元Juice=Juiceの宮本佳林は、昨年3rdシングルを発売し今春にライブツアーも予定されていて、ソロアーティストとして軌道に乗っている。ハロプロのスペシャルユニットにも選ばれ、次なるブレイクの機会をうかがう彼女はいまも成長中だ。


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ハロプロ結成25周年の昨年は往年のユニットのイベントでの再結成もなされた。その一つ『プッチモニ』に、オリジナルメンバーの保田圭市井紗耶香とともに選ばれたのが宮本だ。25周年記念コンサートや音楽番組でフレッシュなパフォーマンスを見せ、Juice=Juiceを知らない層にもアプローチできた。

彼女の3rdシングル『バンビーナ・バンビーノ/Lonely Bus』はどちらも都会的なポップスに仕上がっている。『バンビーナ・バンビーノ』はアップテンポなファンク曲、『Lonely Bus』はダウナーなシティポップで、1枚で宮本の陰陽使い分ける表現力が凝縮されている。
 
1998年生まれの宮本のハロプロ歴は、ハロプロエッグ時代から数えると15年に及ぶ。
早くからスキルとビジュアルで注目されていたものの、Juice=Juiceの結成メンバーとしてデビューするまで5年がかかった。
 
ハロプロ屈指の実力派グループに選ばれるとデビューシングルの『ロマンスの途中』でセンター。その後もJuicei=Juiceのエースとしてどんなジャンルも歌いこなす表現力を磨いてきた。2020年に卒業すると約半年の充電期間を経てソロアーティストに転じて、シングル3枚とアルバム1枚をリリースしてきている。フジテレビの『オールスター合唱バトル』でもしばしばカラオケ歌唱を披露し、ソロボーカリストとしての見せ場も増えてきている。

アーティストとしてすでに十二分の魅力を持っている宮本だが、大のアニメ・マンガ好きという面も持つ。
特に好きなジャンルは少年マンガで、『呪術廻戦』『僕のヒーローアカデミア』『僕の心のヤバいやつ』など愛読している作品は多いが、ソロ転身後はアニメとのタイアップの機会はまだ無い。

実は宮本は、ハロプロエッグ時代にすでに声優デビューも果たしている。静岡朝日テレビの情報番組『コピンクス!』で、番組キャラクターのコピンクの声を担当し、コピンク名義で楽曲もリリースしていた。4曲を制作しミニアルバム『コピンクス!メロディーズ~star chart~』までリリースする力の入れようだった。
 
当時の楽曲を聴いてみても、アニソンらしいネオアコ調のサウンドに宮本の透明感あるボーカルをマッチさせた、みずみずしい名曲になっていて、10代前半での彼女のスキルにも驚かされる出来ばえだ。
 
宮本はソロアーティストとして『悪嬢転生』という、ショーとミュージカルをミックスした音楽劇を22年と24年に2度開催している。
昨今ライトノベル界で流行の「悪役令嬢もの」をシンデレラの物語とミックスさせた公演で、2.5次元舞台の要素も取り入れて宮本のアーティスト性をよく示していた。劇中曲でシングルCD化もされた『ハウリング』は、普段はキュートに寄っている宮本が、ダークで情念のこもった世界観の歌を歌い上げる仕上がりになり、ゴシックやホラー系の曲にも似合うことを示した。
 
アニメとハロプロアーティストの関係といえば、鈴木愛理がオーイシマサヨシとのコラボ番組で大いにブレイクし、度々アニメソングをカバーしてファンを沸かせている。さらにはアマゾンミュージックのCMで『推しの子』星野アイと共演して話題になり、昨秋の主演ドラマ『推しが上司になりまして』(テレビ東京)では2.5次元俳優を熱烈に推す会社員を演じた。

「第2の鈴木愛理」と形用するのは宮本に失礼かもしれないが、フレッシュで実力十分、そして二次元カルチャーとの親和性も高い彼女も、アニメやゲーム、ボカロとのタイアップのチャンスがあれば、本人もやる気全開でパフォーマンスを見せてくれるだろう。まだ25歳、「Juice=Juiceのエース」にとどめておくには惜しいポテンシャルと引き出しを持っている彼女に、ソロアーティストとしてもますますブレイクのチャンスがあることを期待したい。


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