アップアップガールズ(仮)の古川小夏森咲樹佐保明梨新井愛瞳がグループの卒業を発表したのは先月23日のことだった。2011年の結成から、いやそれ以前のハロー!プロジェクトエッグ時代を含めるとおよそ15年以上にわたって同じ道を歩いてきたメンバーたちはここで別の道へ進むこととなる。


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中でもたった1人グループに残り、アプガ(仮)を続ける決断をしたのが関根梓だ。アプガ(仮)メンバーがそれぞれ後輩グループ、アプガ(2)メンバーと対談する“闘魂伝承企画”2回目は、関根梓とアプガ(2)のリーダー高萩千夏の対談をお送りする。

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──アプガ魂闘魂伝承企画で、今回は新体制アプガ(仮)を引っ張っていく関根さんと、アプガ(2)のリーダーの高萩さんの登場です。まず関根さんに、最初の頃のアプガ(2)の印象からお伺いできれば。

関根 最初は心配でしたね(笑)。何事にも一生懸命な子たちなんですけど、たまに力が入りすぎちゃって惜しいなってところがたくさんあったんです。
グループの方向性も定まらない時期が長かったですし。

高萩 分かります。やっぱり、最初はアプガ(仮)さんと違う色を作るのにすごく苦労しましたね。

関根 ちなったん(高萩)に関しては、器用じゃないけどすごく一生懸命にやっているなという印象でした。自分ができると思ったことを誰よりも努力していましたし。

高萩 ありがとうございます!

──反対に高萩さんから見たアプガ(仮)の印象は?

高萩 アプガ(仮)さんは、オーディションでお会いしたときから貫禄がすごかったですね(笑)。


──最初は怖かったですか。

高萩 あー、関根さんが怖かったです(笑)。

関根 え、ウソー(笑)。

高萩 でも、それは、関根さんが一番厳しい言葉をかけてくださったからなんです。

関根 レッスンとかでね。

高萩 私たちのことを思って、あえて厳しく言ってくれていたんです。
関根さんに言われた「それでお金いただいて見せるつもりなの?」っていう一言が一番印象に残っていますね。もう、ハッとしました。

──厳しいですが、プロとしては正しい言葉ですね。

関根 それは、ハロプロエッグの教えなんですよ(※アプガ(仮)メンバーはハロー!プロジェクトエッグ出身)。私としては、早い段階からステージを大切にしてもらいたい、趣味の延長線上じゃないよってことを伝えたかったんです。だから、最初はどれだけ怖く思われてもいいから口をすっぱくして言っていました。


高萩 すごく印象に残っている言葉なので、私も後輩を怒るときに最初に「お金をいただいているんだから」と言うようにしています。その教えは継承していきたいので。

──いい先輩後輩の関係ができていますね。そうした最初のアプガ(2)の印象が、今はどう変わりましたか。

関根 今のアプガ(2)は、もう心配ないですね。特に1期メンバー(高萩、吉川茉優、鍛治島彩)は、グループの基盤をしっかり作ってそれを守ってくれているなと。
パフォーマンスで目指すものがはっきり伝わってくるし、私たちが言うことないなと思っています。悩んでいたら手を差し伸べてあげるとか、そういうフォローだけしたいなって。
高萩 とてもうれしいです。私たち1期メンバーは、こうしたいってことがあったらメンバーで話をまとめて山田さん(事務所社長)に提案するタイプなんです。山田さんも、自分たちで決めてやりなさいって言ってくださっているので。アプガ(仮)さんの妹分として見習うところは吸収して、自分たちは自分たちで違うことを新しくやっていこうって意識しています。
今は、格好いいアプガ(仮)さんとは全く違う、可愛いポップで青春みたいなタイプの曲をいただけるようになって、どんどんアプガ(仮)さんと差別化ができているかなと思います。

──頼もしい言葉ですね。

関根 大人になりましたね~。アプガ(2)のライブは、今のアプガ(仮)とは違う元気さがありますよね。ライブはあまり現場には行けてないんですけど、ちゃんと配信で見ているんです。この間の1期メンバーのワンマンライブも見ていました。

高萩 えー! そうなんですか。

関根 見てるよ。リリイベもYouTubeで見てるしね。

──リリイベまで! でも、それはなぜチェックしているですか。

関根 ストレートに本音を言うと、抜かされたくないんです。グループとしてもだし、まず自分自身が越されたくないなって。アプガ(2)のメンバーの成長をうれしく思いつつ、この部分で追いつかれそうだなって思ったら自分も勉強したりします。

──高萩さん、褒められましたよ。

高萩 私たちはずっとアプガ(仮)さんを追い越したいと言っているけど、実際追い越せてはいないので、少しでも焦せらせることができているのならとてもうれしいです。やっぱりアプガ(仮)さんを追い越すためにも、アプガ(2)の中で、2期メンバーや3期メンバーが、私たち1期メンバーを焦せらせるようなパフォーマンスをしてくれるようになったらいいなと思いますね。

関根 確かにそうだね。1期メンバーたちからは、私たちに追いつこうって気持ちを感じるけど、それ以降のメンバーは、1期メンバーに甘えているな、今のグループの空気感に安心しちゃっているなっていうのが見えるんです。もうちょっと、闘争心を持って欲しいなって思います。そうすれば、若いメンバーも、もっと成長できると思います。

高萩 ごもっともなんですよ! なかなかそうはならなくて、勝負どきにガツンと行けなかったりするんです。どうしてですかね? やっぱり私たち1期メンバーに気を使っちゃうんですかね?

