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森は、『国宝』で歌舞伎役者・吾妻千五郎の娘である「彰子」役を演じている。彰子は、吉沢演じる立花喜久雄が落ちぶれた際に健気に支える女性で、森は体を張った大胆なベッドシーンも披露して熱演している。公開中なので詳細は明かせないが、彰子は作品の中盤以降で重要な役目を担うキャラクターだ。恋した喜久雄のために家を捨て、なんとか再起させようと彼のマネージャーのような役目を果たすことになる。歌舞伎役者の娘という立場を放棄して喜久雄に尽くすが、結果として2人でいることが悲劇を生むことに…。好きな男を一途に支える姿は美しくも儚く、そんな難しい役を森は見事に演じきっている。
話題の『国宝』で印象深い演技を見せた森だが、今年は出演した映画がどれもヒットし女優として高い評価を得ているところだ。2月には『ファーストキス 1ST KISS』に出演し、さらに『国宝』の後には『フロントライン』に参加。どの映画も話題作となり、「森七菜が出演する作品に外れなし」の状況になっている。
森といえば、中学生時代に地元の大分でスカウトされ芸能界デビュー。
森の魅力は何と言っても、どんな役にも対応できる表現力の高さだ。以前は、透明感のある清純派女優というイメージが強かったが、今年出演した作品で一気に女優としてレベルアップしたように感じられる。表現力が高いため、どの役でも憑依したように自然体の演技を見せ、観客はストレスなく作品を楽しむことができる。透明感があるビジュアルなのでメイクや髪型でどんな役にも化けることができ、若手女優の中では抜群の存在感を放っていると言えるだろう。
『ファーストキス 1ST KISS』では、主演の松たか子が演じたカンナと一緒に働く舞台・美術スタッフの世木杏里を演じ、年下ながらしっかり者のおちゃめな女性を魅力たっぷりに表現した。
かと思えば、『国宝』では前述したように、好きな男に尽くして身を滅ぼす彰子を熱演。『フロントライン』では英語での芝居にも挑戦し、新型コロナの発生で混乱する豪華客船のクルー・羽鳥寛子を演じた。いずれの作品でも脇役ではあるものの、登場回数が多くストーリーに影響を及ぼす役どころばかり。それだけ森の演技が制作陣に注目され、信頼を寄せられている証拠だろう。
そんな森だが、次回作は今年10月10日に公開予定の映画『秒速5センチメートル』で、澄田花苗役で出演が決まっている。同作は、SixTONESの松村北斗が主演を務め、2007年に公開された新海誠監督の同名アニメが原作。花苗は、主人公・遠野貴樹に思いを寄せる高校の同級生で、森が得意とする役どころと言える。秋の話題作になりそうで、森はすばらしい演技を見せてくれるとだろう。
秋にはドラマ出演の噂もあり、ますます勢いに乗りそうな森七菜。『国宝』では、これまでにない大人の演技も披露しただけに、どこまで成長するのか見届けたい。
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