ラジオが再注目されるようになって久しいが、最近、ラジオ好きの間でたびたび「あの番組、知ってる?」と語られている番組がある。ロバート秋山、神田伯山、リリー・フランキーの番組だ。
今やradikoのエリアフリーとタイムフリー機能を活用すれば、いつでもどこでも全国のラジオ番組が聴ける便利な時代。是非とも、一度聴いたらクセになること間違いなし!という彼らの番組をチェックしてみて欲しい。いずれも1人でこっそりとイヤフォンで聴取することをオススメしたいクセ強めの番組だが、その強過ぎるクセこそが番組の最大の魅力である。

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まずは、千葉県のFM局BAYFMで、毎週火曜25時~放送中の「ロバート秋山の俺のメモ帳! on tuesday」。ラジオ好きで知られるタレントの山崎怜奈や声優花澤香菜も注目の番組として自身のラジオ番組で紹介しており、ラジオ好きの間でじわじわと人気が広がっていった形だ。

魅力は何と言っても、秋山らしいラジオの常識に囚われない構成やネタコーナー、そして、キャラクター。秋山の代表作(代表ネタ)とも言える「クリエイターズ・ファイル」の世界観も垣間見られる。

「去木アコの洋楽ニュース」や「秋山情報」など、秋山が1人で何役もこなしながら番組は進行していくのだが、番組の冒頭で放送される「秋山情報」というコーナーは、交通情報風のBGMに乗せて、秋山情報センターの玉木さんが秋山の近況や最新情報などを伝えるという、至ってシンプルなコーナーだった。それが、いつの間にか「秋山性欲情報」へと変化し、さらには、リスナーが自身の性欲情報を投稿してくるような展開に。しかも、実際に自分の性欲情報を自身の声で紹介している音声データを送ってくる強者リスナーまで現れた。

その他にも、「最底辺替え歌」、「逆カラオケ」、「秋山製薬」、「一生言わない言葉宣言」などなど、クセ強めのコーナーに対するリスナー投稿のレベルは高く、そのクオリティに秋山もたびたび唸っているような状況である。

ちなみに、秋山の様々なネタやアイデアの源は、日々書き込んでいる膨大な「メモ」にあるとのこと。
番組タイトルもその秋山のメモ帳に由来している。そんな秋山メモから生まれた手作り感満載の番組、しかも、参加型の深夜放送ということもラジオファンに受けている要因だろう。

続いて紹介するのは、TBSラジオで毎週金曜日21時30分から放送中、講談界の風雲児・神田伯山がパーソナリティを務める「問わず語りの神田伯山」だ。ジョー山中の『人間の証明のテーマ』に乗って、淡々とした伯山の語りからスタートするオープニング。お決まりの前口上が終わると、途端にテンションが上がって、まくし立てるように話していくのがいつものスタイルである。

そんな伯山の喋りの熱量が高まれば高まるほど、甲高い笑い声も高らかに鳴り響いていく。そう、この番組は、「笑い屋」の存在がアクセントになっているのだ。初めて聴いたリスナーは、その笑い声のインパクトにビックリすることだろう。しかし、聴けば聴くほどクセになってくるから不思議だ。伯山の毒舌交じりの軽妙なトークはもちろんのこと、笑い屋シゲフジの笑い声も一緒に楽しんでいただきたい。

ちなみに、神田伯山は、次世代ラジオスターとも言われているアンジェリーナ1/3と「兄」「妹」と呼び合う関係性。アンジェリーナ1/3のラジオを聴いていると、時々、伯山の口調に似た部分も感じられる。
お互いに影響し合い、リスペクトし合っているようなので、是非とも、TBSラジオと文化放送で放送中のアンジェリーナ1/3の番組も併せてチェックしてみて欲しい。

そして、最後に紹介するのは、リリー・フランキーがパーソナリティを務める「スナックラジオ」。こちらは、TOKYO FMをキーステーションとしたJFN38局で放送中。毎週土曜日16時からの55分間、ラジオの中に現れるスナックという設定のこの番組では、本当に(深夜の)スナックで繰り広げられているような他愛もない話が展開されている。リリーはスナックの店主役。そして、毎回、アルバイト店員の女性が登場するのだが、謎に包まれたこの女性アルバイトがとても良いスパイスとなっている。

以前は、元AKB48峯岸みなみやグラビアの川村那月といったタレントが出ていた時期もあったが、最近では、BABIとしゅうという2人の女性アルバイトが定着。BABIは、番組スタート当初から出演しているリリーのプライベートもよく知る女性で、しゅうは、俳優の小沢仁志が、ある日突然連れて来た女性だ。2人はアルバイトということもあってか、時にズル休み?で来ないこともあり、いわゆるパーソナリティやアシスタントとしては考えられないような自由なスタイルを貫いている。

リリーとそんな2人のアルバイト店員、そして、常連客という設定でたまに登場するゲストとの間で繰り広げられるトークには、下ネタもふんだんに盛り込まれており、土曜夕方に相応しくないワードは、「ピー」音ならぬ、「チンチン!」という効果音で隠されていたりもする。まぁ、話の流れ上、想像すれば分かることも多いのだが…。

全国のリスナーから寄せられるお便りの中には、真剣なお悩み相談も多く、リリーの回答のみならず、謎に人生経験豊富な女性アルバイトBABIからのアドバイスも的確だったりするので、思わず聴き入ってしまっている中高年リスナーも多いようだ。


いわゆる、ラジオのゴールデンタイムとも言える土曜日の夕方。スタート当初は、ノンスポンサーだったものの、途中からスポンサーがついたことでも、番組ファンを驚かせた。この番組内容に提供してくれるスポンサーに感謝!といった反響が多かったようだ。さらには、TOKYO FMホールでクリスマスイベントを開催したり、TFMのフリーペーパー(番組表)の表紙を飾ったり、生放送での年越し特番を二度任されたりするなど、今となっては、TFMの看板番組にまで成長したと言ってもいいだろう。

しかしながら、正直、ドライブや買い物帰りに家族で聴くのは控えた方が良さそうだ。まずは、試しに1人で聴いてみて欲しい。番組中に一度はクスっと笑えるポイントがあるだろう。そのポイントが多ければ多いほど、クセになり始めている証拠だ。

さて、ラジオ界にも、もうすぐやって来る春の番組改編期。お気に入りの番組が継続することを願いつつ、クセになる番組との新たな出会いにも期待しながら、引き続き、それぞれのラジオライフを楽しんでいってもらいたい。

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