ファビオ・カンナバーロ 写真提供: Gettyimages

中国の武漢から発生し、世界中に感染拡大の不安をもたらしている新型コロナウイルスは、スポーツの世界にも大きな影響を与えている。

このウイルスは「コロナ」という人間や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスの新種。

これまでに明らかになっている情報は、感染すると肺炎の症状を起こすこと、そして感染経路も重症度もインフルエンザに似ていることなどがある。

まだ確実な治療方法がない中、このウイルスのこれ以上の広まりを防ぐため、中国政府、世界保健機関(WHO)などが多様の対策をとっている。

ここでは新型コロナウイルスがサッカー界にもたらしている影響を具体的にみてみよう。

新型コロナウイルスのサッカー界への影響。中国リーグやACLの延期。Jリーグ、東京五輪は?
新型コロナウイルス検査 写真提供: Gettyimages

中国リーグの開幕は無期限の延期

新型コロナウイルス感染が武漢を中心として中国国内に拡大していることを受け、2月22日に開幕が予定されていた中国スーパーリーグを筆頭に、中国リーグ全てのカテゴリーの開幕日程が無期限延期となった。

1月30日、中国サッカー協会は「サポーター、選手、メディア、コーチングスタッフなどの健康を確保するため、2020シーズンの全国の全カテゴリーの開幕を延期することを決定した」と公式発表している。

また、2月5日に行われる予定だった中国スーパーカップ決勝戦、広州恒大対上海申花も延期に。同試合は二人の人物の影響でイタリアでも大きな注目を集めていた。一人は、2017年11月9日から広州恒大の監督を務めている元イタリア代表DFファビオ・カンナヴァーロ。そしてもう一人は、ミランやローマで活躍し2019年7月8日に上海申花に移籍したステファン・エル・シャーラウィだ。

新型コロナウイルスのサッカー界への影響。中国リーグやACLの延期。Jリーグ、東京五輪は?
アンドレス・イニエスタ 写真提供:GettyImages

Jリーグクラブも参加するACLにも影響

中国国内のサッカーだけではない。新型コロナウイルスの影響で日本のクラブも関わっているAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の日程変更も発表されている。

2月4日、アジアサッカー連盟(AFC)の緊急会議で、AFCチャンピオンズリーグ2020グループステージ第1、2、3節の中国クラブが出場する試合の延期が決定された。Jリーグのクラブが関わっている試合日程の変更は下記の3件となる。

ヴィッセル神戸 VS 広州恒大 3月3日(火)→ 5月26日(火)
FC東京 VS 上海緑地申花 3月4日(水)→ 5月27日(水)
横浜FM VS 上海上港 3月4日(水) → 5月27日(水)

新型コロナウイルスのサッカー界への影響。中国リーグやACLの延期。Jリーグ、東京五輪は?
2020年東京オリンピック 写真提供: Gettyimages

ファンサービス中止や、東京オリンピックに関するスケジュール変更

日本国内の試合に関しては、現在のところ何の影響もないと言われている。

しかし、開幕に向かっているJリーグクラブの多くが、ファンサービスを中止することを公式発表している。(参照:Jリーグ、コロナの影響でファンサービス中止のクラブ相次ぐ…

また、東京オリンピック女子サッカーのアジア最終予選は、2月3日から9日の間に中国武漢で行われる予定だったが、1月22日に会場を南京に変更することが発表された。さらに、その後も新型コロナウイルスの感染者が増えているため、アジアサッカー連盟は、中国で行われる予定の試合をオーストラリアのシドニーに変更している。

なお、この変更に関わっているのは最終予選グループBで戦う4チーム、中国代表、オーストラリア代表、タイ代表、台湾代表だ。中国代表に関しては、武漢の選手の選抜を控えているという。

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