大好きなアスリートのプレーを何度も繰り返し見ては、ワクワクしながら「自分もあんなふうになりたい」と思う。スポーツを愛する人には憧れの選手の1人や2人がいるものだ。

プロとなり、サッカー界で大物として認められるようになった選手にも、憧れのプレイヤーは存在する。憧れの目標を持ってこそ強くなれた面もあるだろう。

今回は、現在活躍中のスター選手が憧れているサッカー界のレジェンドをまとめよう。ただし、このリストの中には「憧れのアスリートは自分」とする選手もいる。さあ、それは誰だろう…。

スター選手が憧れるサッカー界のレジェンドたち。「自分」と答えたのは誰?

ルカク
憧れの選手:アドリアーノ

エバートンやマンチェスター・ユナイテッドで活躍し、2019年8月にインテルに移籍したスーパーストライカー、ロメル・ルカクセリエAでプレーするようになったのは、2004年から2009年にかけネラッズーリ(インテルの愛称)で活躍した元ブラジル代表FWアドリアーノの影響もあるという。

ルカクは新型コロナウイルスによるロックダウン中、友達であるレジェンドのティエリ・アンリ(現役時代ユベントス、アーセナル 、バルセロナなどで活躍、現在MLSモントリオール・インパクト監督)とインスタグラムでトークをし、子供の頃の夢や、憧れの選手についてこう語った。

「インテルでプレーすることになって、夢が叶いました。あなた(アンリ)は信じられないかもしれないが、僕は子供の時からインテルのサポーターでした!なぜかわかりますか?アドリアーノのようになりたかったからです。僕にとって憧れの選手でした。彼のように強くなりたくて、ずっと頑張っていました。当時の守備の硬いセリエAで15得点以上とるなんて…すごいことです」

ルカクはインテルに移籍してからすでに42試合に出場し、26ゴール5アシストを挙げている。

これからネラッズーリにとって、アドリアーノ以上の存在になることもあるだろう。

スター選手が憧れるサッカー界のレジェンドたち。「自分」と答えたのは誰?

ポグバ
憧れの選手:アブー・ディアビ

ユナイテッド所属のフランス代表MFポール・ポグバ。憧れのレジェンドといえば、誰でも知っている有名な選手の名前を想像するのが普通だろう。

しかし、ポグバが口にしたのは意外な選手だった。それはかつてアーセナルに在籍した元フランス代表MFヴァシリキ・アブー・ディアビである。

アブー・ディアビは計り知れないポテンシャルを持ったミッドフィルダーだったが、多くの怪我の積み重ねによって、所属したクラブでもフランス代表としても100%の実力を出せず、結果を残すことができなかった。フランスでは「l’Homme de Verre(ガラスの男)」というニックネームが付けられている。

しかしポグバは、アーセン・ベンゲル監督下のアーセナルでボランチとして戦っていたアブー・ディアビのプレーに憧れ、彼から多くのことを学んだと語った。

「多くのサッカー好きが彼のことをすでに忘れているかもしれませんが、僕が最も多くのことを学んだ選手はアブー・ディアビです。彼のプレーをもっともっと見たかったですね」

スター選手が憧れるサッカー界のレジェンドたち。「自分」と答えたのは誰?

イブラヒモビッチ
憧れの選手:ビエラ

ズラタン・イブラヒモビッチが、2019年12月27日にミランに復帰してからロッソネーリ(ミランの愛称)は別のチームになったかのごとく多くの勝利を重ねている。サポーターはこのスウェーデン人ストライカーのことを賛美し始め、チームメイト全員が彼に憧れるようになった。

しかし、イブラヒモビッチのような「神様」的な存在の選手にも、憧れの選手がいる。それはアーセナルで(1996年から2005年にかけて)レジェンドとなった元フランス代表MFパトリック・ビエラだ。現在はリーグ・アンでニースの監督を務めている。

2人はかつて、ユベントス(2005-2006)とインテル(2006-2009)で一緒にプレーし、イブラヒモビッチはビエラから多くのことを学んだという。

「パトリックはいつも私の面倒をみてくれました。私は自分がやっていることが十分だと思っていて、満足していました。しかし、パトリックは私の努力が足りないと教えてくれ、もっと頑張れるようになりました。彼のおかげで、今はピッチに出る全ての試合で120%の力を出せるようになりました」

スター選手が憧れるサッカー界のレジェンドたち。「自分」と答えたのは誰?

カバーニ
憧れの選手:バティストゥータ

今年(2020年)6月にパリ・サンジェルマン(PSG)を離れることとなったウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニ。現在彼の獲得を多くのクラブが狙っており、夏の移籍市場はカバーニを中心に盛り上がりそうだ。

カバーニは、2013年7月16日PSGに移籍した際に、背番号9を選んだ。1992年から2000年にかけてフィオレンティーナで活躍したストライカー、元アルゼンチン代表ガブリエル・バティストゥータに憧れていたのが理由だったという。

バティストゥータはビオーラ(フィオレンティーナの愛称)で269試合に出場し、153得点を挙げた。1試合あたり1.7ゴールという、驚異的な決定力を持ち、理想的なレジェンドストライカーだった。

カバーニはバティストゥータについてこう話している。

「昔から憧れているストライカーを1人選ばなければならないのなら、バティストゥータを選びますね。フィオレンティーナの9番を背負った彼は最強でした。

9番は特別な数字で得点を挙げる人間を表します。よく似合っていましたよ」

スター選手が憧れるサッカー界のレジェンドたち。「自分」と答えたのは誰?

ロナウド
憧れの選手:自分

世界年間最優秀選手を決めるバロンドール賞を5回も受賞しているユベントスのFWクリスティアーノ・ロナウド。現代サッカーの最強選手にも憧れのプレイヤーがいるのだろうか?答えはノーだ。

2011年、まだ26歳だったロナウドはこう語っている。

「私には憧れの選手がいません。自分が好きです。ポルトガル史上最強選手ではなく、世界一強いプレイヤーになりたいです。そのためにいつも努力しています。引退した時は、自分のスタッツやプレーを振り返り、世界一になれたかどうかを確認したいと思います」

ただし2003年、ユナイテッドに移籍したロナウドには、自分より強いと認めるほどの選手がいた。それは同じポルトガル人であるFWファビオ・パイムであった。

あるジャーナリストに対してロナウドが「僕が強いと思いますか?じゃあまだファビオ・パイムのプレーを見てないですね」と語っている。しかし、ロナウドより3歳年下のパイムは、暴力団との関わりを持つなどして複数の問題を起こし、残念ながらサッカー界で頭角を現すことがなかった。

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