入り口から足を踏み入れると、きらきらと光るガラス製品が浮かび上がる──。5月24日(土)、「バカラショップ 丸の内」(東京都千代田区)が移転リニューアルオープンした。

店内はやや薄暗く、什器に飾られたグラスや灰皿、オブジェなどが美しく輝く。これは徹底して計算された天井の照明のおかげだという。まるで製品そのものが照明の一部を担っているかのようだ。「暗く感じるかもしれない店内は、お客さまに没入体験をしてもらいやすいように。ぜひ、クリスタルと対話をしてもらいたい」。バカラ・パシフィックの学芸担当・庄司雅一さんはそう話す。

各所に焦がしたスギ材を使っているのは、バカラ製品の制作過程で木の道具がくすぶる様子を表現するため。優雅な曲線を描くディスプレイケースは、仏バカラ村の工場にみられるアーチデザインを取り入れた。そのほかにも数々のこだわりがあり、店そのものがまるでバカラ専門の美術館のようだ。

目玉の1つが、トランク型のディスプレイケースに収められた品々。

同店から歩いて数分のところにある高級バー「B bar Marunouchi」(同区)も、同じく24日に移転リニューアルオープンした。隠れ家のような入り口をくぐると、伝統的なつくりの随所に置かれたバカラのシャンデリアやスタンドに目を奪われる。

グラスは、200種超のなかから好みのものをセレクトできる。液体が注がれると、バカラはまた新しい表情をみせる。琥珀(こはく)色ならどこか親しみがあり、赤色なら妖艶(ようえん)で、白色なら規律的……。何度も大きさを調整したというカウンターのアームレストも心地よい。ショップで製品を見たあとに、バーでその出来を語り合う。そんな使い方もできそうだ。