マウリツィオ・サッリ 写真提供: Gettyimages

指導者としてアマチュアサッカーからセリエAの王者ユベントスの監督へと上り詰めたマウリツィオ・サッリ。銀行員として働きながら、下部リーグのコーチとしてキャリアを積んだ彼の秘密は何だろう…。

もちろん、監督としての素質がないとサッカー界のトップクラブの指導者にはなれないが、本当にそれだけなのだろうか?選手としての経験がないサッリのことを考えると、尚更だ。

サッリは多くの変わったジンクスを持ち、それらが運をもたらしてくれると強く信じている。これも彼が成功を収めた秘密の1つかもしれない。

サッリ監督の「変わったジンクス」まとめ。足の爪を切らない?
マウリツィオ・サッリ 写真提供: Gettyimages

足の爪

2003年から2005年の間にサッリが率いたサンジョバネーゼの複数選手が同じことを口にしている。

「サッリは多くの変わったジンクスを持っているが、もっとも印象に残ったのは彼の足の爪に関するリチュアルだ。爪を切ると運が逃げるということを信じていた。爪がどんどん伸び、シーズンの終わりにはもっと大きいサイズを靴を買う必要があっただろう」

練習場のローテーション

ナポリのFWドリース・メルテンスはサッリに関するあるエピソードについて話している。

「ナポリに移籍したばかりのときに、サッリは毎日違うピッチで練習を行なっていた。ピッチのローテーションはランダムだったそうだし、なぜ毎日違う場所で練習をする必要があったのかをコーチングスタッフもわからなかった」

その状況はシーズン途中で初めて負けた時から変わったようだ。そのときに、ピッチを変え続けることがサッリの変わったジンクスの1つだということに気付いたという。

サッリ監督の「変わったジンクス」まとめ。足の爪を切らない?
マウリツィオ・サッリ 写真提供: Gettyimages

バス運転手へのこだわり

サッリがターンオーバー(リーグ戦やカップ戦などの試合に応じてチームの先発メンバーを大きく入れ替えること)を好まないのは昔から有名な話だ。しかし、それは選手に限ったものではないようだ。

サッリはチームが勝利したある試合から、同じバス運転手にこだわっていたようだ。当時のサンソヴィーノ(サッリが2000年から2003年の間に率いたチーム)の選手が語っている。

それだけではない。

ある試合に向かっていた時の出来事だが、サッリはドライバーが急カーブを迎える度に新しいタバコに火をつけていた。そして、向かっていた試合に勝利したため、その変わったジンクスはしばらくの間続いていたという。

サッリ監督の「変わったジンクス」まとめ。足の爪を切らない?
マウリツィオ・サッリ 写真提供:Gettyimages

3杯のエスプレッソ

サッリの苛立ちやすい性格は、試合の内容に不満があるという理由だけではないようだ。彼は全ての試合の前に必ずエスプレッソ3杯を飲むと言われている。(エスプレッソに入っているカフェインの量はアメリカンコーヒーなどより多いため、1日1杯以上飲むことは好ましくないという)

その理由をトッマーゾ・スタラーチェが語る。彼はエスプレッソを淹れるのが得意で、練習前に選手やスタッフなど全員の分を作るそうだ。

「サッリは私のコーヒーを好んでいたが、試合前に3杯飲む癖はナポリで生まれたものではない。サンジョバネーゼの監督を務めていたとき、試合の前にコーヒーを3杯飲んで勝利したんだ。それから、どんなことがあっても試合前に飲むことを欠かさないんだ」

サッリ監督の「変わったジンクス」まとめ。足の爪を切らない?
マウリツィオ・サッリ 写真提供:GettyImages

試合ではピッチに足を踏み入れない

いつからの変わったジンクスは明らかでないが、サッリは試合の前やハーフタイム中に、ピッチに足を踏み入れることがない。

2019年2月24日に行われたEFLカップ(プレミアリーグとイングリッシュ・フットボールリーグの92クラブが参加するカップ戦)決勝でも、そのジンクスがカメラに捉えられていた。

チェルシーとマンチェスター・シティは0-0で試合を終え、延長戦を迎えた。サッリも参加できるようにとチェルシーの選手はピッチの外に出て円陣を組んだが、サッリの儀式は役に立たなかった。チェルシーはペナルティキックで4-3負けたのだ。

サッリ監督の「変わったジンクス」まとめ。足の爪を切らない?
マウリツィオ・サッリ 写真提供: Gettyimages

負けた試合のホテルは二度と使わない

サッリは試合に敗れた場合、アウェーで宿泊したホテルに二度と宿泊しない。

それはフィオレンティーナと戦った数日後に生まれたジンクスだと言われている。

ホテルの名前は明らかにされてないが、サッリはエンポリの監督だったときとナポリの監督だったときにそのホテルに宿泊し、ヴィオーラ(フィオレンティーナの愛称)に勝つことができなかった(1敗、3引き分け)。チェルシーとユベントスでも、アウェーで負けた際に泊まっていたホテルには二度と戻らないという。

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