【写真】『トークサバイバー!』シーズン2の場面カット
多くの人々が待ち望んでいたのは明らかで、10月10日の配信開始日から2日経った12日時点でもNetflix内の「今日のTV番組TOP10」で1位を守り続けている。
『トークサバイバー!』は面白くなければ番組からは即脱落となり、同時に豪華俳優陣が出演するドラマ部分も並行して進む。シーズン1では劇団ひとり、ケンドーコバヤシ、狩野英孝、そして向井慧(パンサー)らがシリアスなトーンでド級のエピソードを繰り広げた。
番組の主役は間違いなく芸人だ。自分の持っているトークという武器で戦い、“サバイブ”していく。そのストイックなコンセプトは『すべらない話』シリーズとも近いものがあり、芸人にとってもシビアな番組であるといえるだろう。実際、西田幸治(笑い飯)や橋本直(銀シャリ)といった実力者さえ声がかかったことを喜びつつ、「観るもんであって出るもんではないぞ(橋本)」と表現している。
だが、そんな場にも関わらず「すべって」、芸人が損をするように見えてしまうことはほとんどない。それはやはり一人ひとりのトークスキルの高さからで、ヒコロヒー、鈴木もぐら(空気階段)、栗谷(カカロニ)、吉住、酒井貴士(ザ・マミィ)といった若手芸人もレベルの高いトークで笑いをさらっている。仮にトークがはまらなかったとしても、千鳥が中心となって巧みにフォローすることで場がしらけるようなことはない。
また、多忙を極める川島明(麒麟)が出演していることも見逃せない。朝の帯番組から特番までMCを務める屈指の実力者で、これほどストイックな番組に出る必要などないランクにすでに上り詰めたが、「season1をみて嫉妬するほど面白かったのでオファーをもらった時は拳を強く握りしめました」と言う。
そして、シーズン2配信開始前から話題となっていたのが渡部建(アンジャッシュ)の出演。スキャンダル以降、なかなかテレビで見る機会は減ってしまったが、そのぶん「まだどこにも話していなかった」という自粛中にできたエピソードはまさに至高。あの苦しい時期に何があり、何を考えていたのか――。芸人として捨て身で笑いを表現している。
そんな歴戦の猛者が揃った芸人の中で最も負担が大きいのはシーズン1から連続出演となっている千鳥・大悟だ。エピソードトークを披露するという番組の特性上、どんどんと持ち弾が少なくなっているはずだが、それを感じさせない様々な角度からのトークはさすがの一言。ドラマパートも出演し、セリフも覚える必要があるため、スケジュール的にも「しんどかった」と漏らしているが、やはり大悟がいなければ、『トークサバイバー』は成立しないだろう。
だが、今作では芸人だけが笑いを取っているわけではない。潜入スパイ役を務めたアンミカが芸人たちの大喜利を読み上げるという役割を担っているが、その絶妙な読み方は作品中内でも大悟が舌を巻くほど。芸人の笑いを増幅させる演技にはぜひ注目してほしい。
さらに、ドラマパートもシーズン1から大幅にスケールアップ。
最後に、主題歌を務めたサンボマスターにも触れたい。シーズン1から連続の起用となったが、今回もサンボマスターの楽曲はトークサバイバーにぴったりのものに仕上がっている。そのサンボマスターを「勝負の作品」では毎回起用してきたのが企画演出・プロデューサーの佐久間宣行。オープニングからエンディングまで、過酷な現場で戦う芸人たちがかっこよく見える映像を作り上げており、ただ笑えるエンタメであるのと同時に、お笑い芸人への強いリスペクトをも感じさせる作品となっている。
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