高石あかり(※高の正式表記ははしご高)がヒロインを務める、2025年度後期の連続テレビ小説『ばけばけ』。5月21日~23日には、物語の主な舞台となる松江でロケが行われ、ヒロイン・松野トキ役の高石あかり、夫のレフカダ・ヘブンを演じるトミー・バストウ、制作統括の橋爪國臣氏が取材に応じた。


【写真】『ばけばけ』松江ロケで取材に応じた高石あかり&トミー・バストウ【3点】

第113作目の連続テレビ小説『ばけばけ』は、松江の没落士族の娘・小泉セツがモデル。外国人の夫、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルとしたヘブンと共に「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた、名も無き人々の心の物語に光をあて代弁者として語り紡いだ夫婦の物語だ。

制作統括の橋爪氏は「松江でロケができたことを本当にうれしく思っています。天気にも恵まれて、気持ちのいい中で素晴らしい撮影ができました。島根県や松江市の皆さん、そして協力してくださった地元の方々のおかげです」と感謝。

そして、ヒロインの高石は「トキとして、そしてヘブンとして松江に帰ってこられたこと、本当にうれしく思います。昨日と一昨日の撮影では、八重垣神社で撮影させていただきました。地元の方々がエキストラとして参加してくださって、お話ししながら撮影できたのも贅沢な時間でした」と松江ロケを振り返った。

また、「晴れ予報だったのにまさかの雨が降ってきて……やっぱり松江だなって思いました(笑)。そういうところも含めてこの土地が好きですし、『ばけばけ』という作品にもぴったりだと感じました。松江の“洗礼”を受けられてよかったです」とチャーミングに話す。

レフカダ・ヘブン役のトミー・バストウも「今日はとても楽しく、ゆっくりとした空気の中で安心して演じることができました」と、松江ロケの感想を語った。


まだ共演シーンは少ないという二人だが、トミーは「一緒に演じたシーンでは驚くほど安心してお芝居できました。あかりさんの素晴らしい演技と、優しさ、思いやりのおかげです」と思いを伝え、高石が「初めてそんなこと言われましたよ!ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです」と、和やかに会話する場面も。

松江ならではの食事を楽しんだか?という質問では、高石が「町の方がしじみ汁を2種類(味噌とすまし)差し入れてくださって、どちらもとても美味しかったです。撮影でも松江や島根のしじみや味噌を使わせていただいていて、八雲さんやセツさんが食べていた味を感じることができてうれしかったです」とコメント。トミーも「しじみラーメンを食べました!」と嬉しそうに答えた。

また、100年前の当時では珍しい“国際夫婦”を演じる上での意気込みを聞くと、高石は「八雲さんとせつさんの夫婦像って、すごくキュートで愛らしくて。ヘルン言葉(夫婦の会話で使われていた独自の日本語)でのやり取りもそうですし、愛が溢れた2人の関係にすごく憧れています。私たちもそういう夫婦になれるように頑張りたいです」とコメント。

最後は「まずは松江の方、島根の方に愛していただけるように、精一杯頑張りたいと思います。よろしくお願いします」と視聴者にメッセージを寄せた。

▼『ばけばけ』制作統括・橋爪國臣氏インタビュー

──実際に松江で撮影してみて、期待感はいかがでしょうか?

橋爪 すごく期待を感じています。
ロケ現場では「ここは物産館かな?」と思うくらい、たくさん差し入れをいただきました。しじみ汁や八雲さんに関係するお菓子など、地元の名産がたくさんあって。スタッフも出演者も、みんなでご馳走になりました。

今日は市内でビジュアル撮影をしていたんですが、一年前に取材で訪れた時と比べて、たくさんの方に「応援してます」と声をかけていただきました。皆さん快くロケ地を貸してくださって、私たちも「いいものを作らなければ」と日々頑張っています。

──松江市の皆さんの温かさに、トキさんの人柄と通じる部分はありましたか?

橋爪 松江の空気感が本当に素敵で、それがこの物語をドラマにしたいと思ったきっかけにもなりましたし、作品を通して伝えたいことにもつながっています。実は、主要キャストのほとんどに出演前に松江を訪れてもらっています。実際に街を歩いて、人に会ってもらって、松江の空気を感じてから撮影に入ってもらいました。そこで感じた松江の空気感がドラマにもきっと伝わると思っています。

──今作は明治時代の国際結婚という、当時は珍しい夫婦の物語でもありますが、現代に向けてどのようなメッセージを込めていますか?

橋爪 このドラマをやりたいと思ったのは、育った環境も文化も、言葉も違う二人が、それでもごく自然に一緒に幸せな生活を送っていて、それが周囲にも波及していく。その姿にすごく希望を感じたからです。今の時代は、さまざまな壁や反発、格差が目立っていますが、ほんの少し気持ちを変えるだけで、それらは変わっていけるんじゃないかと。
そういった思いがドラマの裏側にあるメッセージとして、少しでも伝わったら嬉しいです。

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