今回、待望の新作リリースを記念して、リーダーの庄司芽生に、女子流が辿ってきた波乱の道のりを二回に渡って振り返ってもらった。一回目は結成時から武道館公演までについてを語る。
【画像】東京女子流の最新シングル『Tokyo Girls Journey』
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──いよいよ活動10周年、この大切な日を迎えるにあたって、今はどういう気持ちですか?
庄司 正直10年という長い時間が経った! という気持ちは全然ないんです。むしろあっという間。この10年は紆余曲折、山あり谷ありの時間を過ごしていましたから、あまりに濃すぎたせいで本当に一瞬だったような気がします。
──その山あり谷ありの10年を、庄司さんの視点から、歴史ごとに振り返っていただこうと思います。まずは2010年の「東京女子流、結成」。女子流での活動前、庄司さんはキッズダンサーとしてのキャリアからスタートしていたんですよね。
庄司 そうなんです、元々は地元の山形でダンスをやっていて、色んなステージに立ったりしていたんです。けど、その頃は芸能界=TVを通して見る側、遥か遠いところにある存在だと思っていたので、ダンス経験をその先の何かに繋げよう! とは全然考えていませんでした。
──ただ踊ることが好きだったと。
庄司 はい。このままずっと踊れればいいなぁと思っていたら、あるキッカケで受けたオーディションに合格して、東京女子流のメンバーとして活動することが決まったんです。手に届かないと思っていた場所で自分が活動すると決まった時は、信じられなかったと言いますか……。とにかく自分が何年後にどうなっているのか?という先の夢は全然思い浮かばず、「未知の世界に入ってしまった!わぁ、ワクワクする!!」という、という変な気持ちだけでした(笑)。やるからには、とにかく楽しみたいなって。
──初めてメンバーさんと会ったときの印象、覚えていますか?
庄司 バッチリ覚えてます! (新井)ひとみと(山邊)未夢とはオーディション前に、偶然誘っていただいたavexの合宿に飛び入り参加したときに会っていたんです。「この5人で東京女子流です」という顔合わせの日に2人を見て、「あっ!知っている子がいる!!」と、すごく嬉しくなったんですよ(笑)。
──話しかけたりはされたのですか?
庄司 全然! 私、すごく人見知りで……。顔見せの日も、私は自分から全く話しかけられず、気を使ったスタッフさんが「じゃあ、お互いに質問する時間にしましょう」と声をかけてくださって。それでもダメな私は手を挙げられず、そのままみんなも黙っちゃって誰一人手を挙げられなくなってしまったんです(苦笑)。
──1stアルバム『鼓動の秘密』の付属DVDに初顔合わせの瞬間がおさめられた映像が入っていますが、とにかくみなさん無言でしたよね。
庄司 そうなんですよ(苦笑)。
──中江さんの存在は大きい(笑)。さて、遥か遠い場所だと思っていた場所での活動はどうでした?
庄司 何をやるにしても初めてのことばかりなので、目の前にあることを必死に頑張っていました。最初の壁がデビュー曲『キラリ☆』のレコーディング。ダンス経験はあっても、人前で歌う経験がなく、しかも全然得意ではなかったんですよ。たった1人で狭い空間に入って、ヘッドフォンを付けて、誰もいない中マイクに向かって歌う。その姿や声を他の誰かに見られたり聞かれるという状況がものすごく恥ずかしく、耐えられなくて。
──なるほど、デビュー間もなくから数々のライブを経験しましたが、その中でも印象深いものは?
庄司 やはり初ライブです。その頃はオリジナル曲が一つもなくて、とにかくカバー曲を12曲ほど覚えたんですよ。それに女子流は最初、正体も明かしていなかったのでお客さんが来てくれるのか? という、色々な不安と戦いながら毎日を過ごしていたんですよ。本番の日、ステージに上がった瞬間「待っていたよ!」という歓声と、目の前に広がる光景に、すごく励まされたんです。このとき、私は女子流を知ってくださる方に良いことを届け続けよう!という気持ちになりました。
──活動当初の女子流さんは、年齢を非公開にしたりとミステリアスな印象を押し出していましたよね。
庄司 そうでしたねぇ。あの頃は特典会になると「○○歳でしょ?」とみなさんが聞いてくるので、その度に「ど、どうしょう!?」って混乱していました(笑)。「小・中学生でしょ?」って聞かれるとちょっと大人っぽくしてみたり、逆に大人ぽく見られたら子どものフリをしたりって自分なりに隠す努力はしていたんですよ。けど、昔の写真を見返すと「どう見ても小・中学生にしか見えないよなぁ~」って(笑)。
──次なるターニングポイントは2012年の年末に行われた日本武道館での単独ライブ。日比谷野外音楽堂ライブでの発表でしたね。
庄司 リハーサルが終わった後、メンバーとスタッフさんとで、「いつか武道館に立とうね!」と話しあっていたんです。そんなタイミングで発表されたので状況が全然飲み込めず「何? 何が起こっているの!?」という感じでした。
──本番当日の景色、今でも鮮明に焼き付いていると思います。
庄司 宙に浮いているかのような感覚でした。下から上まで私たちが見てくださる方で埋まって。しかもペンライトの光がバーッ! と広がると本当に上も下もなくなって、夢の中にいるような……それぐらい不思議な感覚でした。
──その気持ちは翌年の2年連続となる武道館も同じでしたか?
庄司 2年目は逆に地に足がついていました。2013年の私たちは、自分たちとの葛藤の1年だったんです。今までにない新しいことに挑戦しては、正直足踏みしたり満足できないこともあって……。個人的にもこの年に上京したので、環境の変化に慣れなければいけなかったりして。
──この頃を山邊さんは「どんな現場でも緊張しない、無敵の状態だった」と『女子流♪』(テレ朝動画)で振り返っていましたが、それは庄司さんはじめ、みなさんも同様でした?
庄司 私は常に緊張していました(笑)。未夢やひとみは本番になると「イケる!なんでも来い!!」と強さを発揮できるんですよ。逆に私と友梨は「大丈夫かな?できるよね?」ととにかく自分を励まして心を整えようとするんだけれど、ステージ袖に行くと全然ダメで脚が震えちゃうっていう(照笑)。緊張を楽しめるようになるには、随分と時間がかかりました。
▽庄司芽生(しょうじめい)
1997年7月2日生まれ、山形県出身。O型。身長159㌢。東京女子流のリーダーとして活動中。
▽東京女子流『Tokyo Girls Journey (EP)』
発売日:5月5日(火)
価格:[CD +DVD]2,000円、[CD]1,000円