11月21日から12月18日にかけて開催が予定されている、2022FIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)。グループリーグの組み合わせ抽選会が4月1日に行われた。
出場を決めているのは32枠中29カ国。抽選会では関係者が見守る中、元ブラジル代表のカフー氏や、元ナイジェリア代表のオーガスティン・オコチャ氏らが進行を務め、未定の3枠を含めて全てのグループリーグの内容が決定した。
未定のうち1枠は欧州予選プレーオフで、ウクライナを含むパスAの決勝が6月に延期されている。残る2枠は大陸間プレーオフで、アジア(UAE/オーストラリア)VS南米(ペルー)、北中米カリブ海(コスタリカ)VSオセアニア(ニュージーランド)の試合が6月13または14日に開催予定。それぞれの勝者が出場権を得る。
ここでは、カタールW杯グループリーグ、8つの組み合わせについてまとめていく。

グループA
- カタール(初出場)
- エクアドル(2大会ぶり4回目)
- セネガル(2大会連続3回目)
- オランダ(2大会ぶり11回目)
現地サポーターの応援など多くのアドバンテージを得られる開催国カタールが入ったグループA。そのカタールと、アフリカ最終予選でエジプトを下して通過したセネガルは、いずれも直近の大陸王者だ。
カタールは2019年のAFCアジアカップで、準決勝まで無失点と強固な守備を誇り、決勝では日本を3-1で下しての優勝。セネガルは2021年のアフリカネイションズカップで、エジプトを下して優勝している。
残るエクアドルとオランダは、前回大会(2018年ロシアW杯)に出場できなかった悔しさも持ち合わせる。本命はオランダとの見方が強いが、くせ者揃いのグループと言えよう。混戦となる可能性も大いにあり得る。

グループB
- イングランド(7大会連続16回目)
- イラン(3大会連続6回目)
- アメリカ(2大会ぶり11回目)
- 欧州POパスA勝者(スコットランド/ウクライナ/ウェールズ)
欧州最後の枠を争うプレーオフの結果を待って、出揃うこととなるグループB。ウェールズ、ウクライナ、スコットランドのいずれかが出場権を手にするが、3カ国共に近年W杯本大会からは遠ざかっており、行方が注目される。
アメリカは前回ロシア大会を逃したことで連続出場が6回で途絶えていたため、カタール大会へ懸ける思いは大きいだろう。イランはといえば、前回大会ではスペイン・ポルトガルと同組に。苦戦が予想された中、スペインには0-1の惜敗、ポルトガルには1-1のドローを演じた。
いずれにしても前回4位のイングランドが大本命であることは、間違いないと思われる。グループリーグ突破の残り1枠を巡っては大混戦も予想される。

グループC
- アルゼンチン(13大会連続18回目)
- サウジアラビア(2大会連続6回目)
- メキシコ(8大会連続17回目)
- ポーランド(2大会連続9回目)
W杯決勝トーナメント常連のアルゼンチンとメキシコ。対して近年はグループリーグ突破ができていないサウジアラビアとポーランド。対象的な組み合わせとなったグループC。
アジア予選1位通過とはいえ、サウジアラビアにとっては難しい戦いが予想される。
残り3カ国については、やはりアルゼンチンが頭抜けていると言えよう。メキシコとポーランドはかなりの激戦も予想されるが、得点力を考えればロベルト・レバンドフスキ擁するポーランドが優位か。

グループD
- フランス(7大会連続16回目)
- 大陸間PO勝者(UAE/オーストラリア/ペルー)
- デンマーク(2大会連続6回目)
- チュニジア(2大会連続6回目)
前回大会王者フランスのいるグループD。大陸間プレーオフ(6月13または14日)の、アジア5位(6月7日UAE対オーストラリアの勝者)とペルーの勝者が加わって出揃う。
順当にいけば、突破の大本命はフランスだ。だが、W杯王者が次大会でグループリーグ敗退という事象も直近に起きており(ロシア大会時のドイツ、2014年ブラジル大会時のスペイン)ジンクスの点で懸念は残る。
フランスが前評判通りだとしても、突破の残り1枠を巡っては混戦となりそうだ。これまでのW杯の成績では、デンマークが一歩リードする。しかし大陸間プレーオフ枠も含めて、力の差がそれほどあるとは考えにくい。

グループE
- スペイン(12大会連続16回目)
- 大陸間PO勝者(コスタリカ/ニュージーランド)
- ドイツ(18大会連続20回目)
- 日本(7大会連続7回目)
2強2弱との見方や、かつてのW杯王者であるスペイン(2010年優勝)とドイツ(2014年優勝)が同居することから「死の組」との見方もあるグループE。大陸間プレーオフ(6月13または14日)のコスタリカとニュージーランドの勝者が加わり出揃うことになる。
日本とプレーオフ勝者にとっては、苦戦は間違いないだろう。
スペインとドイツにとっては、突破確実と煽る世論の方が敵になるのかもしれない。

グループF
- ベルギー(3大会連続14回目)
- カナダ(9大会ぶり2回目)
- モロッコ(2大会連続6回目)
- クロアチア(3大会連続6回目)
前回ロシア大会で準優勝のクロアチアと、3位のベルギーが激突するグループF。
残る2カ国は実に36年ぶりとなるW杯出場となったカナダと、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督率いるモロッコだ。ハリルホジッチ監督は、ブラジル大会(2014年)時に同じアフリカ勢のアルジェリアを率い、同大会優勝国ドイツを苦しめた経歴を持つ。
実績から見れば、クロアチアとベルギー優位で間違いない。だが、若手の台頭著しいカナダに、アフリカ勢と相性のいい指揮官が率いるモロッコ。

グループG
- ブラジル(22大会連続22回目)
- セルビア(2大会連続13回目)
- スイス(5大会連続12回目)
- カメルーン(2大会ぶり8回目)
FIFAランキング1位(2022年3月1日発表)のブラジルを筆頭に、確かな実力者が揃うグループG。奇しくもカメルーンを除く3カ国は、前回ロシア大会と同様の顔合わせとなった。
ブラジルがやや抜けた存在だが、スイスもここ2大会は連続で決勝トーナメントへ駒を進めている。また、セルビアにとってスイスは、ロシア大会時グループリーグ第2戦で逆転負け(1-2)を喫した雪辱の相手。自国の英雄ドラガン・ストイコビッチ監督のもと、どんな結果が生まれるのかには注目だ。
2大会ぶりの出場となるカメルーンは、2014年ブラジル大会では自国のサッカー連盟とのいざこざや主力選手の退場など力を発揮できなかっただけに、今大会での躍動に期待がかかる。

グループH
- ポルトガル(6大会連続8回目)
- ガーナ(2大会ぶり4回目)
- ウルグアイ(4大会連続14回目)
- 韓国(10大会連続11回目)
各大陸の予選を苦しみながら上がってきた国が多いグループH。
ポルトガルは欧州予選をプレーオフまで戦い、ようやく本大会への切符を掴んだ。また、欧州と同じく激戦区の南米予選を通過したウルグアイ。残り2試合の時点で3位以下は大混戦となっており、敗退も十分あり得た。ガーナはアフリカ最終予選でナイジェリアと対戦し、2試合とも引き分け(ホーム戦0-0/アウェー戦1-1)の末、アウェーゴール差での突破となっている。
韓国を除く3カ国が予選ぎりぎりの突破でたどり着いており、さぞ意気が上がっていることだろう。