スポーツマスコット文化は、1900年代前半に始まったと言われている。アメリカの大学やスポーツクラブから人気を博し、最初期スポーツマスコットの1つとしては、1908年に誕生したMLB(メジャーリーグベースボール)シカゴ・カブスの熊をモチーフにした「ベアマン」が知られる。

特に日本では、サッカー界でもマスコットがクラブの象徴として存在感を示しサポーターに愛されている。しかし欧州ではマスコットに対してそれほどの熱はなく、応援しているクラブのマスコットを知らないサポーターが多くいるのも不思議なことではない。

では、あまり知られていない欧州サッカークラブのマスコットにはどのようなものがあるだろうか。ここでは当メディア編集部で採点を行い「可愛さ」をランキング化した(「1:全く可愛くない」~「10:超可愛い」)20体を紹介しよう。どのクラブのキャラクターが好き?

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

20位:リッター・コイレ(ウニオン・ベルリン)

評価:2/10

ウニオン・ベルリン(ドイツ)のマスコットである「リッター・コイレ」は、勇気溢れる真の鉄の騎士である。残念ながら「可愛い」とは言えないランキング結果になった。試合の前には同クラブのスタジアム、シュタディオン・アン・デア・アルテン・フェルステライのピッチサイトに立っている。誕生日、結婚式、お祝い、商業出演など、イベントを盛り上げるためにも予約できるとのことだ。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

19位:フレッド・ザ・レッド(マンU

評価:2.2/10

1990年代初頭以来、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)のマスコットとなった「フレッド・ザ・レッド」は、赤い悪魔を表している。由来は同クラブのニックネームである「The Red Devils(赤い悪魔)」だ。背番号「55」を纏い、試合前にスタジアム観戦者を盛り上げている。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

17位:ミラネッロ(ミラン)

評価:2.5/10

アメリカのエンターテインメント企業『ワーナー・ブラザース』が製作したキャラクターであり、2006年2月からミラン(イタリア)のマスコットとなったミラネッロ。ユナイテッドの「フレッド・ザ・レッド」と同様に赤い悪魔であり、由来はミランのニックネーム「Il Diavolo(悪魔)」である。ちなみにマスコットの名は1963年からのミランの練習施設「ミラネッロ」に因んでいる。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

17位:ジェイ(ユベントス)

評価:2.5/10

シマウマの「ジェイ」は、2015年9月からユベントス(イタリア)のマスコットとなった。過去10年の間にユベントスはリブランディングに力を入れており、ジェイもそれによって誕生したキャラクターである。2011年にはユベントス・スタジアムやJミュージアム(ユベントス博物館)がオープンし、2015年にこのジェイが誕生、2017年7月にはクラブロゴなども改善され新しい風が吹いたユベントスは、2011年から2020年にかけてセリエA優勝9連覇を達成した。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

15位:ブラウくん&グラナちゃん(レバンテ)

評価:2.7/10

2016年からレバンテ(スペイン)のマスコットとなった「ブラウくんとグラナちゃん」は、ラ・リーガ初となる男女ペアのキャラクターである。“キモ可愛い”蛙カップルであり、レバンテのニックネーム「Les Granotes(蛙)」に因んで作られた。「ブラウ」と「グラナ」は、クラブの色である「青」と「えんじ色」を表す。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

15位:エルウィン(シャルケ04)

評価:2.7/10

シャルケ04(ドイツ)の「エルウィン」は、1995年に誕生した。クラブの本拠地であるノルトライン=ヴェストファーレン州ゲルゼンキルヒェンには炭鉱の歴史があり、このマスコットは炭鉱夫を表しているようだ。2017年4月1日に香川真司も出場したボルシア・ドルトムント戦で、エルウィンが主審にレッドカードを提示する面白いエピソードが話題になった。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

14位:ホッフィ(ホッフェンハイム)

評価:3.3/10

ムース(ヘラジカ)の「ホッフィ」は、2004年に誕生したホッフェンハイム(ドイツ)のマスコットであり、チームのキッズクラブの看板でもある。2014年3月2日に行われたホッフェンハイム対ヴォルフスブルク戦(6-2)では、ホッフィにある事件が起きている。FWアントニー・モデストが4得点目のゴールを挙げ、歓喜の輪に加わろうとしたホッフィ。広告につまづき転倒し、頭が外れてマスコットの中身が観戦者に丸見えとなってしまった。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

12位:スタンフォードくん&ブリジットちゃん(チェルシー)

評価:4/10

「スタンフォードくんとブリジットちゃん」は、チェルシー(イングランド)のマスコットだ。スタンフォードくんはチェルシーのロゴにも描かれているライオンをイメージして作られ、古くからクラブを支えている。一方、パートナーのブリジットちゃんは2013年に誕生した新キャラクターである。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

12位:ブリー(ライプツィヒ)

評価:4/10

2021年7月10日に10歳の誕生日を迎えた「ブリー」。ライプツィヒ(ドイツ)のスポンサー『レッドブル』のロゴキャラクターを思わせる赤い闘牛である。公式インスタグラムアカウントも持ち、約2万人のフォロワーがいる。サポーターを喜ばせるのが大好きなようだが、尻尾を引っ張られると怒るのでご注意を。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

11位:マイティ・レッド(リバプール)

評価:4.4/10

リバプール(イングランド)には長い間ピッチサイドでサポーターを盛り上げるマスコットがいなかったが、エンブレムに描かれているリバプール市の象徴でもある神話上の鳥「ライバー・バード」が2012年にマスコット化した。その名は「マイティ・レッド」だ。好きな色はもちろん赤で、お気に入りの曲は1963年以来サポーターソングとして歌い継がれているジェリー&ザ・ペースメイカーズの『You’ll Never Walk Alone』とのこと。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

