【写真】12/8(日)第七話 島最大の危機…端島を守ることができるのか…?
前回、リナ(池田エライザ)につきまとう炭鉱員を拳銃で撃ち殺してしまった進平(斎藤工)。
一方、賢将(清水尋也)は「これからも付き合ってよ、俺の人生。俺も百合子の人生付き合うから」と百合子(土屋太鳳)にプロポーズ。彼女も涙ながらにそれを受け入れ、皆に祝福されるなか結婚式を挙げる。なんだかつい最近まで、いづみ(宮本信子)曰く「何角関係か分からない」くらいに恋模様が入り乱れていた気がするのだが、今回のエピソードで一気に状況が激変した。
ラストでは、鉄平(神木隆之介)も朝子(杉咲花)に愛の告白。小さい頃から恋心を抱いていた相手に「好きだ」と言われ、朝子は嬉しさで胸がいっぱいになる…。ここで注目して欲しいのが、あえて「寄り」の画にはしない演出。このような場面であれば、二人の表情を大きく見せるためにクローズアップで捉えるのが演出家の心理だと思うのだが、あえて「引き」の画にしている。
ちなみに筆者は第3話のレビューで、「本作のポスターには、左:進平(斎藤工)とリナ(池田エライザ)、真ん中:鉄平と百合子、右:賢将と朝子という構図でメインキャストが写っている。ひょっとしたら、彼・彼女たちのカップリングを暗示したものなのかもしれない」と書いたが、実際には鉄平&朝子、賢将&百合子というカップリングに落ち着いた。本当にこのドラマは、予想がさっぱり当たらない。
いづみが社長を務める、株式会社IKEGAYA。これまで事業内容がさっぱり明かされなかったが、役員会議で多肉植物について議論していることから、どうやら植物関連の企業であることが分かってくる。
植物。緑。花。現代パートと過去パートを繋ぐキーアイテムは、おそらくこれだ。もともと端島は植物がない海の孤島だった。
思えば、King Gnuによる主題歌「ねっこ」には「さあ咲き誇れ ささやかな花でいい」という一節があった。『海に眠るダイヤモンド』のテーマは、およそ60年前の種が実を咲かせたラストシーンのように、「花なき時代に花を咲かせ、花なき場所に花を咲かせる」ということではないだろうか。その中心となる人物を演じているのが、杉咲<花>であることも、何らかの意味を感じてしまう。
これまで薄ぼんやりとしていた過去と現代が、ついに繋がった。野木亜紀子の脚本は、これから「花なき時代に花を咲かせ、花なき場所に花を咲かせる」物語へと収斂していくことだろう。
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