2016年に結成、翌年の夏フェスで“見つかった”と話題を呼び、瞬く間にアイドルの階段を駆け上がってきたTask have Fun(たすく・はぶ・ふぁん)。そして昨年11月にはついに自身最大規模となる中野サンプラザ公演も成功に収めた。
だが、成功したからこそ現れた次なる課題を前に、彼女たちの心境とは。
──中野サンプラザ公演から約2カ月あまり経ちましたが、改めて振り返ってみていかがでしたか?

白岡 自分的にはまだ2カ月しか経ってないんだと思って、随分前だった感じがします。当日初めて会場を見たときに「こんな広い所で私達3人だけで大丈夫かな?」って不安になってめっちゃ緊張してたんですけど、本番でたくさんのファンの方が来てくれているのを見たら緊張がほぐれました。終わった直後は、バックダンサーさんやスタッフさん達とみんなで「お疲れ様!」って拍手したりハイタッチしたりして、達成感でいっぱいでした。

熊澤 中野サンプラザの2階の1番後ろからステージを見たらやっぱり桁違いに会場がおっきくて。始まる前は緊張してたんですけど、たくさん公演数を踏んできた全国ツアーのファイナルだったので自信もありました。地方公演で観に来てくれたお客さんが来てくださったりもしたので達成感もすごくあって。終わった後は気持ちも体力も出し切ったって感じでしたね。

──ライブでは3人でのパフォーマンス以外にも「新衣装生着替え」や「テーブルクロス引き」といったミニコーナーがたくさんあり、ファンの声援の大きさでソロ曲を歌うメンバーを決めるコーナーでは、里仲さんがソロ曲『僕はマグネット』を歌うことができました。あの会場で歌ってみてどうでしたか?

里仲 いやもう、上から見た光景がスゴかったです。私、メンバーカラーが緑なので、お客さんがみんな緑のペンライトを振ってくださって。ほんとに5分間だけソロコンサートをやっているような気分でした。


──ライブ終盤では代表曲でもある『3WD』ほかを大勢のバックダンサー達と一緒に踊って披露しました。まさに大団円でしたね。

熊澤 小っちゃい子から振り付け師さん、ユニドル(女子大生のアイドルコピーサークル)さんまで出てくださって、小っちゃい子が『キミなんだから』や『3WD』を一生懸命踊っているのが新鮮で可愛かったです(笑)。

里仲 キレキレだったよね。

──それからニューシングルの表題曲タイトルをライブ中に決めるイベントも。メンバーや事務所の社長が考案したタイトル候補のなかから、中野サンプラザの会場にいた1人のファンに選んでもらっていましたね。

熊澤 ファンの方に選んでいただいてタイトルなった『星フルWISH』は私が考案したのですが、「星降るビーチに連れてって」っていう歌詞が私のお気に入りで、WISHは願うっていう意味があるんですけど、タスクがこの曲と一緒にこれからも大きくなっていけたらいいなっていう願いを込めて考えました。

──『星フルWISH』はどんな曲だと思いますか?

里仲 初めて聴いたときにすごく可愛い曲だと思って、(メンバーに)こういう曲をやるのは久しぶりだよね? 振り付けも今までのタスクにはなかった内股に初めて挑戦しています。今までほぼ全曲ガニ股でしたから(笑)。

熊澤 曲も歌詞も可愛いと思ったし、今まではロック調が多くていつかはこういう可愛らしい曲をやりたいと思っていたので、初めて聴いたときは「ビビビ」って来ました。

白岡 この曲自体は前からあったんですけど、そのときは全然歌詞が違ってて、もともと夏の曲だったんですよ。それが一旦クリスマスバージョンになったんですけどまたちょっと変わって、今の夏と冬が融合した歌詞になっています!

