俳優の當真あみが主演を務める連続ドラマ『ちはやふる‐めぐり‐』(日本テレビ系)の第1話が、7月9日に放送され、平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は世帯5.2%、個人3.2%だったことが分かった。

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『ちはやふる』は、女性漫画誌「BE・LOVE」(講談社)で2007~2022年に連載された末次由紀の人気マンガ。
綾瀬千早が、転校生の綿谷新との出会いを通じて競技かるたの魅力に目覚め、幼なじみの真島太一らかるた部の個性的なメンバーたちとともに、かるたに情熱を燃やすというストーリーだ。広瀬すず主演で2016年に映画化され、「上の句」「下の句」の2部作が公開。映画完結編となる「結び」は2018年に公開されている。

今回のドラマは、映画から10年後を舞台にしたオリジナルストーリー。連続ドラマ初主演となる當真が、梅園高校競技かるた部の幽霊部員で高校2年生の藍沢めぐるを演じている。

第1話で話題を呼んだのが、Z世代ならではの価値観。めぐるは、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を目標に、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視して生きる高校生だ。かるたや部活には無関心で、「青春に全力を注ぐのは贅沢」と語る彼女の姿は、従来の“熱血青春”とは一線を画す。

「めぐるの“青春は贅沢”という言葉には、一見冷めた印象を受けますが、それがまさにZ世代の価値観を象徴している。AI、タイパ、FIREといった現代用語を自然に口にする彼女の姿に、多くの視聴者がリアリティを感じたはず。だからこそ“令和のヒロイン”として説得力がある。めぐるが“青春否定”から“今しかできない体験”に向き合う時、物語はただの部活ドラマではなく、現代を映し出す“青春という概念のアップデート”として機能していくでしょう」(テレビ評論家)

また、当初はかるたに全く関心を示さなかっためぐるが、“自分の名前が詠まれる札”と出会う展開も、原作ファンには強く響いた場面だ。
自分の名前と和歌が結びつくという偶然が、めぐるにとっては初めて「自分ごと」としてかるたが心に入り込む瞬間だった。

「めぐるは当初、他人の情熱をどこか他人事のように見つめていますが、その観察者としての立ち位置が視聴者の視点とも重なるんです。彼女が“主役になること”を恐れながらも、徐々に情熱に触れていく姿には、現代の若者たちの姿が映し出されているように感じました。千早にとっての“ちはやふる”と同様に、めぐるが“めぐりあひて”という札に導かれていく構成は、物語への没入感を高め、原作ファンにとっても感慨深い演出でしたね」(サブカルライター)

一方、競技かるたそのものの描写についても高い評価の声がある。特に第1話からは、札が高速で飛び交う様子や、静と動が交錯する間合い、緊張感ある間の取り方などが丁寧に描写され、かるたの持つ迫力や美しさがしっかり伝わってきた。

「競技かるたのスピード感や緊張感は、映像作品で描くのがとても難しいんです。しかし、今作はその点で非常に丁寧で、特に初心者であるめぐるの視点が導線になっているのがうまいですね。カメラワークやカット割りにも劇場版を思わせる工夫があって、“見せる競技”としてしっかり成立しています。過去作を知らない人もすんなり世界観に入っていける構造です」(前出・テレビ誌記者)

原作完結からまだ3年しか経っていないが、映画の第1作からは9年、完結編からも7年。當間が主人公となることで、“青春”という概念自体が時代とともにどう変化していくのか、それを映し出す本作の今後に注目したい。

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