2021年12月19日に行われた「天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権」決勝から約2ヶ月。Jリーグのサポーターにとっては長い長い期間だったことだろう。
2022シーズンの先陣を切るのは、2月12日に行われる「FUJIFILM SUPER CUP(富士フイルムスーパーカップ)」だ。馴染みのない名前かもしれないが、昨年までの「FUJI XEROX SUPER CUP(富士ゼロックススーパーカップ)」から名称が変更された、J1リーグ覇者と天皇杯の勝者の間で行われる大会である。
名称以外は変わりはなく、1994年の第1回大会から引き続き富士フイルムビジネスイノベーション株式会社とスーパーカップパートナー契約を結んでおり、今回で29回目の開催を迎えることとなる。なんと「同一企業の協賛で最も長く開催されたサッカースーパーカップ大会」としてギネス世界記録にも認定されている。
ここでは、2021明治安田生命J1リーグチャンピオンである川崎フロンターレと、約2ヶ月前の天皇杯の優勝チームである浦和レッズが激突するこの一戦について。加えて、当日同会場で行われる「NEXT GENERATION MATCH」や「Jリーグマスコット総選挙」についてもまとめていく。
本戦、川崎と浦和の見通し
昨2021年のJ1リーグを制し、移籍市場での入れ替わりが少なかった川崎フロンターレが、対戦相手浦和レッズを完成度で上回る可能性は高い。
川崎は、スコットランドのセルティックで早速大活躍をみせている旗手怜央の移籍が痛いが、横浜FCから瀬古樹、コンサドーレ札幌からチャナティップ・ソングラシンと実力が確かな2選手を獲得。2017年から指揮を執る鬼木達監督のもと、パスでリズムを刻むようなサッカーで圧倒的な強さを見せてきた。昨年のメンバーをベースに、この2選手や新卒で加入した選手らがどう絡むのかに注目が集まる。
一方の浦和は、変革の時を迎えた。阿部勇樹、宇賀神友弥、興梠慎三、槙野智章などの長年チームを支えた選手達がチームを離れ、岩尾憲、犬飼智也、大畑歩夢、松尾佑介、松崎快らを加えている。
2022年のリーグ戦を引っ張りそうな両チームの、完成度を測る意味でも興味深い試合となる。ちなみに昨年の同大会では、J1リーグチャンピオンの川崎フロンターレが天皇杯王者のガンバ大阪を3-2で破っているが、果たして。
チケットは完売、生配信でも注目
12日の13時35分にキックオフとなるこの試合は、日本テレビ系全国ネットにて生中継される。民放公式テレビポータルのTVerでも生配信されるため、テレビがない環境でも視聴可能だ。両チームのサポーターはもちろん、他のJクラブのサポーター、普段はサッカーにさほど興味のない方も気軽に楽しめる。
世界をまたにかけた活躍をするような、新たなスターの誕生を観られるかもしれない。そんな2022シーズンの始まりを観てみてはいかがだろうか。神奈川県にまん延防止等重点措置が適用されたことで収容人数が20,000人となっているとはいえ、チケットは完売。日産スタジアムを舞台に行われる熱い戦いに、要注目だ。

「NEXT GENERATION MATCH」の行方も
前座試合としては、高校生年代による試合も行われる。「NEXT GENERATION MATCH」と銘打たれたこの試合では、前年度のJ1リーグチャンピオンの「アカデミーチーム」と、全国高校サッカー選手権大会の優秀選手から選考された「日本高校サッカー選抜」が対戦。
アカデミーチームは昨年に続き、川崎フロンターレU-18が出場する。注目選手はU-17日本代表候補で193cmの高さを誇るDF高井幸大や、U-17日本代表でボールコントロールに優れた大関友翔ら。
対する日本高校サッカー選抜は結成から数日での試合となるが、選考合宿を経て選ばれたメンバーであり高体連の代表としても簡単には負けられない。先日の全国高校サッカー選手権で優勝した青森山田高校からはMF藤森颯太とMF田澤夢積が、準優勝した”公立の雄”大津高校からはGK佐藤瑠星、DF川副泰樹、MF薬師田澪、MF川口敦史の4名が選出されている。
未来の日本代表を知るきっかけになるかもしれない一戦は、どちらが勝利するだろうか。
なお本大会のチケットを持っている方は、この試合も観戦が可能。加えてCS放送日テレジータスにて10時15分より生中継。日本テレビ系(関東ローカル)でも15時40分頃よりダイジェストが放送される。
Jリーグマスコット総選挙と大運動会も
また、本大会の催しとして、Jリーグのマスコット達による戦いも見逃せない。事前に行われた「Jリーグマスコット総選挙」の結果発表と、当日行われる「マスコット大運動会」だ。
マスコット総選挙とは、J1リーグからJ3リーグまでのマスコット54体の人気投票を行うもの。ちなみに2020年はマリノスケ(横浜FM)が1位、グランパスくん(名古屋)が2位、ヴィヴィくん(長崎)が3位。
マスコット大運動会は本戦終了後に行われる、マスコット達による運動会。赤組と白組に分かれ、玉入れ、綱引き、リレーの3競技で勝敗を競う。ちなみに司会はJリーグのサポーターにお馴染みでお笑いタレントの平畠啓史さん。この模様はJリーグYouTube公式チャンネルにてライブ配信が行われる。
スタジアムを訪れる方はもちろん、行くことのできない方でもこれらイベントを含めて楽しめるようになっている「FUJIFILM SUPER CUP」。2022シーズンの始まりとなるこの1日を、満喫しよう。