【画像】『不適切にもほどがある』『海のはじまり』Googleでバズったドラマは
ネット上で人気かどうかを測るのに、昨今ますます伸びを見せる無料動画配信サービスTVerのお気に入り登録数は一つの目安になる。ヒット作の指標である登録数100万台以上の作品を各期で見ていきたい。
まず1月スタートの冬期ドラマでは、阿部サダヲ主演『不適切にもほどがある!』(TBS系)が最高値130万台、二階堂ふみ主演『Eye Love You』(TBS系)、櫻井翔主演『新空港占拠』(日本テレビ系)、永野芽郁主演『君が心をくれたから』(フジテレビ系)が110万台、福田麻貴主演『婚活1000本ノック』(フジ系)が100万台を記録した。特に『不適切にもほどがある!』は、昭和と令和の価値観の相違を明示していく痛快さが受け、略称『ふてほど』は今年の『ユーキャン新語・流行語大賞』で年間大賞を受賞した。
4月スタートの春期ドラマでは、石原さとみ主演『Destiny』(テレビ朝日系)が最高値120万台で唯一100万を突破。春期ドラマ全体として、登録数100万台が5作あった冬期など他の期と比べやや不作となっている。
7月スタートの夏期ドラマでは、目黒蓮主演の『海のはじまり』(フジ系)の最高値が190万台を記録。これはTVer開始以来ドラマ最多の登録数230万台を誇った、2022年放送の川口春奈主演『silent』(フジ系)に続く高さだ。目黒は『silent』にも重要人物として出演しており、ネット上の目黒関連作品の強さが伺える。以下、二宮和也主演『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)が120万台、松本若菜主演『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)が100万台で続いた。
10月スタートの秋期ドラマでは、12月17日執筆時点で松本主演『わたしの宝物』(フジ系)、柳楽優弥主演『ライオンの隠れ家』(TBS系)が最高値110万台、松下洸平主演『放課後カルテ』(日テレ系)が100万台で大台に乗せている。『わたしの宝物』は全話平均世帯視聴率4%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区)ながら、テレビで家族とは見づらい托卵をテーマにし登録数を伸ばした。
全ての期の中でTVerお気に入り登録数のトップ3は『海のはじまり』、『不適切にもほどがある!』、『ブラックペアン』だった。ただ、登録数は作品や出演者のファンの数とも考えられる一方、“登録するほどではないが作品が気になる”という、よりライトな視聴者の動向が伺えるのが、特定のワードの人気度・検索数の推移をグラフと数値で見られるGoogleトレンドの「ウェブ検索数」だ。
2024年登録数100万台以上の全ドラマの中で、過去12か月間の「ウェブ検索数」最高値を叩き出したのは『ブラックペアン』初回だ。この最高値を100として、『海のはじまり』が80、『不適切にもほどがある!』が73、『新空港占拠』が52、『西園寺さんは家事をしない』が51で続き、「ウェブ検索数」最高値トップ5作品となる。また、『ブラックペアン』は「ウェブ検索数」の全話平均でも1位となった。
ちなみに、流行語大賞となった『ふてほど』というワードは、他のドラマの正式名称と比べても、また『ふてほど』自体の正式名称『不適切にもほどがある!』と比べても、あまり検索されていなかった。この『ふてほど』という言葉がどこまで巷で流行していたかは不明だが、作品自体の「ウェブ検索数」の全話平均は2位で、作品が話題になったことは間違いない。
以上を鑑み、民放GP帯作品のTVerお気に入り登録数100万台以上を記録したドラマの中で、登録数年間トップ3にあり、「ウェブ検索数」最高値、全話平均で共に1位だった『ブラックペアン』を、2024年“年間ネットバズりドラマ”に認定したい。
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