現在セリエAで9連覇を誇るイタリアの最強クラブ、ユベントスでプレーすることは多くのサッカー選手の夢である。

ユベントスは歴史的に多くのタイトルを獲得してきただけでなく、昔から未来性のあるコンセプトや確固としたシステムを確立しているクラブとして、サッカー界の頂点を目指すプロ選手から憧れられる存在だ。

しかし、そんなユベントスからオファーを受けたにもかかわらず、移籍を拒否してきた選手も存在する。理由は様々だが、8人の例を紹介しよう。

最強ユーベのオファーを拒否したサッカー選手8選。その理由とは…

ディ・ナターレ

2002年から引退の2016年までウディネーゼの点取屋を務め、2シーズン連続(2009/10、2010/11)でセリエA得点王にもなった元イタリア代表FWアントニオ・ディ・ナターレ。

ディ・ナターレは2010年にユベントスからオファーを受けるも「いいえ、けっこうです」という素直でシンプルな回答と共に、同クラブへの移籍を拒否した。

その理由はユベントスを嫌がっていたためではなく、ウディネーゼのサポーターのことを第一に考え残留するためだったと言われている。一方で、ビッグクラブへのステップアップが怖かったと分析しているイタリア人サッカー評論家もいる。

最強ユーベのオファーを拒否したサッカー選手8選。その理由とは…

ヨベティッチ

2017年からモナコに所属しているモンテネグロ代表FWステファン・ヨベティッチは、フィオレンティーナ時代(2008-2013)にユベントスからのアプローチを受けるも、ディ・ナターレと同様の理由で移籍を拒否した。

しかしヨベティッチは、2013年にマンチェスター ・シティへ移籍後、ビアンコネーリ(ユベントスの愛称)のオファーを断ったことを後悔しているかのようなコメントを残している。

「シティへの移籍は個人的な野心のためだ。タイトル争いできるチームで優勝してみたい。ユーベはずっと僕のことを欲しがっていたが、フィオレンティーナのサポーターを裏切ることができなかった」

最強ユーベのオファーを拒否したサッカー選手8選。その理由とは…

ナインゴラン

現在インテルからカリアリにレンタル移籍中の元ベルギー代表MFラジャ・ナインゴランは、前述の2選手と違って、ユベントスが“気に食わない”と言う。また、その憎しみを一度も隠したことがない。

ナインゴランはローマ時代(2014-2018)に5度もビアンコネーリからオファーを受けたことを自身で明かしているが、「僕にとってユーベは倒すべき相手だ。あのチームのユニフォームは絶対着ない、着たくもない」と辛辣な言葉を加えてノーを示した。

このコメントにより、未だに同選手はユベントスのサポーターに嫌われていると感じているようだ。

最強ユーベのオファーを拒否したサッカー選手8選。その理由とは…

カッサーノ

自分の限界を感じて断った選手もいる。かつてレアル・マドリード(2006-2007)やサンプドリア(2007-2010)などでプレーした元イタリア代表FWアントニオ・カッサーノがそうだ。

カッサーノはピッチ内の実力に自信がなかったわけではない。捻くれた性格で有名な彼は、ユベントスのような礼儀正しく厳しい環境のクラブでやっていけるかどうかに迷っていたようだ。

バーリ時代(1998-2001)にビアンコネーリにアプローチされたカッサーノは「僕のような選手はユーベに3日しか残れないだろう。1日目は契約サイン、2日目は記者会見、3日目で首になっていたと思う」と、笑いながらコメントした。

最強ユーベのオファーを拒否したサッカー選手8選。その理由とは…

ネスタ

ラツィオのユースで育ち、1993年から2002年にかけて同クラブのゴールを守った元イタリア代表DFアレッサンドロ・ネスタも、当時ユベントスのオファーを拒否する判断を下した。

「ユーベのオファーを断ったのはラツィオを離れたくないからだ。ここで成長しプロになった。このクラブ以外のユニフォームを着るのは考えられない」とコメントを残している。

一方、2002年にネスタはミランに移籍することとなったが、それは彼の判断というよりは、財政難に苦しんでいたラツィオが決めた移籍と言っていいだろう。

最強ユーベのオファーを拒否したサッカー選手8選。その理由とは…

ドラクスラー

現在パリ・サンジェルマン(PSG)に所属するドイツ代表MFユリアン・ドラクスラー。シャルケの選手だった2015年に、ヴォルフスブルクとユベントスの2つの移籍先クラブが候補に上がった。

ドラクスラーが選んだのは、ドイツのクラブへの移籍だ。2016年のユーロ(欧州選手権)に向けてドイツ代表監督ヨアヒム・レーヴにアピールしたいというのがその理由だった。

その後、ユベントスを選ばなかったことを後悔したと思われるドラクスラーは自らユベントスにアプローチしている。しかし同選手への興味が冷めたビアンコネーリはその行動を見送った。

最強ユーベのオファーを拒否したサッカー選手8選。その理由とは…

ビツェル

金銭的な理由で拒否した選手も1人いる。現在ボルシア・ドルトムント所属のベルギー代表MFアクセル・ビツェルだ。

2016年の夏、ビアンコネーリも含めビツェルの獲得を狙うクラブが大勢現れた中、当時の所属クラブのゼニト・サンクトペテルブルクが同選手をどこにも出さないと決意した。

一方、ユベントスは諦めなかった。2017年1月に再びビツェルの獲得に向けてゼニトと取引をする。しかしながら取引途中で天津天海からの邪魔が入り、巨額の移籍金を目の前にしたビツェルは中国への移籍を選択した。

最強ユーベのオファーを拒否したサッカー選手8選。その理由とは…

リーバ

歴史的に最も話題となったユベントスへの移籍拒否は、イタリア代表として歴代最多35ゴールを挙げたレジェンドFWルイジ・リーバ(現カリアリの名誉会長)であろう。

リーバはプロ1年目を除く全てのキャリア(1963-1976)をカリアリに注ぎ、その間ビアンコネーリから幾度もアプローチされるも、サポーターを第一に想いそれを断り続けてきた。

「毎週日曜日にサッサリ(北サルデーニャ州の町)から遠く離れたカリアリまで試合を見に来るサポーターの姿を目の当たりにして、サルデーニャの人々にとってサッカーは全てだと確信した。彼らを裏切りたくなかった。今もその選択を後悔してない」と、コメントを残している。

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