かつて、とんねるずダウンタウンウッチャンナンチャンといった芸人達が自身の番組発の企画で、様々な名義で楽曲をリリースし、ミリオンヒットを記録したり、紅白に出場したりするなどJ-POPシーンを席巻した時代があった。その後も芸人がCDをリリースするということは珍しくはなかったが、最近、音楽活動を行う芸人達は、本気でバンドを組んで精力的にライブ活動を行い、大型ロックフェスへの出演を果たしたりもしている。


【写真】注目度上昇中の若手芸人6人が集結したジュースごくごく倶楽部

今回は、今、芸人達が本気で音楽に取り組んでいる3組のバンドを紹介しよう。

まず、1組目はジェニーハイ。ワーナーミュージックからメジャーデビューも果たしている男女5人組バンドだ。元々は、BSの番組をキッカケに結成。番組に出演していた小藪千豊(ドラム)、くっきー!(ベース)、ロックバンドtricotの中嶋イッキュウ(ボーカル)の3人に、プレイングプロデューサーとして、ゲスの極み乙女。の川谷絵音(ギター)と番組へのゲスト経験があった現代音楽家の新垣隆(キーボード)が加わり結成された。

2018年のデビュー以来、既に「ミュージックステーション」や「FNS歌謡祭」といった地上波のメジャー音楽番組への出演を果たしているほか、「ROCK IN JAPAN」、「METROCK」、「VIVA LA ROCK」といった大型フェスにも出演。東京国際フォーラムのホールA、横浜のぴあアリーナMMといった会場でのワンマンライブも成功を収めている。

そんなジェニーハイの楽曲を手掛けるのは、プロデューサーでもある川谷絵音。楽曲のクオリティの高さは言うまでもない。ちゃんみなやアイナ・ジ・エンド、yamaらをフィーチャーした楽曲も音楽ファンには人気だ。小藪とくっきー!以外の3人は正真正銘のプロフェッショナル。
川谷や新垣らと対等にパフォーマンスする小藪とくっきー!の演奏にも注目し、その魅力をライブでも味わってみて欲しい。

続いては、ラランドのサーヤが結成したバンド・礼賛。サーヤはCLR(クレア)という名義で、作詞作曲とボーカルを担当。そして、実は、ここにも川谷絵音が噛んでいる。川谷は晩餐という名義でギターを担当。ゲスの極み乙女。の盟友・休日課長も春日山という名義でベースを担当。さらに、ギターもう1人とドラムを加えた5人組バンドだ。

昨年、1stアルバムをリリースすると、「METROCK」や「SUMMER SONIC」といった大型フェスにも出演。ツアーは全公演ソールドアウトと音楽ファンからも大注目を浴びた。そして、今年2月にはデジタルEPをリリースし、東京・代官山のライブハウスUNITで、PEOPLE1とのツーマンライブを開催。音楽ファンにはたまらない対バンの組み合わせである。


芸人のみならず、事務所の社長も務め、近年では女優としても活躍するサーヤが音楽面でも才能を発揮している。そんなサーヤ率いる礼賛、このバンドも是非今年押さえておいて頂きたい。

そして、最後に紹介するバンドは、ジュースごくごく倶楽部。吉本興業の若手芸人6人で結成されたパーティーロックバンドだ。メンバーは、マユリカの阪本(ボーカルと語り)、ムームー大陸の山﨑おしるこ(ボーカル)、ロングコートダディの堂前(ベース)、シカゴ実業の山本プロ野球(ドラム)、ニッポンの社長の辻(ギター)、滝音のさすけ(キーボード)の6人。M-1やキングオブコント決勝常連メンバーも参加している。

結成は2019年9月。楽曲はもちろんオリジナルで、ほとんどの曲を辻が手掛けている。既に1stアルバムもリリースし、東名阪ツアーも実施。昨年11月29日からは、11週連続配信リリースを達成した。賞レースや年末年始の大型お笑い特番などがある中、驚異的なペースで楽曲配信を行っていたのだから驚きである。

さらに、今年3月30日には、音楽とお笑いが融合したイベントをバンド史上最大キャパとなる東京の豊洲PITで開催。
きっと、お笑い好きも音楽好きも楽しめる、彼らにしか出来ないライブハウスイベントになることだろう。ロングコートダディ、マユリカ、ニッポンの社長らがブレイクし始めた今だからこそ、バンド活動でも意外な一面を見せて欲しい。

以上、今回は、芸人が本気で取り組む3組のバンドを紹介した。彼らの音楽はすべてサブスクで配信されているほか、YouTubeではMUSIC VIDEOも公開中だ。スマホやPCでそれぞれのバンドの世界観に触れたら、その次は、ライブハウスやフェスで彼らの本気の音楽と向き合ってみて欲しい。笑いにも音楽にもストイックな芸人の底力と魅力を感じることが出来るだろう。

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