──そうだったんですね。
一方でカップリング曲の『ルミナストレイン』は、“近道はない一歩ずつ踏みしめ~”という歌詞が今のTask have Funの気持ちを表しているようでした。

白岡 そうですね。私達のデビュー曲からずっと作ってくださっているGUCCHOさんがタスクの物語として作ってくださったので、すごくエモい感じの曲になっています。曲自体はエモいんですけど、振り付けはタスクらしくて面白い、みんなで踊れるような感じになっているので、ライブでやったら盛り上がりそうだなって思います。

──「タスクらしい振り付け」というのはつまり……。

3人 ガニ股です(笑)。

里仲 私達ほとんどガニ股だからね(笑)。

熊澤 でもなんか、ガニ股をしてると安心しちゃう自分がいるんですよ。最近どんどん腰が低くなっていってます(笑)。

里仲 最初の頃は「えっ、ガニ股やるんですか?」みたいな雰囲気あったんですけど、でも今となっては抵抗ないよね? 言われなくてもガニ股してるみたいな(笑)。

──表題曲が内股でカップリング曲がガニ股ということですね(笑)。タスクさんの今後についてですが、過去最大規模のワンマンライブを成功させたその先についてはどのように考えているのでしょうか?

熊澤 中野サンプラザワンマンはやっぱりタスクにとって大きいものでした。
でもそこはゴールじゃなくて通過点なので、これからもまだまだ大きくなっていきたいです。

白岡 私達ってみんなで1つの大きい目標を立てるのがあまり得意なタイプではなくて。大きいゴールを作っちゃうと、それを達成したときが怖いから作らないようにしているんですよ。なので目の前の課題を1つひとつ3人で乗り越えていけたらなと思います。

──『3WD』は去年のTOKYO IDOL FESTIVAL 2019、 10周年を祝うコラボステージでは「2018年の代表曲」に選ばれたりもしましたが、グループ・曲の知名度や現状についてはどう思いますか?

里仲 『3WD』がたくさんの方に刺さったっていうのはすごくうれしかったです。でももう3年近く前の曲になるので、これだけじゃダメだなっていうのはやっぱりありますし、それに匹敵するようなヒット曲があったらいいなと思いますね。

白岡 『3WD』みたいな曲があるのはもちろん有難いしうれしいことなんですけど、うれしかった反面「それしか」みたいな気持ちもあったので、それは嫌だよねっていう想いでここ何年かは頑張ってきました。最近は「あの曲も好き」とかたくさん言っていただけるようになったので、『3WD』を大切にしながら他の曲も育てていきたいなと思います。

──2020年はグループにとって大事な年だと思いますが、去年の全国ツアーを経て3人の絆はより深まったのではないでしょうか?

熊澤 全国ツアーを通して一緒にいる時間も増えたし、話す機会も遠征先で増えて、そのときに「仕事に対してこう思ってたんだ!」みたいなことを色々知れたので、2人のことを尊敬してるしカッコイイなと思いました。正直最初は仕事仲間っていう感覚でいたんですけど、でも今は生きていく上での仲間だと思っています。3人一緒じゃないと安心しないです。

──今年はグループとしてどうなっていきたいですか?

白岡 去年は3人の絆がさらに深まった1年だったと思っているので、今年は1人ひとりがさらにパワーを付けて、それが3人集まったらもっとスゴくなる、みたいな状態を作れるようになりたいと思っています。


里仲 やっぱりアイドル好き以外の方にも知ってもらいたいですし、今年は色んな年齢層の方にタスクのことを知っていただけるような1年にしたいです。

熊澤 去年は全国ツアーやレッスンをやって技術面が良くなったとは思うんですけど、でもまだまだ頑張れたなと思うので、今年はもっと歌やダンスの技術を上げていきたいです。去年以上にもっと頑張って「タスクってこんなこともできるんだ!」って再発見してもらえるような1年にしたいです。

(取材・文/鎌形剛)
▽Task have Fun(たすく・はぶ・ふぁん)
里仲菜月、熊澤風花、白岡今日花で結成され、2016年5月にデビュー。可愛いルックスと、パワフルなパフォーマンスでオーディエンスを魅了し、一体感のあるライブでアイドルシーンの話題をさらっている。
編集部おすすめ