7月23日、福岡を拠点に活動しているアイドルグループ「HKT48」は通算19枚目となるシングル『半袖天使』を発売する。選抜メンバー16人の真ん中に立つのは、地頭江音々(ぢとうえ・ねね)。
およそ9年活動してきて初めてそのポジションに置かれた。その重責をどう感じているのか、本音に迫った。音々は地頭江家の長女として産まれた。3年後には双子の妹が誕生した。(前後編の後編)

【写真】HKT48 19枚目シングルセンター・地頭江音々、ステージ写真ほか【7点】

地頭江 私はザ・長女だと思います。人に甘えるのが苦手なんです。弱みを見せるのも嫌だし。それに、人見知りです。生まれ育った宮崎は学校にクラスが2つしかなかったから、みんな顔見知りでした。HKT48に合格して、福岡の高校に転入して、初めて知りました、自分が人見知りなんだって。友達らしい友達はできませんでした。同じタイミングで転入した同期のメンバーは人懐っこいから、すぐに友達ができていました。
あんなふうに生きていけたらいいのになと何度思ったことか……。

 合格してから一度だけ舞台に出演したことがある。見渡せばHKT48の出演者がほとんど。共演者は話しかけてくれるのに、会話が続かない。毎晩、一人で反省会を開いた。

地頭江 研究生から昇格しても、同期と2人で楽屋の隅っこにいました。今でも普段は暗いし、隅っこが大好き。そのくせ寂しがり屋でもあるんです。陽キャの後輩に遊んでもらっています(笑)。

 自身を「陰キャ」と捉えている人がセンターに立つことになった。

地頭江 私は、今回のセンターは信頼で勝ち取ったと思っています。信頼や説得力は今までの蓄積です。
そして、信頼を得ると、それはなかなか崩れることがありません。みんな、その人の背中を見ているからです。

 9年目のセンターは小さいことをコツコツと積み重ねてきた。パフォーマンスの基本を守ってきた。大事なことは、ある人の背中に書いてあった。

地頭江 私のダンスは、一番楽しそうだなと思ってほしいというのが根本にあります。そのためには手を抜かないことです。秋吉さんの「ベテランでサボってるやつが一番ダサい」という言葉に私は心底共感しています。

 地頭江は昨年秋からプロバスケットボールチーム「ライジングゼファーフクオカ」を応援するようになった。ルールすら覚束なかったものの、今ではバスケとアイドルを重ねて見るようになった。

地頭江 バスケットボールにもセンターというポジションがあります。バスケのセンターは、チームの支柱です。
見た目からして大きいから目立つし、必ずボールが回ってきて、シュートを決めることを託されます。バスケでいうと、私はポイントガードなんです。ボールを回す役割ですね。私はダンクシュートをカッコよく決めるより、スリーポイントを決めるほうがカッコいいと思うタイプなんです。

 地頭江はまだダンクの快感を知らない。このシングル期間を通して、心境はどう変化するのか。そこが見ものだ。

地頭江 そこはどうなるんでしょうね? 今までは劇場公演のセンターしか知らなかったから、次のシングルも立ちたいと思うのかな? でも、阿紀ちゃんとのWセンターはやってみたいな。単独で立ちたいというよりは、そう思うことはあるかもしれないです。それか、誰か別のメンバーがセンターで、両脇を阿紀ちゃんと私で固めるのがいいな。そのほうが居心地いいから(笑)。

 もちろんこの期間はセンターとしてできることはやります。
9年やってきた私が初めてセンターに立つ意味をお見せしたいので。長く続けていれば、こんなご褒美もあるんだよって、いろんな方に伝えたいです。

▽地頭江音々(ぢとうえ・ねね)
2000年9月27日生まれ、宮崎県出身。2016年4期生としてHKT48に加入。9thシングル『バグっていいじゃん』で初選抜。2023年にはファースト写真集『彼女の名前』(玄光社)を発売。2025年7月23日発売のHKT48 19thシングル『半袖天使』ではセンターを務める。

【前編はこちらから】HKT48 地頭江音々“支える人”から“導く人”へ…9年目で掴んだ初センターの真実
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