2019年4月に、自身過去最大規模となるZepp Tokyoでのワンマンライブを成功させたはちみつロケット。勢いづくと思われた矢先、リーダーの雨宮かのんがグループを卒業し、新体制でのスタートをきった。
リーダーの卒業ということで、個々のメンバーに芽生えた焦りと、前向きな気持ち。そして定期公演で続ける“新たな試み”の裏側を本音で語る。
──今年6月にリーダーだった雨宮かのんさんが卒業しましたが、すぐに6人体制を受け入れることができましたか?

公野 かのんちゃんが卒業してから、6人体制で初ライブするまでの期間が1週間ぐらいしかなかったんです。なので、がむしゃらに頑張っていたんですけど、最初はかのんちゃんがいないレッスンの違和感がすごかったです。

華山 もっと7人時代の余韻に浸っていたかったんですけど、次に進まなきゃいけないので、常に追われているというか。やり遂げなきゃ! って気持ちで1週間を過ごしました。

澪風 新体制になって物足りないって、ロケッターさん(ファンの呼称)に感じてほしくない一心でレッスンしてました。

──新体制になってメンバーだけで話し合うことはありましたか?

澪風 どちらかというと、直接話し合うことよりも個々でスキルに磨きをかけていた印象ですね。私自身、6人になって今まで以上に頑張らなきゃって思っていたし、ずっと一緒に活動しているから、他のメンバーからもそういう気持ちを感じたんですよ。

──リーダーが抜けたことで、各メンバーの責任感も強くなりますよね。

公野 (華山)志歩ちゃんが最年長になったから、負担やプレッシャーは一番大きかったと思います。

華山 もともと「まとめなきゃ!」ってタイプではないんですけど、ポジション的にまとめられる人にならなきゃなって思いました。
ただ私1人でやっている訳じゃないし、みんなに助けられているなって感じることの方が多かったです。

──新体制になって特にうれしかった出来事は何ですか?

華山 6人になって初のシングル『ROCKET FUTURE』のリリースが決まったことですね。新体制が始まったのはいいものの、ワンマンライブなどもなかったし、特に大きな変化はなかったんです。去年の夏はシングルのリリイベでバタバタしてたのもあって、シングルを出すのって難しいんだなって夏の間に実感しましたし、出せるって決まったときはめちゃめちゃうれしかったです。今年の夏はシングルまでの準備期間と言うか、経験を積み重ねていた時期だったのかなって思います。

公野 いろいろ悩むこともあったんですけど、夏の間はロケッターさんに会える機会が少なかったので、ライブで観ている人を満足させなくちゃって練習も頑張りました。

澪風 そういう状況でもシリアスにならないようにしてました。対バンイベントに出るときも、ピンチだから頑張るというよりは、はちロケは6人になっても元気で頑張ってるんだぞ! というのを見せたかったし、とにかくライブを楽しんでもらおうって話は6人でしてました。

森 新体制になってから、いろいろ自分たちでも考えるようになったんですよ。たとえば夏フェスや対バンイベントのセットリストもメンバーとスタッフさんで一緒に話し合って決めるようになりました。今回のシングルのリリイベも、セットリストは私たちの意見を取り入れてもらってます。

──それはメンバーから自発的にやりたいと伝えたんですか?

森 あるライブでセットリストをスタッフさんが決めたときに、絶対にこっちの流れの方が良かったなって感じたことがあったんですよ。
それを伝えたら一緒に考えてみようって話になりました。

──今年9月から毎月開催している定期ライブ「渋谷地元人~毎月やるよ!渋谷で会おうよ!~」のテーマは“挑戦”ですが、どんな意気込みで始まったんですか?

澪風 定期ライブのタイトルは毎回同じなんですが、ただ数字だけが増えていく平坦なライブにはしたくなかったんです。毎回いろんな挑戦をしていこうってことで、1回目はヘッドセットマイクを使ったパフォーマンスをしたり、3回目はもりりん(森)の弾くキーボードの伴奏で歌ったりと、いろんな試みをしています。ただ挑戦するだけじゃなく、しっかり仕上げて、毎回お客さんの印象に残るような定期ライブにしたいなって考えています。

華山 ヘッドセットマイクのときは、『おかしなわたしとはちみつのきみ』と『忠犬ハチ公』の2曲をやったんですけど、どちらも両手振りでMVを再現したんです。

──『忠犬ハチ公』の間奏では椅子を使ったパフォーマンスまで再現していて素晴らしかったです。

華山 MVはダンスに集中できますけど、ライブでは慣れないヘッドセットマイクを使いつつ、両手振りもあって大きく観せなきゃいけないし、MVの世界観を自分たちで再現しなきゃいけないから大変でした。

播磨 あとヘッドセットマイクは、めっちゃ鼻息が入るから大変なんですよ(笑)。

公野 特に播磨はね(笑)。大変でしたけどヘッドセットマイクは憧れだったから、やれたことがうれしかったです!

──公野さんは公式ツイッターで事前にダンス動画を配信して、ライブでロケッターと一緒に踊る『はちロケダンス体操』を担当しています。

公野 定期ライブの度に新しい振り付けを発表して、最終的に1つのダンスを完成させるんですけど、私はリズム感がないので最初は苦労しました。初回はメンバー自身も見せ方が分からなかったし、ロケッターさんもざわざわしていたんですけど、今では動画通りにロケッターさんも踊れるようになって感心します。


──毎回、公野さんが中心になってダンスを指導しますが、歌のお姉さんみたいで様になってます。

澪風 魅せ方が上手いんですよね。

──定期ライブ2回目では1曲目で『ROCKET FUTURE』を初披露しました。

華山 事前に新曲をやるって言ってなかったので、イントロが始まったときはロケッターさんも戸惑っていたんですけど、すぐに盛り上がって、サビではコールも入れてくれました。

──先ほども話に出ましたが、2部構成だった3・4公演目の定期ライブでは森さんがキーボードで『夜空にきらめく花』の伴奏を担当しました。

森 めっちゃ大変でした! 本番では家で練習している通りにはいかなくて……。3公演目の方では弾きながら私自身も歌ったので、弾き語りの難しさを痛感しましたね。4公演目は声の調子が悪くてキーボードに徹したんですけど、今までとは違う形で“歌”を届けられたのは良い経験でした。

──歌う方もプレッシャーはあったんじゃないですか?

華山 緊張感がすごかったです。オケと違って、いつも以上に自分の声が響くので、歌っているときは神経を使いましたね。

──定期ライブは来年1月まで続くということで、まだ行ったことのない読者に向けてメッセージをお願いします。

森 私たちのやりたいことが詰まっていますし、リリイベと違って思い切り声を出せる環境なので、一緒にライブを作り上げましょう!
▽はちみつロケット
公野舞華、塚本颯来、華山志歩、播磨怜奈、森青葉、澪風によるスターダストプロモーション所属の6人組グループ。
2014年、3B junior内のユニットとして結成。2018年3月にメジャーデビュー。

( 取材・文/猪口貴裕)
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