。

そして主演の堺もまた、過去に特撮作品を経験していた俳優の一人だ。下積み時代の2004年に放送された『ウルトラQ dark fantasy』(テレビ東京系)17話にて、アンドロイドの小町と愛情を育む男性・若林役を熱演している。

さらに公安の敏腕刑事・野崎守を務める阿部寛は、1999年公開の映画『ゴジラ2000 ミレニアム』に出演。こちらでは、内閣官房副長官かつ危機管理情報局のトップという肩書を持つ片桐光男役を担当しており、野崎と同じく国を守るために奮闘していた。

改めて振り返ってみると、特撮作品に参加していた俳優たちが数多く抜擢されている『VIVANT』。
こうした共通点を知った上で、物語を振り返るのもまた一興かもしれない。

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