『時をかけるな、恋人たち』第2話「10年先の彼女」が放送された。…って書きながら今さら気付いたが、このタイトルって台湾映画『1秒先の彼女』(2020年)をもじったものですよね。
第1話「アバウト・タイムパトロール」の参照元は、おそらく『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』(2013年)。どちらも時間にまつわる映画である。まさかタイトルにまでそんな仕掛けをしていたとは。さすがヨーロッパ企画、さすが上田誠!(放送されたドラマのネタバレを含みます)

【写真】『時をかけるな、恋人たち』第2話場面カット【3点】

今回は、教師と生徒の逃避行にまつわるストーリー。未来人の17歳の少年ヒロキ(南出凌嘉)が、過去にタイムトラベルして家出したことをタイムパトロール隊が発見する。ここで「かこにちわー(過去だから?)という謎の挨拶と共に、タイムパトロール少年課のリリリー(夏子)という新キャラが登場。

彼女の説明によれば、ヒロキの両親は完全シミュレーションAIのスコアで低い判定が出たにも関わらず結婚し、家庭環境が悪化してしまったのだという。

つーかAIが相性を判定すんの?と疑問を投げかける廻(吉岡里帆)に対して、リリリーはAIによる判定は絶対であることを説き、翔(永山瑛太)とは判定率95%のフィアンセなのだという。まさかの事実!さっきまで「僕は再び君に会うために、この時代へやってきた!」とか何とか言ってたのに。少々おかんむりの廻、親が勝手に決めたことなんだ、と必死に弁明する翔。なんだかこの2人、気づけばちょっとイイ感じである。

さっそくヒロキの張り込みをかける翔と廻。
その際に翔はチョコミントのアイスクリームを渡す。自分の好物を知っていることに驚く廻に、実は大学時代に2人はすでに出会っていたことを翔は明かす。だが、そんなことは全く記憶にない廻。うーん、いよいよ『エターナル・サンシャイン』(2004年)っぽい話になってきた。予想だが、チョコミントは今後の展開のうえで重要なアイテムになるのではないか(あと、ゆずも!)。

調査の結果、ヒロキはキョウカ(鳴海唯)という学校教師と過去に駆け落ちしていたことが判明する。このままでは2人は一緒になることができない。辻褄を合わせることが得意な廻は、ここである提案をする。ヒロキは元いた時代に戻り、キョウカはさらにその10年後の未来に行く。10年も経てば、教え子と駆け落ちしてしまった学校教師という倫理違反もほとぼりが冷めているだろうし、10歳差の2人はちょうど同い年になって、新しいスタートを切れるというのだ。

えーと筆者もあまりよく分かっていないんだが、未来人が勝手に過去に行ってしまうと、あるべき未来に影響を与えてしまうから、タイムパトロール隊が取り締まっているんですよね?同じ理屈で、未来人がさらに未来に行ってしまうと、あるべき過去に影響を与えることにはならないんだっけ?

キョウカ先生の行動によって<原因>が発生し、<結果>が生まれる。だが廻の提案に乗っかってしまうと、10年という時間が失われることになり、本来ならば発生していたはずの10年ぶんの<原因>も無くなってしまって、因果関係がおかしなことになってしまうのではないか。
…いや、この失われた10年もすでに運命として決定づけられているのか?頭がこんがらがってきた。タイムパラドックスは脳に負担が大きすぎる。

ラストで、翔はリリリーに結婚しないことを告げると、彼女は自信満々に「私は結婚する」と宣言し、翔と廻のスコアは0%であると伝える。完全シミュレーションAIの判定を覆して2人は結ばれるのか?そもそも過去人と未来人が結ばれる方法はあるのか?引き続き、第3話以降の<恋の超展開>に超期待であります!

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