関根 これはハロプロエッグの精神なんですけど、「同じグループだとしてもステージ上では戦え」「前に出られるときは前に出ろ」ってずっと言われていたんです。それが常にあるから、(仮)メンバーは普段ワチャワチャやっているけど、心の中では自分が一番目立ちたい、輝きたいとみんな思っていますね。私たちと同じようにやれとは言わないですけど、もっと競争心を持って前に出るっていうのは必要かもしれないですね。

──そこはアプガ(2)の今後の課題ですね。

──さて、新体制になるアプガ(仮)ですが、メンバー4人が卒業する中、関根さんひとり残ってグループを続けるという選択をされました。また一からグループを作るくらいの大変さがあると思いますが、困難にも思える道を選んだ理由を聞かせてください。

関根 去年、スタッフさんから(仮)メンバーもいいお年頃になってきたから、この先何をやりたいかもう一度冷静に考えてきなさいって言われたんです。それで、2ヶ月間、グループから離れて、1人の関根梓として将来を考える時間を頂いたんです。でも、その2カ月、私はずっと自分のライブを観返したり、他のグループのライブを観ていたんです。この人のこのかっこいいパフォーマンスをどうやって自分に取り入れようかな?とか。それで結局全然アプガ(仮)から離れられていなかったんです(笑)。

──逆に研究しちゃっていたと(笑)。

関根 はい。私、アプガ(仮)以外に興味あるものがなくて。それこそ小学2年生からこの道をやってきて、他の道を知らないからしょうがないのかもしれないけど、普通、一度グループから離れる期間をいただいたら、何か別のことに挑戦してみようと思うじゃないですか。でも、私、他にやりたいことが何もなくて。それで、私はアプガ(仮)という道以外に興味が湧かないんだな、歌とダンスを通じて人の気持ちを動かすってことが本当に好きなんだなって思ったんです。それでこの好きなことを続けようと思ったんです。

──ただ、その後、5人のメンバーのうち4人が卒業という道を選びます。

関根。 はい。その話を聞いた時、私も卒業してソロでやるという道もあったと思うんです。でも、アプガ(仮)は約10年間たくさんの方に支えてもらいながらやってきて、メンバーも同じ気持ちで走ってきて、それなのにそれが誰1人としていなくなってしまったら、ここまで大切に育ててきたものが全部無くなっちゃうんじゃないかと思ったんです。ファンの人にも、すごく申し訳ないなって思ってしまったんですよね。今、私は24歳でアイドルとしては上の方の年齢だとは思うんです。でもここまでやって来たからこそ、アプガ(仮)を守りたいって気持ちで私は続けようって選択をしました。

──アプガ(仮)は今、新メンバーを募集していますが、新しいメンバーが入ってきても最初は関根さん1人の闘いも待ってそうな気がします。

関根 残るという決断をした後も事務所のスタッフさんに何度も聞かれました。「本当にそれでいいの?」って。「新メンバーが入ってきても、1人しか残らないとかいろんな可能性がある。そのいろんな可能性を考えた上でもう一度、結論を出したほうがいい」って。だから、決めるまではいろんな人に相談しました。「私はこう考えているんですが、どう思います?」って。

──なるほど。では、スッと決めたというより、何周もして続けるという決断に至ったわけなんですね。

関根。 ですね。結論を出すのに1年以上かけました。

──横で聞いている高萩さんがお地蔵さんみたいになっていますが(笑)。

高萩 そりゃ、なりますよ(笑)。関心しきりですもん。こういう話は、今、初めて聞きましたし。卒業という話を聞いてから、なかなかこちらからその話について触れられなくて……。本当にすごい決断だなって思います。

──さて、熱い気持ちを聞いたところで、最後に対談の締めとして、これからのお互いの未来に向けてエールの交換をお願いします。

高萩 アプガ(2)は、メンバーの卒業や加入がこれまで何度かあったので、関根さんがこれから感じるであろうことを少しは分かると思うんです。本当に大変だったんです(笑)。でも、新しく入ってくる子たちで関根さんを尊敬しない人はいないと思うんです。関根さんはパフォーマンスに対してどこまで追求していく本当にすごいアイドルなんです。これからアプガ(仮)の関根マザーとなって、新しいメンバーと新しいアプガ(仮)を作っていってくれるのが本当に楽しみです。その新体制アプガ(仮)さんに負けないように、アプガ(2)もっともっと頑張っていきたいと思います!

関根 ありがとう。

──では関根さんから高萩さんにも一言お願いします。

関根 まず、ちなったんはじめ1期メンバーちゃんには、ここまでアプガを続けてくれてありがとうという気持ちでいっぱいなんです。アプガを選んでくれて、続けてくれて本当にありがとう。

高萩 うれしい!

関根 ちなったんはアプガ(2)を引っ張る立場ではあるけど、これからは自分をさらけ出すことをもっと楽しんで欲しいなと思いますね。あと、アプガ(仮)は新しい形になりますけど、あくまでアプガ(2)の先輩グループとしてありたいんです。アプガ(2)にもファンのみなさんにも、すごいパフォーマンスだなって早く思ってもらえるように、これから入ってくる新メンバーの子たちと一緒になって新しいアプガ(仮)を作っていきたいです。私たちもアプガ(2)もがむしゃらに頑張って、アップアップガールズ全体がどんどん大きくなっていければと思ってます。

高萩 はい! 頑張ります!
▽メンバー卒業までのアップアップガールズ(仮)
古川小夏、森咲樹、佐保明梨、新井愛瞳の4名がグループの卒業を発表したアップアップガールズ(仮)。11月10日(火)には5人体制最後のアルバム『6thアルバム(仮)』をリリース。また、12月17日(木)Zepp Tokyoにて5人最後のライブ「アップアップガールズ(仮)FIVE SOUL FOREVER」を開催する。グループに残る関根梓は、新メンバーオーディションの合格者とともに新体制を作っていく。

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