ロシア実業家(石油王)ロマン・アブラモビッチ氏が2003年に買収して以降、豊富な資金力を背景にプレミアリーグ、欧州カップ戦の両方で強い存在感を放っているチェルシー。
現在は、その資金力にも翳りが見えているが、クラブOBフランク・ランパード氏を指揮官として招聘し、再びリーグの頂点を目指す戦いをスタートさせた。
近年は、その資金力から優秀な選手を多数獲得してきたチェルシー。しかし、中には全くと言っていいほど活躍できなかった選手も少なくない。今回はチェルシーでは活躍できなかったものの、退団後に輝きを放った5人の選手をご紹介する。

フィリペ・ルイス
2003年に母国ブラジルでプロデビューし、スペインで着実に力をつけたF・ルイスは2010年にアトレティコ・マドリードに加入。主力として活躍していた。
チェルシーはそのF・ルイスを2014年夏の移籍市場で獲得。しかし、プレミアリーグには肌が合わなかったのか、大した出場機会もないまま、1シーズンで古巣に戻ることとなった。
古巣アトレティコに復帰したF・ルイスはイングランド時代が嘘かのように活躍。類まれな攻撃性能を活かした、ゴールに絡むプレーも多く見せた。今シーズンからはブラジルに帰国。フラメンゴでプレーしている。

フアン・クアドラード
2009年に母国コロンビアを離れ、ウディネーゼに移籍したクアドラード。
チェルシーはそのクアドラードを2015年に獲得。しかし、プレミアリーグへの適応に苦しんだ。また、シーズン開幕直後に加入したペドロ・ロドリゲスの存在も彼を苦境に立たせることに。
クアドラードは1シーズンでチェルシーを退団。ユベントスがレンタルで獲得し、セリエA復帰を果たした。その後ユベントスが完全移籍でクアドラードを獲得。インテル戦での弾丸ボレーなど、ここぞという場面で輝きを放っている。

モハメド・サラー
前述したクアドラードと入れ替わる形でチェルシーからフィオレンティーナに加入したのがサラーだ。バーゼルで結果を残したサラーは2014年にチェルシーへ完全移籍。しかし、出場機会は限られた。
前述したように2015年にフィオレンティーナへ移籍したサラーは、得点力不足に苦しんでいたクラブを救う存在に。その後ローマへと移籍し、レギュラーとして活躍。彼を軸にしたカウンターは猛威を振るった。
そのサラーは2017年夏の移籍市場でリバプールに加入。加入1年目から驚異的なペースでゴールを量産。2シーズン連続でプレミアリーグの得点王に輝いている。

2011年にチェルシーに加入し、5大リーグ初挑戦を果たしたルカク。しかし、目立った活躍はできずにローンでウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンに移籍し、2014年にエバートンに完全移籍。
ルカクの才能はエバートンで爆発し、ゴールを量産。2016/2017シーズンには年間のベストイレブンにも選出されている。
そのルカクはマンチェスター・ユナイテッドに移籍し、今シーズンからはインテルでプレーしている。開幕節から2試合連続でゴールを挙げており、イカルディの穴を感じさせていない。

ケビン・デ・ブライネ
2012年に下部組織時代から過ごしたヘンクを離れ、チェルシーに加入したデ・ブライネ。しかし、『デイリー・メール』のインタビューに「モウリーニョ監督とは2回しか話さなかった」と語るなど、モウリーニョとの関係性に問題を抱え、ほとんど出場機会を得ることはできなかった。
そして、2014年に出場機会を求めてベルダー・ブレーメンに移籍すると実力をいかんなく発揮。翌シーズンにボルフスブルクへと移籍すると年間最優秀選手に選ばれ、翌シーズンにはマンチェスター・シティに移籍。
シティ加入以降のデ・ブライネはまさに人間離れしたパフォーマンスを見せ続けている。退団以降に才能が爆発した選手の代表格だろう。