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まずは、2022年に『日経トレンディ』の“来年の顔”に選ばれた俳優の高橋文哉から。高橋といえば2019年放送の『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)で主人公の飛電或人役に抜擢された、いわゆる仮面ライダー俳優だが、それ以降の活躍が実に目覚ましかった印象だ。
というのも2021年から『夢中さ、きみに。』(MBS)や『最愛』(TBS系)など、数々のドラマに出演し、2023年1月期のドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ系)ではついに10クール連続出演を達成。まさに破竹の勢いと言うべき活躍ぶりだった。
基本的に高橋が演じる役柄は好青年キャラが多い印象だが、2023年10月期の主演ドラマ『フェルマーの料理』(TBS系)では新境地を開拓した。彼が演じた北田岳は数学に人生を捧げてきた数学少年で、ひょんなことから料理人の道を目指すという役どころ。その性格は誠実かつ温厚で、好青年といえば好青年なのだが、物語が進むにつれてだんだんと傲慢な性格へと変貌していった。俗に言う“闇落ち”だ。
仲間に鍋を投げつけ、味見もせず見ただけで「作り直せ」と指示を出し、挙句の果てには「どうして見えないんだよ!!」と怒鳴り散らす姿は、これまでの高橋のイメージを一変させたに違いない。それと同時に、高橋文哉はこんな役もできるのか!と感心した視聴者も多かったのではないだろうか。
2024年5月公開予定の映画『からかい上手の高木さん』では、ヒロインの高木さんにからかわれてばかりの西片役に抜擢。同作は原作の10年後を描いたオリジナルストーリーとなるようだが、高橋はどんな“大人西片”を演じるのか、今から期待が高まる。
演技力でいえば、2023年は俳優・萩原利久の演技の幅に驚かされた一年だった。まだ24歳と若手の部類に入る年齢だが、2008年に子役としてデビューしているので芸歴はそこそこ長い。何を隠そう、伝説のバラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)には、オカレモンJr.のメンバーとして出演していた。
そして2021年放送のドラマ『美しい彼』(MBS)でクラスのカースト最底辺・平良一成役を演じ、一躍注目を集めると、そこからドラマや映画へ引っ張りだこに。
たとえば2023年4月期のドラマ『月読くんの禁断お夜食』(テレビ朝日系)では謎多き料理男子役、9月公開の映画『ミステリと言う勿れ』ではヤンチャな広島人役、さらに10月放送のドラマ『たとえあなたを忘れても』(ABCテレビ)では記憶障害の青年役を熱演している。
なかでも印象的だったのが、7月期の月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)で演じた臨床研修医2年目の佐々木修だ。彼は医者の家系に生まれ育ったエリート志向の強い青年で、口を開けば人を傷つける言葉ばかり。正直、第一印象は最悪だった。
だが物語が進むにつれて根は悪い奴じゃないとわかると、徐々に視聴者人気も高まり、最終回に至るころには修ファンが急増。最悪の第一印象をここまで払拭できたのは、ひとえに荻原の“演技の魅せ方”が上手かったからだろう。
他方で、2023年のドラマに引っ張りだこだったのが俳優の櫻井海音だ。彼は言わずと知れたMr.Childrenのボーカル・桜井和寿の実子であり、その遺伝子を覚醒させるかのごとくミュージシャンとしても活動していた。今は俳優業に専念しているようだが、2023年は飛躍の年だったように思える。
1月期の火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)ではヒロインの幼なじみ役を演じ、大ヒットドラマ『VIVANT』(TBS系)では堺雅人扮する乃木憂助の青年期を熱演。とくに後者に関しては“堺雅人の面影がある”と大きな話題を呼んでいた。
そして10月期のドラマ『泥濘の食卓』(テレビ朝日系)では絶望の日々を送る男子高校生役、ドラマ『アオハライド』(WOWOW)では主演を務めるなど、その活躍は留まることをしらない。もはや役者としての実力は誰もが認めるところで、“親の威光”は一切不要といった勢いだ。
彼らの快進撃は、果たしてどこまで続くのだろうか。2024年にさらなる飛躍を見せ付けてくれることに期待しよう。
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