毎月月初めに、前月の明治安田生命Jリーグで特に活躍した選手11名を取り上げてご紹介。2022年5月はJ1リーグから6名、J2リーグから3名、J3リーグから2名をピックアップした。
5月の全試合終了時点までのJ1では、サンフレッチェ広島とガンバ大阪が15試合、そのほかのチームが16試合を消化。首位を争っていた鹿島アントラーズと川崎フロンターレが失速し、横浜F・マリノスが首位に浮上している。下位の湘南ベルマーレ、ヴィッセル神戸も勝ち点を積み、残留争いも混戦気味だ。
全チームが19試合を消化したJ2でも、順位の入れ替わりが起こった。首位を走っていた横浜FCが失速し3位に。代わって首位に浮上したベガルタ仙台、2位に上がったアルビレックス新潟とともに三つ巴となっている。4位以下は大混戦で、4位から10位までが勝ち点差3。11位から17位までも勝ち点差3。4位から19位まででも勝ち点差8と、1試合ごとに大きく順位が入れ替わる状況。
J3では全チーム10試合消化し、こちらも上位陣が入れ替わり。4連勝中の鹿児島ユナイテッドが首位に立ち、2位にはいわきFCが浮上している。まだまだ波乱がありそうな気配十分だ。

GKキム・ジンヒョン(J1・セレッソ大阪)
2009年からセレッソ大阪の守護神を務めているキム・ジンヒョン。今年もここまでジュビロ磐田戦での途中交代を除いて全試合にフル出場し、幾多のビッグセーブ、また精度の高いキックをみせている。J1での出場数を339まで伸ばしており、マルキーニョス(2015年引退)が保持していた外国籍選手の最多出場記録を更新したことも称賛に値する。
DF奈良竜樹(J1・アビスパ福岡)
アビスパ福岡のリーグ最少失点に大きく貢献している奈良竜樹。「身体は熱く頭は冷静に」を体現し、常に冷静な守備職人だ。その一方で第14節の横浜F・マリノス戦では、最終盤のピンチを耐えきった際にガッツポーズ。勝利へのこだわりを感じさせた。チームは得点力不足が深刻だが、それでも12位なのは奈良をはじめとする守備陣の頑張りがあってこそだ。

DFアレクサンダー・ショルツ(J1・浦和レッズ)
浦和レッズは5月の6試合で未勝利、その前を含めると9試合未勝利と苦しんでいる。だが実は敗戦も1試合のみ。6試合で6失点と守備は安定。これはアレクサンダー・ショルツの守備能力あってこそだ。精度の高い縦パスを入れられ、攻撃の出発点になることもできる。勝利に対する貪欲さも持ち、浮上のカギを握っている。
DF小池龍太(J1・横浜F・マリノス)
首位を争う横浜F・マリノスに欠かせない、ユーティリティープレーヤー小池龍太。両SBはもちろんボランチでもプレーでき、5月は右SBで3試合、左SBで2試合にスタメン出場。

FW上田綺世(J1・鹿島アントラーズ)
5月のリーグ戦6試合で5得点を上げている鹿島アントラーズの上田綺世。3年連続2桁得点を達成するとともに、点取り屋の本能が完全に目覚めた印象だ。まだシーズンの半分未満での10得点で、得点ランキング首位に浮上し、日本人FW全体でも屈指の得点力を会得しつつある。日本人離れしたシュートは一見の価値あり。
MF満田誠(J1・サンフレッチェ広島)
プロ1年目ながら運動量とスピードを活かし、サンフレッチェ広島で定位置を掴んだ満田誠。かといって、ただ勢いに任せることもない。判断がよく、攻守ともに労を惜しまない。5月は2得点を挙げるなど、ここまで計4得点。今後が楽しみな1人だ。

DF堀米悠斗(J2・アルビレックス新潟)
左SBながら、非常に攻撃意識が高いアルビレックス新潟の堀米悠斗。パスの精度も高く、前に本間至恩がいる場合は特に全速力のスプリントで追い越していく。サイドに優れたアタッカーを揃える新潟の攻撃を、後方から支えている。
FW木下康介(J2・水戸ホーリーホック)
逆輸入ストライカー木下康介が、水戸ホーリーホックのエースストライカーとなっている。5月の6試合で3得点し、東京ヴェルディ戦といわてグルージャ盛岡戦の勝利に欠かせない活躍をみせた。

MFフォギーニョ(J2・ベガルタ仙台)
ベガルタ仙台のフォギーニョ。途中出場の試合もあったが、これは先のことを考えてのことだろう。いずれの試合でも持ち前のボール奪取能力の高さをみせ、第16節のツエーゲン金沢戦ではJリーグ初ゴールを含む2得点。続く大宮アルディージャ戦でもゴールを決めた。J2で首位に立った仙台が昇格するために、極めて重要な存在となりそうだ。
FW藤岡浩介(J3・FC岐阜)
4月までは無得点だったFC岐阜の藤岡浩介。5月の4試合で6得点をあげ、それもうち2試合は後半途中からの出場で、一気にJ3得点ランキング首位にまで浮上した。昨年テゲバジャーロ宮崎で2桁得点を記録したFWが、岐阜でもその実力をみせている。横山雄次新監督への交代を経て順位を上げてきた岐阜を、さらに上に連れていくことはできるか。
FW有田光希(J3・鹿児島ユナイテッド)
5月に行われたリーグ戦3試合で3得点を記録し、鹿児島ユナイテッドを3連勝でのJ3首位浮上に導いた有田光希。出足の鋭さとシュート技術でゴールを陥れるだけでなく、得点のなかった第9節のFC今治戦でもアシストを記録している。