10位:ガナザウルス(アーセナル)

評価:4.5/10

サッカー界で最も有名なマスコットといえば、1994年に誕生したアーセナル(イングランド)の「ガナザウルス」であろう。1993/94シーズン中、アーセナルは子供サポーターにマスコットを描いてもらうキャンペーンを行い、その中から選ばれたのがこの“ぽっちゃり恐竜”であった。

ガナザウルスは、新型コロナウイルスによる財政難によって一時職を失った。2020年10月に27年間に渡ってマスコットの中の人を務めたジェリー・クィ氏の解雇が発表される。しかしサポーターによるクラウドファンディングや、当時アーセナルに所属したMFメスト・エジルらの行動によって、復活を果たしている。

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9位:ヘルティーニョ(ヘルタ・ベルリン)

評価:4.6/10

1999年からヘルタ・ベルリン(ドイツ)のサポーターを盛り上げているのは、ブラジル出身のヒグマ「ヘルティーニョ」だ。取り柄は笑顔であり、撮影したいサポーターがいれば喜んでポーズをとるようだ。サッカーの試合だけではなく、ベルリンやその周辺で行われる多くのイベントにも顔を出しているという。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

8位:ジェルマン・ザ・リンクス(PSG)

評価:4.8/10

メッシを含む多くのスーパースターが揃うパリ・サンジェルマン(フランス)には、その強さを表現するに相応しいマスコットがいる。その名は「ジェルマン・ザ・リンクス」である。

リンクス(オオヤマネコ)は、スピードと優れた視力も持ち、シカなどの大きな獲物も狙える動物だ。PSGに優れたゲームビジョン、勝利への本能、競争力をもたらすよう考えられたキャラクターのようだ。

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7位:フィルバート・フォックス(レスター)

評価:5.7/10

1992年からレスター・シティ(イングランド)のマスコットを務める「フィルバート・フォックス」。コロナ禍で無観客になるまでは一度もホーム試合を逃したことがなく、出場数は1000試合を超えているという。2015/16シーズンにレスターは歴代初のプレミアリーグ優勝を果たし、フィルバートもそのトロフィーを掲げた。また翌シーズン初進出となったチャンピオンズリーグ(CL)では、アウェイ試合でもクラブを応援してきた。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

6位:ベアニー(バイエルン・ミュンヘン)

評価:6.2/10

身長2m、体重99kgの巨大熊「ベアニー」は、2004年に誕生したバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)のマスコットである。可愛らしい顔の持ち主で、人気あるキャラクターだ。2015年9月22日に行われたバイエルン対ヴォルフスブルク戦、FWロベルト・レバンドフスキがブンデスリーガ史上最速の約9分で5得点という記録を挙げた(記録は3得点目、4得点目、5得点目)。サポーターは同試合後にベアニーとレバンドフスキがハグする姿をは忘れられないことだろう。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

5位:エマ(ボルシア・ドルトムント)

評価:6.3/10

蜂の「エマ」はボルシア・ドルトムント(ドイツ)のマスコットである。名前の由来は1960年から1969年にかけて同クラブでプレーしたレジェンドFWローター・エメリッヒ(愛称エマ)から来ている。同選手は249試合中に148得点39アシストを記録した。黄色と黒のマスコットカラーも、ドルトムントのユニフォームと同様である。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

3位:チャーピー(トッテナム

評価:6.6/10

黒くてややわかりずらいが、トッテナム・ホットスパー(イングランド)のマスコット「チャーピー」は雄鶏(おんどり)である。クラブ名は「ホットスパー」の通称で呼ばれた中世の騎士ヘンリー・パーシーから由来しているが、パーシーが飼っていた闘鶏(雄鶏を戦わせて勝負を争う競技)の鶏が拍車(スパー)を付けていたと伝えられることから、エンブレムやスタジアム屋根の飾りにも雄鶏が採用されている。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

3位:リュー・ザ・ライオン(オリンピック・リヨン)

評価:6.6/10

オリンピック・リヨン(フランス)のマスコットである「リュー・ザ・ライオン」。このキャラクターに関しては明確な情報があまりないが、この明るい表情を見て「可愛い」と思う人が多いのだと思われる。2019年に、マスコットの中の人がもう少し動きやすくなるように、キャラクターがやや改造されたようだ。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

2位:インディー(アトレティコ・マドリード

評価:6.7/10

アトレティコ・マドリード(スペイン)の「インディー」は、アライグマを表しているマスコットである。2017年にアトレティコは、専用スタジアムをエスタディオ・メトロポリターノに移転し、ロゴのスタイルを変更するなど、イメージアップに力を入れた。その際にインディーのデザインも現代的なものに改善されている。

欧州サッカークラブのチームマスコット20選、可愛さランキング

1位:ウルフィー(ヴォルフスブルグ)

評価:7/10

可愛さランキング1位となったのは、1997年からヴォルフスブルグ(ドイツ)のサポーターを盛り上げている狼の「ウルフィー」だ。ウルフィーの家はフォルクスワーゲン・アレーナ(同クラブのスタジアム)の中にあり、「ウルフィーの洞窟」として試合中に子供たちがウルフィーと遊ぶことができるキッズエリアになっている。遊びに夢中な子供が得点を見逃さないよう、壁には試合を流すスクリーンが多くあるようだ。

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