【関連写真】ポケモンのゲームを手にする西野七瀬、『ポケットに冒険をつめこんで』場面カット
『ポケットに冒険をつめこんで』の主人公は、西野七瀬演じる赤城まどか。かまぼこメーカーで働いていたが、学生時代から憧れていたクリエイターを目指して東京の小さな広告代理店・Adventureへの転職を果たす。
しかし現実はそれほど甘くなく、思い描いていたようなきらびやかな世界とは無縁の毎日が続いていく。そんなある日、実家から届いた荷物の中に『ポケットモンスター 赤』のソフトを発見して……。
同ドラマは『ポケモン』の実写化というわけではなく、あくまでゲームを通して主人公が成長していくヒューマンドラマとなっている模様。また、シリーズファンなら思わず反応してしまうようなポケモン要素も満載だという。
1996年2月に発売された『ポケットモンスター 赤・緑』といえば、言わずもがな人気RPG『ポケットモンスター』シリーズの原点。当時は目新しかった通信ケーブルによる交換や対戦、ストーリー攻略など、思い出話を挙げたらキリがないはずだ。
中でもいまだに語られることが多いのは、裏技やバグ技にまつわる話。まだインターネットが普及していない時代だったが、「一瞬でレベル100にできる」や「幻のポケモンがゲットできる」といったウワサ話がどこからともなく伝わってきたという人も多かったのではないだろうか。
もちろんその中にはデマも存在したものの、裏技という響きに惹かれて実践してしまう子どもは少なくなかった。とりわけミュウの入手法にまつわる話は、『ポケモン』を語る上で欠かせないヒストリーとなっている。
ミュウといえば元祖「幻のポケモン」であり、今でも高い人気を誇っている一匹。『ポケットモンスター 赤・緑』の作中でも存在が示唆されていた一方、入手法については明かされていなかった。
というのも、ミュウは当時発見されていた150匹の中に含まれておらず、ゲーム内に直接登場する予定ではなかったのだ。そのため都市伝説的な存在となっていたのだが、巷で「ミュウをゲットした」という報告が相次いで聞かれるように。
実を言うとミュウのデータは存在しており、これは開発会社の「ゲームフリーク」が販売元の「任天堂」に無断で組み込んだものだった。それでも通常のプレイでは出現しないよう厳重に封印されていたようだが、のちに「セレクトバグ」と呼ばれる一定の操作によって、プレイヤーの前に姿を現してしまったのだ。
そして多くのプレイヤーがミュウを求めて不確かなバグ技を実践し、ゲームデータが破損する事件が多発。今もなお「任天堂」の公式サイトには「この様な操作を行いデータが破壊されたと言う相談が当社に対して毎日、多数寄せられています」とアナウンスが残されており、いかに多くの人がミュウのためにデータを犠牲にしたかが見て取れる。
やがて対応を迫られた「任天堂」と「ゲームフリーク」は、イベントや「コロコロコミック」の懸賞などでミュウを正式に配布することになったという。
現代ならもっと大ごとになってもおかしくはないトラブルだったが、奇しくもミュウの一件は通常のプレイでは入手できないという「幻のポケモン」の定義を確立している。まさに「ピンチはチャンス」と言ったところだろうか。
ある意味“黒歴史”とも言えそうなミュウのヒストリーだが、『ポケットに冒険をつめこんで』の物語でネタに昇華される可能性もゼロではない。
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