【画像】永瀬廉のポンコツキャラと山下美月の実直さ際立つ『恋ムズ』
永瀬演じる主人公・天堂昴は大手アパレルメーカーの会長の孫で、祖父に甘やかされて育ち、世間知らずで超わがままなポンコツお坊ちゃんだ。
お金がありながら抜群のルックスで周囲にもチヤホヤされてきたため、恋愛偏差値0で性格は欠陥だらけ。そんな御曹司が難攻不落のド庶民女子に恋に落ち、成長していくロマンティックラブコメディーとなっている。
永瀬はこれまでに朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)、『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)、『東京タワー』(テレビ朝日系)などで、切ない恋に物憂げな表情を浮かべる好青年を演じ、そのイメージが強くなっていた。
今作序盤では、ヒロインに対し自信過剰なナルシストぶりを発揮し、“とんだ勘違い野郎”としてコメディータッチに空回りする永瀬のポンコツぶりが斬新だった。陰があって哀愁を帯びた役柄が多かった永瀬が、こんなにも表現力豊かに天性のズッコケおバカキャラを演じるとは思ってもみなかった。
そんなポンコツ御曹司からの猛アタックを、ド庶民のヒロイン・花倉まどか役の山下が冷静に受け流したり、淡々とツッコミを入れることで、昴の面白おかしさがより引き立ってきた。
山下は現役アイドル当時から、朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)、『下剋上球児』(TBS系)、『Eye Love You』(TBS系)などに出演。グループ時代の立ち位置も含め、しっかり者で芯のある女性役のイメージが強い。永瀬の役柄がこれまでと180度違う分、山下が見せる凛とした安定感が今作には必要不可欠となってきた。
まどかが周囲とは異なり昴を特別視せず、ダメなことはダメだと説き、庶民暮らしを余儀なくされた昴に市井の人としてのやりくりを伝授していくことで、昴は成長していく。
序盤は「ポンコツ×常識人」のかけ合いが見どころだったが、中盤以降は胸キュン要素たっぷりで、王子様感溢れる永瀬と、実直だけれど可愛げのある山下による王道ラブストーリーが堪能できる。それでも、随所にクスっと笑える昴の天然ぶりは健在だ。
2人それぞれの部屋がある社員寮が火事に遭い、昴の豪邸に一時同居することになるなど、ややありがちな展開がありつつも、可愛らしい2人のラブコメを見守るのには心地よい王道設定で溢れている。
タイトルも含めて漫画原作がありそうだが、今作はドラマオリジナル脚本となっている。ぜひとも漫画化して欲しいし、漫画になったら大ヒットして再度ドラマ化か映画化のオファーが来そう。そんな作品だ。それにしても、原作など見本となるキャラがいない中で、あれだけの“ポンコツ愛され昴”を自身で創り上げた永瀬のコメディアンぶりには驚かされる。
永瀬と山下にとって代表作となりそうな今作。早くも続編に期待してしまうほど、昴とまどかをまだまだ見届けたい。
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