世界中で広まっているタトゥー文化。海外サッカーの試合を観戦すると、多くの選手が体に文字や絵を刻んでいることが確認できる。
日本では歴史柄マイナスのイメージが働き、タトゥーは認められない場合が多い。先日もプロボクシングの世界チャンピオン井岡一翔のタトゥーを巡る議論が大きく巻き起こったばかりだが、タトゥーを入れている日本人選手は、基本的にバンドやテーピングなどで隠すものとされている。
従って普段なかなか確認することはできないが、ここでは2月末に開幕するJ1リーグ2021シーズンに挑むサッカー選手の中から、タトゥーの入った日本人選手を紹介しよう。

荒野拓馬(札幌)
2010年から北海道コンサドーレ札幌を支え、クラブ最年少出場(17歳187日)を記録しているMF荒野拓馬。
同選手の左腕には「Gracias Madre」というスペイン語のタトゥーが確認できる。意味は「お母さんありがとう」である。グラフィックデザイナーが経営する札幌の『マウンテン・ハイ・タトゥー・ワークス』で刻まれたもののようだ。

小野伸二(札幌)
約1年間半のFC琉球でのプレー(2019年8月~2020年12月)を経て、今年1月に北海道コンサドーレ札幌への2度目の移籍を果たした元日本代表MF小野伸二。
同選手の左肩には「誇」という文字が刻まれている。かつてフェイエノールトでプレー(2001-2005)し、UEFAクラブ国際大会の全てに出場した唯一の日本人選手にとってはぴったりの字だ。

柿谷曜一朗(名古屋)
2020年12月にセレッソ大阪から名古屋グランパスへ完全移籍した元日本代表FW柿谷曜一朗は、左足首にローマ数字の「VIII」(8)と彫られたタトゥーがある。
8という数字は柿谷のC大阪での背番号であり、ミスターセレッソと呼ばれている森島寛晃氏(現在同クラブの代表)や、香川真司がセレッソ時代(2006-2010)2009シーズンから背負った番号でもある。

井手口陽介(G大阪)
ガンバ大阪のユースで育ち、海外で過ごした2018/19シーズン(リーズ・ユナイテッドから、クルトゥラル・レオネサとグロイター・フュルトにレンタル)後、再び同クラブに復帰した井手口陽介にもタトゥーが刻まれているようだ。
普段はテーピングをしていてあまり目立たないが、井手口の右手首には英語のフレーズが書かれている。このタトゥーの詳細や意味は、いまだ明らかにされていない。

宇佐美貴史(G大阪)
井手口同様G大阪のユース育ちで、バイエルン・ミュンヘン(2011-2012)やデュッセルドルフ(2017-2019)などブンデスリーガクラブでのプレーを経て大阪に戻った宇佐美貴史。はっきりと確認できる画像はないが、右腕にタトゥーを入れている。
初めて宇佐美のタトゥーの写真が広まったのは、2016年アウクスブルク所属時だった。その後2018年のロシアワールドカップ中、タトゥーの一部がユニフォームからはみ出たことで、インターネット上で一気に知れ渡ることになった。

酒井高徳(神戸)
やはり、タトゥーを刻んでいるのは海外サッカーを経験した選手が多い。かつてドイツのシュトゥットガルト(2011-2015)とハンブルガー(2015-2019)でプレーし、2019年8月ヴィッセル神戸に移籍した酒井高徳もそうだ。
2020年7月に同選手の公式インスタグラムにアップされた下記の画像では、左腕に大きく広がったタトゥーが確認できる。

南雄太(横浜FC)
2019年J2リーグで正GKとして33試合横浜FCのゴールを守り、同クラブ13年ぶりのJ1復帰に大きく貢献した南雄太も、タトゥーが入った日本人選手の1人である。
試合や練習では長いソックスを履いていることから確認できる機会は少ないが、南の右足のふくらはぎには聖母マリア像と思われるタトゥーが刻まれている。

杉本健勇(浦和)
C大阪の下部組織で育ち、2019シーズンから浦和レッズに所属するFW杉本健勇の体には、2つのタトゥーが確認されている。
まずは左腰のあたりに刻まれた「光永」という漢字。そして、二の腕の内側にシンボルのようなものが、半袖のユニフォームの下から少しはみ出て確認されている。二の腕のタトゥーの詳細はまだ明らかにされていないようだ。

槙野智章(浦和)
かつてドイツのケルンでプレーし(2010-2012)、2012年から浦和レッズのディフェンスラインをリードする元日本代表DF槙野智章は、左肩あたりに大きめのタトゥーがある。
フェイスブックの「いいね」マークのようにオッケーサインをする手のタトゥーで、手首の部分には「Big Heart」という英語の文字が刻まれている。日本語で「寛大な心」という意味を持つ。

前寛之(福岡)
かつて札幌(2014-2018)や水戸ホーリーホック(2018-2019)でプレーし、2020シーズン開幕前にアビスパ福岡に移籍すると、キャプテンの役割を任せられたMF前寛之。あまり目立たないが、同選手の体にもタトゥーが隠されている。
福岡でプレーした試合で、左腕に巻いたキャプテンマークの下から文字のようなものがはみ出ていることが確認されるも、刻まれている文字ははっきり判明していない。

三國ケネディエブス(福岡)
ユニフォームを着ていると気付かないが、2019年青森山田高校から福岡に入団したDF三國ケネディエブスの胸の左側には、動物のタトゥーが刻まれている。
2020年9月に福岡がV・ファーレン長崎を相手に7連勝を果たした直後、三國は公式インスタグラムに写真を投稿した。拡大すると、動物の顔のタトゥーが確認できる。高い確率でマンモスであると思われる。

松田兄弟(C大阪)
2016年からセレッソ大阪に所属するDF松田陸は、今年1月に双子の弟であるFW松田力と同僚となり、兄弟は共に2021シーズンを戦うこととなった。
インターネットで上がっている複数の写真では、陸の右腕全体に大きなタトゥーが確認できる。また、力の右腕の内側にも、英語と思われる文字が刻まれている。