プレミアリーグ、レスター・シティの象徴とも言える元イングランド代表FWジェイミー・バーディ(35歳)。2012年にレスターに移籍後、これまでに375試合中158得点を記録。

2015/16シーズンのリーグ優勝「レスターの奇跡」にも岡崎慎司と共に大きく貢献した。

今2021/22シーズン、負傷者続出中のレスターは現在10位に低迷中。バーディも第20節のリバプール戦(12月29日)にてハムストリングを負傷し、最大8週間の離脱を余儀なくされている。それまでほぼ全試合フル出場していた同選手の怪我についてブレンダン・ロジャース監督は「最初に想定したよりひどいものだった」と深刻な顔で語った。

ここではそんなバーディの復活を待ちながら、彼の人生における一風変わったエピソード5つを振り返ってみたい。

レスターFWジェイミー・バーディの異色エピソード5選。日本人への差別行為も…

障害ある友人を守るため暴力を振るう

2015年5月初のイングランド代表選抜の際、バーディは暴力を振るう“悪ガキ”だったことをメディアの前で語った。刑事裁判で有罪判決まで受けた暴力事件があったようだ。

しかしその事件の裏には理由があったという。「自分がしたことを誇りに思ってないが、障害のある友人を守るために暴力を振るった。困っている仲間がいるとおっておけない。それによって大変な目に遭うことになったが」と、明かしている。自身だけでなく家族にも多くのトラブルが及んだが、強い自分を作り上げる過程においての重要なエピソードであると言及した。

レスターFWジェイミー・バーディの異色エピソード5選。日本人への差別行為も…

サッカーをしながら工場で働く

16歳の時に「体が小さい」という理由で所属していたシェフィールド・ウェンズデイ(現イングランド3部)を解雇されたバーディは、約1年間ボールを蹴らない時期が続いた。その間も含め約8年もの間、炭素繊維工場に勤めていたことが知られている。

医療用副木の作成技師として働いていたという。

ストックスブリッジ・パーク・スティールズという地方クラブに加入しサッカーを再開するバーディだが、週30ポンド(約5,000円)という非常に低い報酬で生活ができず、工場での仕事を続けた。毎日12時間働いた後に練習や試合を迎えていたようだ。

2017年、バーディはあるテレビ番組の企画で、かつて働いたその工場を訪れている。元同僚と会話したり、社員の子供たちに向けサイン会を行ったりした。

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レスターに移籍後、エンターテイナーになることも検討

フリートウッド・タウン(当時イングランド5部)で大活躍し注目を集め始めたバーディは、2012年にレスター(当時2部)への移籍を果たす。ところがイビサ島(スペイン・バレンシアの東に位置する島)のリゾート地で客人を楽しませるエンターテイナーとなるチャンスが訪れ、レスター退団をも検討したという。

バーディはこの件について「イビサ島に引っ越すのは素晴らしいアイディアだと思っていた。EFLチャンピオンシップ(2部)でプレーしたことがなく、思い通りにできてなかったしね」とコメントしている。

しかし、当時のレスターを率いたナイジェル・ピアソン監督が引き止めに成功。「ピアソン監督に、もっと努力すれば高いレベルでプレーできると言われた。彼が僕の可能性を信じていると聞いて安心した。彼が言った通りになったね」と続けた。

レスターFWジェイミー・バーディの異色エピソード5選。日本人への差別行為も…

プロ選手にあるまじき粗悪な栄養バランス

プロサッカー選手に栄養士が付き、バランスの良い食事をとるのはよく知られている話だ。しかしバーディには独特な栄養摂取の習慣があるようで、自身が自伝で明らかにしている。

「土曜日3時に試合開始としよう。その場合は、起きた時にレッドブルを30秒以内で飲み切る。朝食を取らず、11時半にチーズとハムのオムレツと豆のシチューを食べる。それももちろんレッドブルと一緒に。キックオフ1時間前にスタジアムに着くが、その時にもレッドブルを飲むね」

決して良い栄養摂取の習慣とは言えないのが明らかだ。それでも得点を重ね続けているバーディの活躍には、その食事スタイルを試してみたい人が現れてもおかしくないことだろう。

レスターFWジェイミー・バーディの異色エピソード5選。日本人への差別行為も…

カジノで日本人相手に差別的行為

2015年8月8日、プレミアリーグ開幕戦となったレスター対サンダーランド(現3部)で1得点を挙げたバーディは、試合後自身の彼女と、チームメイトのFWデビッド・ニュージェントと共にカジノに遊びに行く。

そのカジノにて何らかの理由で背後に立っていた日本人男性にイラついたバーディ。「ジャップ、ヨー!ジャップ、出て行け、出て行け、ジャップ」と数分間に渡り連呼したといい、翌日そのエピソードが世間に晒され、差別的な行為として訴えられた。

当時チームメイトだった岡崎慎司とのトラブルも心配されたが、当時のクラウディオ・ラニエリ監督は「ジェイミーとシンジは話し合ったが、シンジは怒ってませんよ。2人の練習は見たと思うが、良いコンビだったでしょう?」と、岡崎との間には何もなかったことを明らかにしている。

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