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たとえば『仮面ライダー』シリーズ出身の女優のなかで、ここ数年目を見張る活躍を見せている人物といえば、松本若菜。現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』(NHK)や、月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)などをはじめとして、話題のドラマに次々出演している。まさに“引っ張りだこ”と言うにふさわしいだろう。
松本は2007年に放送された『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)にて、佐藤健演じる野上良太郎の姉・愛理役でドラマデビュー。物語の重大なカギを握る役どころで、柔和な雰囲気を醸し出しつつ芯のある演技が注目を集めた。
その後も女優としてのキャリアを積んできたが、役者人生の転機を迎えたのは、40代を目前に迫った2022年。同年4月期のテレビドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)で深山明人(尾上松也)の妻・美保子役に抜擢されると、顔芸を含めた怪演ぶりで視聴者に強烈なインパクトを与えたのだ。
特に印象深いシーンが、第1話で見せた“たけのこニョッキ”攻撃。庶民の分際で上流階級に飛び込んできた主人公の佐都(土屋太鳳)に対して「ずうずうしく人の家にのこのこのこのこ、ニョキニョキニョキニョキ、タケノコタケノコニョッキッキと生えてきやがって!」と詰め寄るシーンは、あまりにも怪演すぎて、共演者の松下洸平が“松本劇場”と名づけたほどだったという。
その演技はSNS上でも大きな注目を集め、松本は「Yahoo!検索大賞2022」俳優部門で見事1位にランクイン。デビューから苦節15年、意外なチャンスをつかんだ瞬間だった。
一方、泉里香も『仮面ライダー』シリーズ出演の過去をもつ人物。元々モデル業での活躍が目立っていた彼女だが、2013年放送の『仮面ライダー鎧武』(テレビ朝日系)で見事な演技を見せ付けた。
実は女優としてのデビュー作はもっと古く、別名義で2003年放送の実写ドラマ『美少女戦士セーラームーン』(TBS系)に出演。メインキャラクターのセーラーマーキュリーこと水野亜美を演じていたが、それ以降はしばらく女優業から離れていた。役名のあるドラマ出演が続くようになったのは、それこそ『仮面ライダー鎧武』に出演したあたりからだ。
2021年には『高嶺のハナさん』(BSテレビ東京)で主演・高嶺華役を射止め、2022年には『正直不動産』(NHK総合ほか)で婚活に勤しむ銀行の融資担当・榎本美波を熱演。2024年1月9日から始まる『正直不動産2』への出演も控えている。
ちなみに『仮面ライダー鎧武』では佐野岳演じる主人公・葛葉紘汰の姉・晶という役柄だったが、2019年放送の『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)で佐野と久しぶりに共演。「鎧武の葛葉姉弟だ!」とネット上で注目の的になっていた。
また、近年女優としても注目を集めている内田理央にとっても、『仮面ライダー』シリーズは重要な作品だった。デビュー作でこそないものの、本格的な女優デビューを果たしたのが、2014年放送の『仮面ライダードライブ』(テレビ朝日系)だったからだ。
同作で内田が演じたのは、女性警察官の詩島霧子。
その後、映画初主演を飾った『血まみれスケバンチェーンソー』では、セーラー服にふんどし、下駄を身に着け、血まみれになりながらチェーンソーを振り回す女学生・鋸村ギーコ役で出演。正統派ヒロインの役だった『仮面ライダードライブ』から一転、ここまでセクシーでバイオレンスな役を演じるとは誰が想像できただろうか……。
さらにテレビ東京のドラマ初主演となる『来世ではちゃんとします』では、5人のセフレがいる性依存系女子・大森桃江を熱演。電マを片手にこちらを見つめる同ドラマのキービジュアルだけでも、ファンに大きな衝撃を与えていたが、作中では亀甲縛りのままオムライスを食べさせられたり、シーズン2では“ジャングルジム緊縛”プレイに興じたり……。キービジュアル以上の衝撃がこれでもかというほどに詰めこまれていた。
思い返せば、彼女のデビューのきっかけともなった「日テレジェニック」のオーディションでは、水着姿でアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のED「ハレ晴レユカイ」を歌って踊ったそうなので、このときから内田の“ぶっ飛び伝説”は始まっていたのかもしれない。
イケメン俳優に限らず、今をときめく女優も輩出し続けている『仮面ライダー』シリーズ。今後もどのような“ダイヤの原石”が発掘され、華開くのか、注目していきたい。
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